博多の総鎮守として知られる歴史ある神社。境内にはユニークな見どころも多く存在しています。例大祭である祇園山笠は全国有数の大きな祭で、それに使用される巨大な山笠の展示も一年を通して見ることができます。
博多の総鎮守
櫛田神社は、博多の旧市街である祇園に位置する神社。創建は757年とされており、古来より人々から篤く信仰されています。
その土地の氏神を祀る神社を鎮守社と呼びますが、この櫛田神社は博多の総鎮守。博多全域を守る神社で、地元の人々からは「お櫛田さん」という愛称で親しまれているそうです。
鮮やかな装飾の拝殿
楼門をくぐると、すぐに拝殿が見えてきます。祭神は大幡大神(櫛田大神)、天照皇大神、素盞嗚大神(祇園大神)の三神。
拝殿内部には色鮮やかな天井絵が。こちらは式年遷宮記念に奉納されたもので、にわか面や傘鉾など様々なモチーフが描かれています。
拝殿には風神雷神の彫刻が施されているのですが、よく見ると風神(写真右)があっかんべーをしています。まるで、雷神(写真左)から逃げるような仕草は、少しコミカルで楽しい気分にさせてくれます。
ユニークな見どころ
境内に生える大木は、「櫛田の銀杏」とよばれる樹齢約1000年のイチョウ。不老長寿の御神木として信仰されているそう。
鶴が集まっているこちらの井戸は、「霊泉鶴の井戸」。この水を飲むと、不老長寿に恵まれるそう。現在は、水質の問題で飲用は中止されていますが、境内に絶え間なく流れる水の音を鳴り響かせており、何とも風流。
たくさん並んでいるこの石は「力石」。力士が奉納しているもので、よく見ると石に名前が書かれています。
手前(写真左下)にポツンと置かれているのは「試石」で、こちらは参拝者が持ち上げて力試しをすることができます。試しとはいえかなりの重さで、私には到底持ち上げることはできませんでした。トライする方は、腰を傷めないようにご注意くださいね。
楼門で天井を見上げると、カラフルな彫刻が目に入ります。これは「干支恵方盤」。中心のコンパスが可動式となっており、今年の恵方を示しています。
拝殿の裏手にまわると見える土壁。こちらは「博多べい」といい、かつて豊臣秀吉が築いたとされています。戦国時代の戦火によって荒廃した博多の街を復興させた秀吉。焼石や焼け瓦といった廃材を活用し、このような壁を作り上げたそうです。
迫力の祇園山笠
櫛田神社の例大祭である博多祇園山笠は、700年以上の歴史を持つ博多を代表するお祭り。毎年7月に2週間かけて開催され、集客数は300万人を越える日本最大級のお祭りの一つです。
このお祭りの名物が山笠。祭に登場する山笠は「舁き山笠」と「飾り山笠」の2種類に分かれます。前者がお神輿のように人の手で担いで曳き回すのに対し、後者は豪華絢爛な人形で飾られた展示用の山笠。飾り山笠は「山崩し」と呼ばれる行事にて解体されてしまいますが、ここ櫛田神社では年間を通して常設展示されています。
高さは10mにも及んでおり、下に立って見上げると迫力満点。飾られている人形も色鮮やかで躍動感が満ちあふれています。
毎年新しいものがつくられる山笠。両面それぞれにストーリーが描かれており、2021年4月に展示されていたものは、「清正公虎退治誉」と「桃太郎鬼退治誉」。最上部に御殿が立ち、下に向かって道が伸びていく構成は、垂直ながらも奥行きを感じさせます。
アクセス情報
地下鉄・祇園駅2番出口から徒歩5分。祇園駅は博多空港から地下鉄に乗ればわずか7分でアクセスできます。空港到着日、もしくは空港出発日にも立ち寄りやすい神社です。
また、今回うっかり訪問忘れてしまったのですが、境内には歴史館もあります!
コメント
[…] 私は今回、空港から祇園駅まで地下鉄を利用、祇園駅周辺の櫛田神社や東長寺を観光した後、バスにて博多港へと向かいました。 […]