しまなみ海道の離島・生口島(いくちじま)は、国内トップクラスのレモン生産量を誇るレモンの島。レモンオブジェやレモングルメ、そして島ごと美術館と呼ばれるアート作品など見どころがたっぷりな島です。
生口島ってどんな島?
瀬戸内海に浮かぶ離島、生口島。広島県尾道市に属しており、面積は31.21km²。約8,700人もの人が暮らしています。
しまなみ海道を構成する離島の一つであり、尾道側からみると向島→因島→生口島と続く3つ目の島。次の大三島から愛媛県今治市となる、県境の離島でもあります。
「島ごと美術館」と呼ばれる屋外アート作品をはじめとした見どころもたっぷり。「耕三寺博物館」「平山郁夫美術館」など人気の観光スポットもあります。今回は半日ほどで島内をぐるりとまわってきました!
島内には「生口島北IC」と「生口島南IC」という2つのICがありますが、いずれも特定の方向にしか利用できないハーフインターチェンジ。尾道側から生口島へ行く場合は、生口島北ICで降りる必要があり、今治側から行く場合は生口島南ICで降りる必要があります。
歩いて向かう多々羅大橋
生口島と大三島をつなぐしまなみ海道の橋、多々羅大橋。しまなみ海道の橋は自転車や歩行者が横断可能となっており、この橋もまた自由に通行することができます。
近くに駐車場が無いため、車の場合は止まって撮影するのも難しい・・・かと思いきや実は瀬戸田PAから歩いて向かうことができるのです。
今回は上り線から向かってみることに。目立つ案内などは無いためわかりにくいのですが、PAの西側にあるバス停のすぐそばに歩行者出入口があります。車を置いてPAを抜けだすのって、謎の背徳感があります。
進んで行くとトンネルで高速道をくぐり反対側へ。その先はしばらくは高速道沿いの道を進んで行きます。
PAから約10分、多々羅大橋のゲートに到着!料金所とありますが、歩行者は無料です。
全長1,480m、中央支間長890mという巨大な姿。まっすぐ伸びるケーブルで支えられた「斜張橋」という形式の橋であり、その中では国内最大規模を誇ります。
ここまで来たら主塔まで歩いてみるのがおすすめ。主塔の真下では「多々羅鳴き龍」という共鳴現象も体験することができます。
レモンガチャが楽しめるレモン谷
島の西端となる垂水地区には多数の果樹が並ぶレモン谷と呼ばれる場所があります。多々羅大橋まで来たらその勢いで歩いて向かうのがおすすめ。橋から徒歩5分ほど、瀬戸田PAからは徒歩15分ほどでアクセスできます。
このレモン谷の名物といえば、こちらのレモン谷ガチャ!農道のような細い道に唐突に現れます。
上はスター・ウォーズ風の缶バッジ、下段は手書きで書かれていますが何が出てくるのかよくわかりません。とりあえずやってみよう!ということで、出てきたのがコチラ。
やっぱりよくわかりません・・・!
