迫力のシアターとミニチュア瀬戸大橋『瀬戸大橋記念館』(坂出市)

香川県

遺跡のような重厚な外観の瀬戸大橋記念館は、瀬戸大橋をテーマにした無料のミュージアム。建設に関する展示や映像コンテンツ、そして直接眺める展望台で、瀬戸大橋にとことん向き合う場所です。

訪問日:2018/3/11(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

無料で楽しめるミュージアム

言わずと知れた、本州と四国をつなぐ巨大な橋・瀬戸大橋

現在、本州と四国をつなぐ本州四国連絡橋は兵庫県と徳島県を結ぶ『明石海峡大橋&大鳴門橋』、広島県と愛媛県を結ぶ『しまなみ海道』、そして岡山県と香川県を結ぶ『瀬戸大橋』と3つのルートがあります。そのうち、一番最初に開通したのがこちらの瀬戸大橋。

香川県坂出市にある瀬戸大橋記念館は、そんな瀬戸大橋について詳しく知ることのできるスポットです。入館料はなんと無料!すぐ近くには「瀬戸大橋タワー」や「東山魁夷せとうち美術館」もあるので、セットでめぐるのもおすすめです。

瀬戸大橋ができるまで

海を越える橋を見ると、いつも思っていたのが、どうやって海の中に橋脚を設置したのか。安定した橋を架けるには海底で工事を行う必要があると思うのですが、一体どのような手法で行っているのでしょうか・・・?瀬戸大橋記念館には、その答えがありました。

まずは海底発破で土砂などを取り除き、海底掘削で整えます。

その後、大型グラブ船を使って基礎底面まで掘り起こします。ウルトラヘビーバケットという強そうな名前の先っぽで海底に亀裂を起こすのですが、その爪の一つがこちら。

なんと、この爪一つで750kgの重さ!ウルトラヘビーバケット全体で125トン。わけわからない重さです。

見えない海底を整えるため、ときには、技術者自らが潜水服を着て海底へ潜り調査を行ったそうです。

そして、ケーソンと呼ばれる箱を設置、その中にコンクリートを流し込めば橋脚の完成です!

様々な最新技術が導入された大工事であった瀬戸大橋建設。その後もたくさんの工程を経て、1988年4月10日瀬戸大橋は開通します。

現在、当たり前のように本州と四国を車で移動していますが、この橋が出きる前は船でしか行き来ができなかったのですよね・・・。そう考えるとこの瀬戸大橋ができたことは、センセーショナルな出来事であったはず。開通前にはブリッジウォークが行われ、10万人の人々が手を繋いで本州と四国の繋がりを祝ったといいます。その賑わいを体験してみたくなりますね。

ミニチュアで見る瀬戸大橋

巨大過ぎて全貌が掴みづらい瀬戸大橋ですが、模型だといろいろと見えてくるものがあります。

断面模型では、自動車、鉄道、そして電力ケーブルと光ファイバーケーブルのライフラインが通り抜けています。一番見えている部分が自動車道のため、ついつい「車のための橋」と考えてしまいますが、実際はいろいろなものが通り抜ける多機能な橋なのです。

こちらのぐるぐるとまわっている道は、岩黒島のループ橋。瀬戸大橋が乗っかる5つの島の1つである岩黒島には、渦巻くループ状の車道が設置されています。

当初はエレベーターのみの設置予定でしたが、地元住民の強い希望により設置されることに。これで岩黒島の人々は自家用車で四国や本州へ渡ることができるようになりました。

実際に岩黒島に行った訪問記はコチラ!

エレベーターで降り立つ瀬戸大橋の島『岩黒島』(坂出市/塩飽諸島)
瀬戸大橋が架かる塩飽(しわく)諸島の島。車で通り抜けることはできますが、島民以外の車は島に降りることは不可。唯一の交通手段は、なんとエレベーター!

ブリッジシアター

館内のブリッジシアターは、ドーム状の全天周スクリーンで臨場感抜群。空を飛んでいるような気分です。途中入場、退場も可能です。

瀬戸大橋や香川県に関わる内容から、宇宙をテーマにした作品まで、様々なコンテンツが上映されています。

今回見ることができた『天空の調べ』(15分)は、瀬戸大橋完成、そして2188年の200周年記念までの未来予想を描いた壮大なアニメーション。橋の建設とともに瀬戸内に暮らす人々の姿が描かれており、セリフはなくとも感動的なストーリーでした。先ほど想像した「瀬戸大橋完成当時のにぎわい」も、疑似体験することができました・・・!

もう一本、『Cafe de UDON-KEN』(3分)も見てきました。「カフェ ド うどん県」・・・タイトルからは全く想像がつかなかったのですが、ワゴンカフェを営む要潤が、常連客の宮本亜門とともにアート談義を楽しむというPRムービーでした。楽しげにアートをまわる姿を見ていると、香川に住んで日々アートめぐりを楽しみたくなってしまいました。(※2023年2月時点では放映されていないようです。)

目の前には瀬戸大橋

さてさて、こちらの瀬戸大橋記念館、そのまま展望台にもなっています。屋外の展望台は、24時間開放されているため、閉館後も自由に出入り可能。立体的な造りは、ちょっとわくわくしてきますね!

この橋の完成で、人々の暮らしはどれだけ変わったのでしょうか。記念館で学んだ後に見る瀬戸大橋は、また違った感動をもたらしてくれます。

瀬戸大橋記念館の裏手には、実はアート作品が隠れています。それがこちら『八人九脚』 by 藤本修三。角度や幅などが絶妙で、妙に座り心地が良い椅子です。

アクセスと営業情報

JR坂出駅からバス・乗合タクシーで20分ほど。本数は少ないので、事前にきちんと確認して計画を立てるのがおすすめです。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト http://www.setoohhashi.com/amusement/

※掲載の情報は2023年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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