十勝の自然と開拓の歴史『帯広百年記念館』(帯広市)

道東

先史時代や豊かな自然など、十勝について深く知ることができるミュージアム。入植者によって進められた開拓の歴史や、農業に関する展示、そしてアイヌ文化の紹介もあります。

訪問日:2025/1/26(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

帯広の自然歴史博物館

帯広百年記念館は、1982年に開館した博物館。翼を広げたような建築が印象的なミュージアムです。百年記念館という名称は、帯広市開拓100年を記念して造られたためであるそう。

館内には自然や歴史などの展示が広がる博物館に加えて、埋蔵文化財センター、アイヌ民族文化情報センター「リウカ」も入っています。

展示室へ進む来館者を出迎えるのは大きなマンモス。氷河時代の十勝平野を再現したジオラマであり、氷が溶け始めた頃、湿地に落ちた姿を現しているそう。

博物館や本で見るマンモスって、ヒトに狩られていたり、落とし穴に落とされていたり、わりとひどい目にあった姿ばかりなのは気の所為でしょうか。

十勝に関する様々な展示

展示室を進むと、様々なテーマの展示が並んでいます。十勝の自然コーナーでは剥製が並ぶジオラマ。タンチョウ、キタキツネ、エゾユキウサギ、エゾヒグマなど北海道ならではの動物がたくさんそろっています。

十勝平野のおいたちコーナーでは、鉱物や化石を展示。かつてこの地に棲息していたデスモスチルスの頭骨や、ナウマンゾウの牙、ヘラジカの角など絶滅動物の化石も並びます。

十勝の先史時代では、北海道独自の時代区分である「続縄文時代」や「擦文時代」の土器などが並んでいます。

ユニークなのは十勝農業王国の確立コーナー。並んでいる様々な乳製品のパッケージには、見たことあるものもたくさん。十勝のイメージといえばこれですね!

過酷な開拓の歴史

明治10年頃にはじまり、20年代後半に本格化した十勝の開拓。各地から移住してきた開拓移民は、過酷な自然と戦うことを余儀なくされます。

ずらりと並ぶのは、移民たちが使用していた様々な道具。木を切るための鋸(のこぎり)や、寒さをしのぐ炬燵(こたつ)などなど、当時の生活を感じられるモノがたくさん。

なお、移民の出身は富山県が1位。その後は岐阜県、宮城県、福島県、福井県と続きます。そういえば帯広の人気観光スポット「幸福駅」の福は福井県の福でしたね。(※詳しくはコチラ

暖房器具の変遷も。開拓初期は炬燵、火鉢、囲炉裏などがメインの暖房具でしたが、その後は薪ストーブが普及、昭和初期にはルンペンストーブと呼ばれる石炭ストーブが。昭和中期頃についに石油ストーブが普及しはじめます。

富山県から移住した倉野竹次郎氏の家屋。オイルランプ、はだか電球、蛍光灯と時代に合わせたそれぞれの照明器具があり、スイッチで切り替えることでその明るさを比較できます。オイルランプは本当に暗いし、蛍光灯はとっても明るいです。

学べるアイヌ文化

北海道の博物館といえば、欠かせないのがアイヌ関連の展示。横たわる木造船はイタオマチㇷ゚。丸木舟に板を張ったもので、外洋船としてメカジキや海獣の捕獲、交易品の運搬などに利用されていました。船首にはトムシと呼ばれる飾りがじゃらじゃらと付いています。

こちらの靴はチェプケリといい、鮭の皮でできています。靴底に背びれが来るように縫い合わせており、滑り止めの役割りを果たしているそうです。丈夫で軽くて暖かいそうですが、臭いはしないのか気になるところ。

展示室とは別に、アイヌ民族文化情報センター「リウカ」も入っています。リウカとは「橋」を意味するコトバ。アイヌ文化の橋渡しができればという思いで名付けられたそうです。

ここではアイヌに関する様々な資料を閲覧可能。「ウコニアㇱ」というアイヌのゲームもありました。


展示ボリュームはそれほど多くないため、さらっとみるなら30分もあれば充分でした。

さて、最後にの1枚はこちら。

これ全部ダイズ!キタコマチ、ホッカイハダカなど様々な品種が並んでいます。大豆の品種なんて気にしたことなかったですが、こんなに品種があるのですね!!

アクセスと営業情報

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、翌祝、年末年始
料金 380円
公式サイト https://museum-obihiro.jp/occm/

※掲載の情報は2025年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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