小豆島と縁のある映画「二十四の瞳」をテーマにした、島を代表する観光スポット。撮影に使用されたロケセットはもちろん、レトロな世界観や開放的なロケーションはとってもフォトジェニック。ところで、映画を見たことがなくても楽しめるのでしょうか?
小豆島が舞台の作品
映画『八日目の蟬』やアニメ『からかい上手の高木さん』など、様々なストーリーの舞台として知られる小豆島。
中でも、特に知名度が高い作品が『二十四の瞳』。1952年に壺井栄さんが発表した小説であり、1954年に映画化されました。
実は小説内では「小豆島」をはじめとした具体的な地名は出てこないようですが、最初に映画化される際に作者の故郷である小豆島を舞台として設定。それ以後、この物語は小豆島とゆかりの深い作品として知られるようになります。
その後も1987年に2度目の映画化が行われ、テレビドラマは1964年から最新は2005年の合計8回、さらには1980年にはテレビアニメにもなっています。時代を超えて何度も映像化されてきた歴史を見ると、多くの人の心を動かしてきた作品ということがひしひしと伝わってきますね。
小豆島には、そんな不朽の名作をテーマにしたスポット『二十四の瞳映画村』があります。令和の時代においても小豆島を代表する観光名所であり、るるぶ等の観光雑誌でもおなじみの人気スポットです。
映画を見ていなくても楽しめる?
既に察してしまった方は多いかと思いますが、私は見たことがありません!!
以前小豆島へ渡ったときも見てから行こうかと考えたのですが、いったいどれを見て良いかわからず、結局そのときは『八日目の蟬』と『UDON』を見てしまいました。今回小豆島へ再訪するにあたって見ておこうと思ったのですが、結局間に合わず・・・。
この二十四の瞳映画村は小豆島内でも、他の観光地から少し離れた半島の先にあります。どこかへ行くついでに立ち寄れる場所ではありません。映画も見ていない、原作の内容も知らないのにわざわざ行って楽しめるのでしょうか・・・?少々不安でしたが、人気スポットであるここをスルーするのも申し訳なく立ち寄ってみました。
以前北海道で立ち寄った『幸せの黄色いハンカチ想い出広場』が、映画を見ていなくても楽しめたというのも後押しになりました。
二十四の瞳映画村の公式サイトには、あらすじが掲載されています。簡潔で非常に読みやすいので、ちょっとでも知識がほしい方にはおすすめです!
レトロな町並みを楽しむ
園内は撮影時に使用したオープンセットを活用した村が広がっています。切妻瓦屋根の木造家屋が並ぶ様子は、まるで重要伝統的建造物群保存地区のような情緒あふれる光景です。
キネマの庵にはギャラリーが設けられており「日本映画黄金期 1950’」の展示が広がります。ドリンクや食事メニューがそろった「Cafeシネマ倶楽部」も併設されており、ビンの牛乳や揚パンの給食セットなんかもあります。
他にもカフェ、ショップ、フォトスポット、ギャラリーなど見どころがたっぷり。
ちょっとユニークなポイントとしては、2019年7月にオープンしたのが海洋堂フィギュアギャラリーなんかもあります。一部屋だけの小さな施設ですが、ここもまた懐かしさであふれています。
ノスタルジックな木造校舎
劇中に登場する苗羽尋常小学校田浦分校のセットである木造校舎もそのまま展示されています。
内部には教卓や学習机、撮影に使用された小道具などがそのまま残っており、ノスタルジックな雰囲気。腰掛けてみると、昭和の転生したような感覚に陥ります。
窓の向こうに広がる瀬戸内海。窓辺で記念撮影する人も多い、人気のフォトスポットです。
この校舎の目の前には汐江海岸が広がります。ベンチも置かれており、なんとも開放的なロケーション。ぼーっと海を眺めて過ごしたくなります。
二十四の瞳を鑑賞する
園内にあるギャラリー松竹座は、レトロな昭和の映画館が再現された施設。館内では、実際に映画が上映されています。
ここで見ることができるのは、もちろん『二十四の瞳』(デジタルリマスター版)。そうです、まったく知らないで訪れてしまっても、時間にヨユウがある方はここで作品をフルで堪能することができるのです!
①9:00~11:42
②11:42~14:24
③14:24~17:00
※2023年6月時点の情報です
上映スケジュールは1日3回。2時間42分とそれなりの長さですが、入退場は自由なのでスケジュールに合わせて少しだけ見てみる、なんていうのもアリです。ただし、③の上映は営業時間の関係でラストまで見ることができなくなります。
アート作品も点在
瀬戸内国際芸術祭の舞台のひとつであり、多数のアート作品が点在している小豆島。この二十四の瞳映画村にもいくつかの作品が展示されています。
まずは、映画村の目の前の海辺にたたずむ《愛のボラード》by 清水久和。ボラードというのは、港にある船をつなぎとめるための杭のようなもの。真っ白でまるっこくて巨大なボラードは、なんだかとっても優しそう。実は、醤の郷にある人気作品《オリーブのリーゼント》と同じ作者による作品です。
もうひとつ、園内にある作品がこちらの《漁師の夢》by 入江早耶。
この写真ではそこまでアートっぽさを感じない日本家屋に見えますが、作品となっているのは左奥にちらっと見える部屋。そこにはたくさんのサカナの絵が飾られています。
ホンモノの木造校舎「岬の分教場」
二十四の瞳映画村から1km弱のところには、岬の分教場という施設があります。別料金ですが、お得なセット券も販売。
二十四の瞳映画村と同様に、こちらにも木造校舎が建っています。内部には大きな黒板や学習机が置かれており、情緒あふれる空間が広がっていました。
実はここは映画のセットではなく、もともと「苗羽小学校田浦分校」として1902年~1972年の70年にわたり使用されたホンモノの校舎。さきほど二十四の瞳映画村にあった木造校舎のセットは、ここをモデルにして作られたそうです。
映画を見ていなくても楽しめる?
結論から先に言いますと、想像以上に楽しめました!
もちろん映画を見ていた方が何倍も楽しめるとは思いますが、レトロな木造建築やアート作品、ユニークなショップも多数あり、まるで『まち歩き』のような楽しみ方ができます。「見てないからわからないだろう」と素通りしてしまうのはもったいないスポットです。
少しでも解像度を上げたい方は、あらすじだけ確認もおすすめ。
また、滞在時間をたっぷりとって、園内のギャラリー松竹座で上映されている本編を見て現地補填するという作戦もありです!映画を見た直後、映画館を出たらその作品の世界が広がっているというものすごく貴重な体験ができるはずです。
アクセスと営業情報
市街地から離れた田浦半島の先端付近にあります。「醤の郷」や「坂手港」より車で約10分、「池田港」より車で約30分ほど。
小豆島オリーブ園のすぐ近くにある「オリーブ・ナビ桟橋」から渡し舟も運航しています!車で行くと20分以上かかりますが、舟なら片道約10分。時刻表は無く、随時運行しているそうです。
営業時間 | 9:00~17:00 |
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定休日 | 月曜 |
料金 | 890円(岬の分教場セット券 1,000円) |
公式サイト | https://www.24hitomi.or |
※掲載の情報は2023年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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