万葉の時代を感じる庭園と動く仏像『国分寺』(国分寺市)

東京都(市町村部・多摩地区)

中世に一度焼失した武蔵国分寺ですが、後継寺院が建立され現代までその歴史を刻み続けています。境内には江戸時代の木造建築や、万葉集に登場する植物を集めた庭園も。都内では貴重な静かに歴史を感じることができる寺院です。

訪問日:2026/6/21(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

再建された国分寺

前々回と前回に史跡として紹介してきた国分寺(国分僧寺&国分尼寺)は、鎌倉時代に「分倍河原の戦い」で焼失。その後、新田義貞により建武2年(1335年)に薬師堂が再建されました。

一度衰退してしまいますが、江戸時代に入ると享保10年(1725年)に本堂が再建され、宝暦6年(1756年)頃に薬師堂が再建されます。

そんなわけで、武蔵国分寺の後継寺院である現役の国分寺も存在しています。

現在は真言宗豊山派の寺院。受付などは不要で、自由に拝観できるようになっていました。

存在感を放つ本堂

突然現れるのは立派な木造の楼門。国分寺の門として造られたものではなく、東久留米市の米津寺から明治28年(1895年)に移築したものであるそう。

重厚な姿の本堂は、江戸時代に入った享保10年(1725)に再建されたもの。昭和60年(1985年)に、一度改築されています。

ダイナミックな龍の彫刻があしらわれた立派な建築です。6月に訪問したところ、新緑と木造建築のコントラストがとってもあざやか。

万葉を感じる庭園

本堂の周りは様々な種類の植物が生い茂る庭園。よく見ると、多数のプレートが立てられています。

ここは万葉庭園。かつて国分寺が賑わっていた時代に編纂された「万葉集」にて歌の題材になった植物を集めた庭園なのです。

植物には名称とともに歌が記されたプレートが添えられています。

このプレート、めっちゃたくさんあります!

その数なんと160種以上。昭和25年(1950年)に、当時の住職が13年かけて独力で採取したものであるそう。これだけの植物を集め、さらにそれを維持しているのがとっても凄いです!

静寂を感じる参道

国分寺には江戸時代の建築である仁王門と薬師堂があります。本堂からはつながっていないので、一度境内から出て、こちらの階段を登っていきます。

静かに佇む仁王門。宝暦年間(1751年〜1764年)に建造された八脚門であり、使用している木材の一部は新田義貞が再興した国分寺薬師堂の古材であるそう。内部には、存在感のある仁王像が安置されています。

仁王門の先は、苔むした参道。鎌倉や京都を彷彿とされる、情緒あふれる道です。

自ら動いた薬師如来像

その先にあるのが薬師堂。前述の通り、戦火により焼失した後、建武2年(1335年)に新田義貞の寄進により建てられます。

当初は国分僧寺の金堂跡に建立されていましたが、それから400年ほど経った宝暦年間(1751年〜1763年)にこの地で再建されました。

堂内に安置されている木造薬師如来坐像は、平安時代末期〜鎌倉時代初期の制作と伝わる仏像。普段は閉扉されており拝観できませんが、毎年10月10日に開帳されているそう。

この仏像、鎌倉時代に国分寺が焼失した際には自ら逃げ出して無事であったという伝説が残っています。

「人を助けてまわる」「移動しても同じ場所に戻る」といった伝説は見かけたことがありますが、戦乱を避けたというのは初めて耳にする内容。もし本当に歩いて逃げたのだとしたら、日本でも屈指の行動力を持つ薬師如来かもしれません!何か凄いご利益があるかもしれませんね。

アクセスと参拝情報

・JR西国分寺駅より 徒歩14分
・JR国分寺駅より  徒歩17分

開門時間 参拝自由(たぶん)
料金 無料
公式サイト https://www.musashikokubunji.jp/

※掲載の情報は2026年6月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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