ファンタジックな流氷ワールド『オホーツク流氷館』(網走市)

道東

流氷をはじめとしたオホーツク海について学ぶことができるミュージアム。パネルやデジタルコンテンツに加えて、氷の海に暮らすサカナの展示や、マイナス15℃を体験できる部屋も。カジュアルに楽しめるスポットです。

訪問日:2023/9/28(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

天都山山頂の観光スポット

北海道オホーツク海沿岸は、北半球で流氷が見られる一番南の海。そんなオホーツク地方のまち網走には、「オホーツク流氷館」があり、1年を通して流氷を体感することができます。

真っ白でおしゃれな雰囲気の館内。奥にはミュージアムショップや、「流氷ソフトクリーム」を楽しめるカフェ・ド・クリオネが入っています。

この流氷館があるのは天都山(てんとざん)の山頂付近。3Fは展望テラスになっており、抜群の眺望を楽しむことができます・・・・が、あいにくの雨模様。

展望は楽しめませんでしたが、屋内型であるため天候を気にせず訪問することができるスポット。かくいう私も本当は能取岬へ行こうとしていましたが、天気が荒れてきたため急遽予定を変更して訪問しました。

流氷を学べるミュージアム

受付のある1階から階段を降りていくと有料のミュージアムエリア。流氷に関する展示が盛りだくさんで、「そもそも流氷っていったい何?」そんな疑問も、ここに来れば解決します。

オホーツク海はカムチャッカ半島や千島列島に囲まれた閉ざされた海域。そこにアムール川の雪解け水が流れ込むこので、浅い部分に塩分の薄い層、深い部分に塩分の濃い層ができて二重構造になります。

冬になりシベリア大陸からの寒風が吹付けると、塩分の薄い層が凍っていき流氷が完成、それが道東沿岸部に流れ着いて来るというのが流氷の仕組みです。

「流氷幻想シアター」では、約8分の流氷映像を見ることができます。流れる流氷、そして流氷がきしむギギギギという音で、流れ着く流氷を体感できます。

なお、流氷の内部には多くのプランクトンが付着しております。流れてくる流氷は養分を運ぶ役割も担っており、流氷が溶ける頃に漁獲された海産物は旨味が増しているそうです。

氷の海に暮らす生き物

館内ではオホーツクの冷たい海に暮らす生き物が飼育されているエリアもあります。プロジェクションマッピングも行われており、ひときわファンタジックな空間です。

オオカミウオの幼魚。おとなになるとコワイ顔つきだけど、こどもはまだまだカワイイ姿。ここでは北海道初の人工孵化に成功したそうです。

コアなファンが多いダンゴウオの仲間、ナメダンゴ。5cmほどとなかなかの大きさ。ふよふよと泳いでは、お腹の吸盤でピトッと貼りつきます。とってもクセになる動きです。

ごつごつしたサカナはアツモリウオ。まるで鎧を纏ったような姿から、平安時代末期の武将・平敦盛の名を冠しています。ちなみに、熊谷直実が名前の由来であるクマガイウオというサカナもいます。

1cmほどの小さなベニクラゲ。なんてことないクラゲに見えますが、実はこの種は驚異の生態を持っています。老化すると身体が肉団子のようになり、そこからポリプが育ち若いベニクラゲが誕生。言うなれば、若返ることができるのです。

人生ならぬクラゲ生を何度もリセットして成長しているベニクラゲ、この個体はいったい何周目なのか気になってしまいますね。

流氷の天使・クリオネ

人気者はやっぱりクリオネ。クラゲのようにふよふよと泳いでいますが、実は巻貝の仲間であったりします。

「流氷の天使」というかわいらしい愛称がありますが、実は捕食シーンがなかなかの迫力。エサを見つけると、頭部が広がりバッカルコーンと呼ばれる触手でかぶりつきます!

漫画『寄生獣』に出てくるパラサイトを彷彿とさせる豪快な食事シーン、館内のモニターではそんな映像も見ることができます。

マイナス15℃の流氷体感テラス

館内には「流氷体感テラス」という部屋があります。ここの気温はなんとマイナス15℃!普段着で耐えられる温度ではないため、防寒着を羽織っていざ内部へ!

そこはホンモノの流氷が並ぶアイスワールド。あざやかなライトで幻想的な雰囲気に仕上げられています。

よく見ると流氷の上には、キタキツネとアザラシの剥製が。これらの動物は、実際に流氷にのってシベリアから北海道まで流れ着くそう。

この流氷体感テラスで遊べるのが「しばれ実験」。部屋に入る際に渡された濡れタオルを30回ほど振り回すと、冷気で凍り付いてカッチカチに仕上がります!ふわっとしていたタオルが、まるでタタミイワシのようにパリッとした姿に。

なお、このテラスは入口のモニターで中の様子を見ることができます。大勢いの人が一斉にタオルを振り回している姿は、まるでレゲエのライブ会場のようでちょっと面白いです。

アクセスと営業情報

JR網走駅より「市内観光施設めぐりバス」で約15分。車の場合はJR網走駅より約10分、女満別空港より約20分。

開館時間 8:30~18:00 ※11~4月は9:00~16:30、12/29~1/5は10:00~15:00
休館日 無休
料金 990円
公式サイト https://www.ryuhyokan.com/

※掲載の情報は2023年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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