1966年に開催された姫路大博覧会。その遺産は姫路市内各所に残されています。姫路駅から1.5kmほどの位置にある手柄山には、そんなモノレールの跡、そして不思議な古城の姿が・・・!遠い過去のにぎわいやワクワクが伝わってくるスポットです。
夢が詰まった姫路大博覧会
「姫路大博覧会」をご存じでしょうか?1966年4月3日~6月5日に開催された地方博覧会で、期間中に約150万人もの人が訪れた一大イベント。
手柄山にあるモノレール展示室では、そんな姫路大博覧会と、それに向けて設置された姫路モノレールについて知ることができます。
手柄山の中央会場・名古山会場・南会場と3つの会場には多数のパビリオン(展示場)が設置され、多くの人でにぎわったといいます。最新技術を集めた「近代工業館」や「自動車館」、地方の魅力が詰まった「姫路館」や「播磨館」、ちょっと不思議な「海底探検館」や人間魚雷回天を展示した「回天館」など様々なパビリオンが展開されていました。
未来の鉄道・姫路モノレール
1966年5月17日に運行開始した姫路モノレール。は、姫路駅から大将軍駅、そしてこの手柄山駅までの区間で運行していました。そもそもこの手柄山交流ステーション自体がモノレールの手柄山駅であったのです。
今でこそモノレールはそれほど珍しくありませんが、日本初の本格的な公共交通機関としてのモノレールは1964年、東京オリンピックに向けて建設された「東京モノレール」。そこからわずか2年後ということを考えると、当時はきっとセンセーショナルな乗り物であったと伺い知れます。
レトロなモノレールの車内
「モノレール展示室」の名の通り、モノレールの車体が当時の面影を残したまま待機しております。屋内保存のためか老朽化の様子はなく、今すぐにでも姫路駅へ向かって出発しそう。
車内はエンジ色のシートが並びます。カーテンもあり、少しレトロな雰囲気です。
期待に胸を膨らませたファミリーも乗っていました。真っ白なのに、すごくわくわくした雰囲気が伝わってくる見事な造形です。
昭和45年の発車時刻表もあります。終電は17:50。今見るととんでもなく早く感じますが、この頃は現代とは時間の感覚が違ったのでしょうね。
結局のところ、姫路モノレールは利用客数が見込めず、1974年4月11日に休業。そのまま1979年に廃止となってしまいました。
なぜ利用客は少なかったのでしょうか・・・?モノレールの行き先は住宅地から離れた手柄山。博覧会の後もレジャー利用は見込めても、日常で利用する人は少なかったのではないでしょうか。また、運賃がかなり高額だったということなので、わざわざ利用する人は限られてしまったようです。
モノレールはこれで終わりではなく、姫路の人気観光スポット、円教寺のある書写山(しょしゃざん)へ、さらには日本海側の鳥取県まで延びる壮大な計画があったといいます。姫路~鳥取のモノレールなんて、現代の感覚でも夢がありますね!
今なおそびえるスリラー塔
姫路市内には姫路大博覧会&姫路モノレールの跡がいくつか残されていますが、中でも圧倒的な存在感を放つのがこちらのスリラー塔。姫路市立水族館のすぐ裏手にそびえています。
内部に何があるというわけではありませんが、立派なお城はテンション上がります!古城風の出で立ちは雰囲気が抜群で撮影スポットとしても良さげ。思わず心臓を捧げたくなります。
この城の正体は姫路大博覧会のパビリオンの跡とのこと。
パビリオンと言うからには何か展示がされていたのでしょうか・・・?見た限りでは部屋と呼べるような空間はわずかなので展望台くらいにしかならないのでは。気になって「パビリオン」というコトバを調べてみたところ、「展示館」以外にも、「仮設の建築物」などの意味もあるそう。きっと子どもが登って楽しめるアトラクションのような位置づけだったのでしょうね。
アクセスと営業情報
山陽電鉄の手柄駅から徒歩10分、または姫路駅からバスも出ています。手柄山には駐車場が複数ありますが、第1立体駐車場の3階、もしくは山頂駐車場が便利なようです。いずれも1日200円。
姫路市立水族館新館と同じく手柄山交流ステーションの建物内にるので、合わせての訪問がおすすめです。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 月曜 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.himeji.lg.jp/himemono/index.html |
※掲載の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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