ちなみに、握りつぶすと目玉が飛び出る仕様となっています。
レモン谷ガチャの少し先にはレモン谷休憩所。そのすぐ側には「怪獣レモンの骨格標本」が置かれています。広島県のブランドレモン『怪獣レモン』を販売する瀬戸内百姓と、ジュラシックデザイン・ケータ、鉄骨アーティストNobuoというコラボによって生まれたそう。枝のような突起と握りしめたレモン、そして多々羅大橋をバックにした姿がなんとも魅力的。
そんな骨格標本のすぐそばには怪獣レモンガチャがあります。そこに記されていたのは「生ものですのでお早めにお召し上がりください」の文字。試しにやってみると、生のレモンがそのまま入っていました!カプセルを空けると爽やかな香りが広がります。
このレモン谷には駐車場がありません。また、周辺の道も幅が狭く、路肩への駐停車も困難。多々羅大橋の北側にトイレスペースがあり、駐車できそうな雰囲気ですがここはバスの待合所であるため「一般車両乗り入れはご遠慮ください」となっていました。
(レモン谷の看板のそばに一台ぎりぎりなスペース、多々羅大橋をくぐり南側に進むと数台分の路肩スペースがあったりします。Googleマップストリートビューなどで確認してからがおすすめ)
島ごと美術館のアート作品
1989年に広島県で開催された地方博「海と島の博覧会」。その際の企画としてはじまったのが瀬戸田ビエンナーレという、2年毎に開催される美術展。ビエンナーレは1999年で終了しましたが、現在も多数の作品が島内に残っており「島ごと美術館」という名称に切り替わりました。
作品は島内に点在しておりますが、より多く集まっているのが瀬戸田サンセットビーチ周辺。
黄色い円錐が積み重なるタワーは、《空へ》by 眞板雅文。色味からレモンをイメージしてるのかなと思ったのですが、ところどころヒレのような、パドルのようなものが見えます。
同じくビーチに立っているのが《千里眼 “のぞいてみよう、瀬戸田から世界が見える。”》by 松永真。砂浜にそびえる巨大な青いめがね、そしてその両サイドには小さな黄色いめがね。
黄色いめがねを覗いてみると、見えるのは大三島。「瀬戸田から世界が見える」とのタイトルから、大三島=世界ということでしょうか。実はこの作品、もともとは瀬戸田港の近くとそこから橋を渡った高根島(こうねしま)にあったそう。その際は、小さいめがねを除くと、海を挟んだ高根島に立つ大きなめがねが見える、という仕掛けになっていたようです。
瀬戸田サンセットビーチから1kmほど北へ進んだあたり、海の中からそびえる不思議なオブジェが。こちらは《波の翼》by 新宮晋。白い三角形の帆は、風景にすっかり溶け込んでいます。
点在するレモンのオブジェ
前述の通り、レモンの島として知られる生口島。島内には、島を象徴するレモンをモチーフにしたオブジェが点在しおります。アート作品めぐりと合わせてレモンめぐりも楽しみ方のひとつ。
多々羅大橋の歩行者・自転車ゲートの近くには「レモンのベンチ」。ひと休みしたり記念撮影にもおすすめです。
さらに、歩行者・自転車ゲートへ向かう入口付近にも「レモンのベンチ」あります。こちらからは多々羅大橋をバックに撮影も可能です。
瀬戸田町観光案内所の目の前にはレモンをはじめとした柑橘トリオのオブジェ。思ったより大きいので、柑橘に囲まれたような写真が撮れます。
耕三寺博物館の目の前には幸せのレモンポストがあります。レモンイエローの染められた丸型ポストはとってもかわいらしいです。
生口島名物!瀬戸内レモン鍋
耕三寺博物館の目の前にある食事処、瀬戸田大将めしちどり。ここでは名物のレモン鍋を食べることができます。
おすすめはレモン鍋とたこめしがセットになった「レモン鍋セット」。一名分から注文することができるので、おひとりさまでも気軽に楽しめるのがポイントです。
レモン鍋の具材はタコ、シメジ、豆腐、白菜など。レモンの酸味がとにかく絶妙で、一気に飲み干せるほどです。ポン酢系の味が好きな方にはめっちゃ刺さるお味。
たこめしもタコの食感が楽しい炊き込みご飯で、これまたとっても美味でした。
このお店は非常に人気があるため、連休中などはほぼ確実に行列ができます。今回GWに訪れたところ、11:00のオープン前には既に開店待ちの人の姿が・・・!11:10頃にはあっという間に満席になっていました。
HYAKKOYAの濃厚レモネード
レモン鍋を食べ終えたら、お隣にあるHYAKKOYA(ひゃっこや)への立ち寄りがおすすめ。
ここでは「濃厚プレミアムレモネード」という、とってもスペシャルなレモネードを飲むことができます。
使用されるレモンは3.5個分、氷もレモネードで仕上げられています。非常に濃いのですが、すっきりとした美味しさが感じられるレモネード。一瞬で飲み切ってしまいそうなお味です。
なお、これを飲んでしまうと普通のレモネードでは物足りなくなってしまうという危険性もあるのでご注意ください。
さて、次回の記事では生口島の人気観光スポット耕三寺博物館について書く予定です!
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