伊予大島 Part 1 絶景の展望台と村上海賊の歴史(今治市/芸予諸島)

芸予諸島

しまなみ海道において今治方面から最初の島となる大島。亀老山展望とカレイ山展望台という2つのビュースポットや、大島周辺で活躍した村上海賊のミュージアムなど、見どころは多数。天気が良い日に訪れたい島です。

訪問日:2023/5/3(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

大島ってどんな島?

愛媛県今治市に属する大島は、面積41.90㎢の島。同県において大三島に次ぐ大きさを誇ります。大島という名前の島は全国各地にあるため、区別する上で「伊予大島」や「越智大島」と呼ばれることもあります。

しまなみ海道を構成する島の一つで、伯方・大島大橋で伯方島と、来島海峡大橋で四国の本土へとつながります。尾道側から車で通り抜けた場合は実質的にここが最後の島。

島内には2つのインターチェンジがありますが、いずれも一方向のみのハーフインターチェンジ。尾道側から島へ行く場合は大島北IC、今治側からは大島南ICを利用することになります。

亀老山展望公園

大島の中でも人気が高いのは亀老山展望公園。島の南部にそびえる亀老山(きろうさん)の山頂にある展望台で、しまなみ海道を中心とした多島美を拝むことができます。

目を引くのはその展望台の建築。景観を守るため地中に埋め込まれるような姿で仕上げられています。

建築を担当したのは隈研吾。近年では「高輪ゲートウェイ駅」や「新国立競技場」などで知られる世界的な建築家です。

展望台からは四国本土へ伸びる来島海峡大橋や、その先に広がる今治の市街地が一望できます。

この展望台はかなり人気のスポット!GW中に訪問したところ、18時過ぎでも駐車場待ちの渋滞が発生していました。繁忙期に訪れる予定の方は、時間に余裕を持たせて訪れるのをおすすめします。

カレイ山展望公園

亀老山展望台に並ぶもう一つの展望スポットがカレイ山展望公園。駐車場からは採石場やキャンプ場が広がる中を歩いて行きます。

亀老山の展望台に比べると少し古い印象ですが、まだまだ現役。

階段を登ると、伯方・大島大橋でつながる伯方島、橋を支える見近島など、しまなみ海道らしい光景を見ることができます。

また、能島と鯛崎島からなる能島城跡が見渡せるのもこの展望台のポイント。タイミングが合うと、激しい潮流に流されるように進む「能島水軍潮流体験船」の姿も見ることができます。

カレイ山展望公園に来たらぜひ立ち寄りたいのが遠見茶屋。展望台のすぐ傍にある絶景カフェです。

「島ごはんプレート」などおしゃれなカフェメニューがそろっています。グラデーションがきれいな「島レモネード」は暑い日にはぴったりです。

なお、この遠見茶屋は土日祝限定の営業。さらに第3週はお休みとのこと。事前に公式HPなどで営業確認してからが良さそうです。

村上海賊ミュージアム

能島海賊の影響が強いこの大島には、村上海賊ミュージアムがあります。城郭のような外観は重厚な雰囲気。

村上海賊が使用していた安宅船や関船の模型、能島城の発掘調査により出土した武器・武具、大量のかわらけなど、村上海賊に関わる資料が多数展示されています。特に読み物が充実しており、しっかり真面目に書かれたものと、カジュアルで読みやすいもの両方そろっているため、様々な人が楽しめるようになっています。(撮影はNG)

瀬戸内海の覇者であった村上海賊。その影響力は「堺から坊津」までと言われており、大阪から鹿児島まで広範囲に及んでいたそう。海賊といっても、略奪行為を行っていたわけではなく、海域の秩序を守る代わりに徴収した船の通行料、通行する船の水先案内など、様々な経済活動を行っていました。

戦の際には傭兵の「水軍」として戦場へ向かうことも。石山合戦の緒戦である「木津川口の戦い」では、織田信長と戦う石山本願寺に兵糧を運ぶ毛利方の戦力として参加。「ほうろく火矢」という武器で織田方の水軍を破る働きを見せました。

そんな村上海賊も、豊臣秀吉による海賊禁止令により従来のような活動が不可に。能島村上氏の村上武吉は周防大島へ。江戸時代には萩藩毛利氏の参勤交代や朝鮮通信使の警護などを行っていたそうです。

なお、ここでは「村上水軍」ではなく「村上海賊」という名称で統一されています。「水軍」というのは海上の軍事活動を指しており、村上氏は水軍以外にも様々な活動を行っていたため「海賊」と呼んでいるそうです。

能島水軍潮流体験船

村上海賊ミュージアムの目の前には、能島水軍潮流体験船の乗船場があります。

激しい潮が流れる海域を進むクルーズ船で、ときには潮に流される体験も。さらに、村上海賊の居城であった能島にも接近、城の遺構を海上から見ることができます。

詳しくは次回の記事にて!

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