迫力のウォータスプラッシュ『通潤橋』(山都町)

熊本県

国宝にも指定された歴史のある石造りアート橋。内部は水が流れており、橋の中央から水を放水する姿を見せてくれます。放水日と時間は決まっているので、事前に確認してから訪問するのがおすすめです。

訪問日:2023/11/5(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

歩道橋ではなく水道橋

熊本県の山都町(やまとちょう)にある通潤橋(つうじゅんきょう)は、石でできたアーチ橋。橋長は78m、高さは20mほどの大きさで、田園風景の中において強烈な存在感を放ちます。

この橋は江戸時代後期の1854年に架けられたもの。橋の下を流れる川は穏やかで浅く、こんな高い位置にこれほど立派な橋を架ける必要は無さそうに感じます。実はこの橋はただの橋ではなく、橋の内部に水が流れる水路橋。目的は人が渡ることではなく、水源が少ない白糸台地へ水を送るためという農業用水路なのです。2023年には土木構造物としては全国初の国宝にも指定されます。

目の前には「道の駅通潤橋」があり、駐車場もこちらを利用するのが一般的。下の写真の奥に見えるのが通潤橋です。

放水日と時間に注意

そんな通潤橋、橋の中央上部両側に放水口が設置されています。本来は水路にたまった泥などを吐き出すためのものですが、近年では観光用に放水を行っているのです。

通潤橋に来たならばぜひとも水を放出する姿を見てみたいもの。しかし、ここで注意しなくてはいけないのが、いつでも放水しているわけではないということ。

5月上旬~7月中旬は農業用水としての利用があるため放水は中止。さらに12月~3月も凍結防止のため放水中止となっています。それ以外の期間も毎日行っているわけではなく、月に20日ほど。旅行の日程を計画する段階で意識する必要があります。

さらに、放水時間は基本的に13:00~の約15分間だけ。時間が短く、もし遅れたら見れない可能性が高いので早めに到着する必要があります。

今まで何度も近くを訪れてきましたが、尽く放水ナシの日。どうせ行くなら放水がある日に行きたいと、何度も何度も見送ってきました。今回、ついにめぐりあえました。

大迫力の放水

放水時間の10分前、12:50頃に通潤橋の前に到着。周辺では、今か今かと待ち望む人々であふれています。

日曜なのでそれなりに人も多く駐車場もぎりぎり停められるくらいでしたが、橋の周辺は広々としているのでそれほど圧迫感はなく、混雑はほどほどといった感じです。

時間になると、ついに放水開始!飛沫をまき散らして豪快に吹き出す水は大迫力。流れ落ちる水の音は、湧き上がる人々の歓声を一瞬でかき消します。

最初はこちら側だけでしたが、少しすると反対側からも放水がはじまります。

橋上見学も可能

放水日の10:00~15:00(※受付は14:30まで)の時間に限り、橋の上を歩くことができます。観覧料は大人500円。受付は通潤橋ではなく「道の駅通潤橋 物産館」なので、先に立ち寄ってから橋へ行くのがおすすめです。

料金を支払うと、こんなシールがもらえます。見えるところに貼っておけば、橋の上のスタッフさんが確認して通してくれます。

今回は、下から放水を見たあとそのまま橋上へ。放水を下から見るか橋の上から見るか悩んだのですが、両方から見ることは全然可能です。

橋の中央に進むと、水が流れ出る放水口も間近で見ることができます。かなりの勢いで、見ているとなんだかすっきりとした気持ちになれます。

なお、橋の上はフェンスなどはありません。白線があるので、その内側を歩くのがルール。訪問時はなんと橋の下に落下しているイノシシの姿が・・・。スタッフさんの話によると、夜に足を滑らせて動物が落下してしまうことがあるそうです。

渡った先にあるもの

橋上を渡ると、反対側からも通潤橋を見ることができます。季節によっても少し変わりますが、放水時間は13:00なのでこちらからの方が順光で撮れますね。

渡った先を川辺に降りずに進むと茅葺きの小屋、御小屋(おこや)が見えてきます。ここは通潤橋建設の際に、監督小屋として利用されていたものであるそう。

そこから進むと、すぐに布田神社があり、その近くにも駐車場があります。放水時間の間近に来たためか道の駅の駐車場はかなり混雑しており、なんとか一番奥に停められたという状態でした。しかし、こちら側はかなりゆとりがあります。おそらくかなり穴場の駐車場です。

こちらに停めると、道の駅に立ち寄れないため橋上見学する際の観覧料が支払えない・・・かと思いきや、臨時で受付が設置されていました。混雑を避けたい方、道の駅に行く必要が無い方、順光で通潤橋を撮りたい方にはおすすめです。

ここから先の遊歩道を進むと、五老ヶ滝を見ることができます。通潤橋のおまけくらいの気持ちで訪問したのですが、想像以上の見応えにびっくり!ということで、次回はこの滝について書かせていただきますね。

コメント

  1. […] […]

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