古参の現代アートミュージアム『原美術館』で加藤泉展を見てきた

東京都(23区)

閑静な住宅街に建つ老舗の現代美術館。著名なアーティストの作品が並ぶ常設展示や、洋風邸宅をリノベーションした建築も楽しめます。今回は企画展の加藤泉展を見てきました。

営業時間:11:00~17:00
休館日:月曜、年末年始、展示替え期間
料金:1,100円
訪問日:2019/11/10(月)

住宅街にひっそりと建つ美術館

品川駅の高輪口から徒歩15分、または北品川駅から徒歩8分のところ、高輪(たかなわ)の住宅街ににあります。静かで高級車が並ぶおしゃれな住宅が並ぶ様子は「閑静」ということばがハマりすぎます。

原美術館は1979年に開館した現代美術専門の美術館。日本の現代美術館のなかではかなりの古参で、静岡県伊東市にある池田20世紀美術館の1975年に次ぐ古さではないでしょうか。

常設の現代アート

鏡張りのトイレ部屋にマイキーのような人形がズッコケている『輪舞』(森村泰昌)、さり気なく空いた壁の隙間にコインを投じると変化が起こる『募金箱「泉」』(鈴木 康弘)など、常設の現代アートもたくさん。

非常にわかりにくいのですが、こちらの垣根、よく見ると全て竹ボウキで作られています。
こちらは『竹ほうき 垣根作って垣根とり』(杉本博司)という作品。エアコンの室外機を隠すために、250円の中国製のホウキがその役割を担わされました。

撮影不可ですが、暗い部屋でダイオードのデジタルナンバーが動き続ける『時の連鎖』(宮島達男)や、一面真っ白のタイルが張詰められた部屋『ゼロの空間』(ジャン=ピエール レイノー)、青森犬がたくさん暮らす『MY DRAWING ROOM』(奈良美智)など、様々なインスタレーションがあちこちに広がります。

中庭にはリーウーファンやイサム・ノグチの屋外展示作品も。名だたるアーティストの作品を一度に見ることができる美術館です。

歴史ある建築もポイント

近代建築であるモダニズム様式の建物も見どころの1つ。設計は東京国立博物館本館などを手掛ける渡辺仁。もともとは実業家である原邦造の個人邸宅でしたが、終戦後はGHQに接収され米軍将校が利用していたりその後、美術館として利用されることになりました。

カーブが多い館内には窓がとても多い。日当たりを重視して作られており、どの時間帯でも太陽の光が多く射し込むように計算されているそう。

白塗りの壁に四角い格子状の窓が並ぶ螺旋階段に近いカ曲線を描く階段を上ると、『ゼロの空間』へとつながります。

建物の老朽化などの理由により、2020年12月をもって閉館が決まっています。今後は、群馬県にある姉妹館ハラミュージアムアークが原美術館ARCと改名し、そちらが展示活動の拠点となるそうです。

刺激的な加藤泉展

様々な企画展も開催している原美術館。今回の私の目当てはこちらの加藤泉展

加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL
会期:2019年8月11日(土)~2020年1月13日(月・祝)

同じ期間に群馬県のハラミュージアム・アークでも企画展が開催されており、チケットは相互割引券になっています。原美術館では青色、ハラミュージアム・アークでは黄色のスタンプを押すことができ、両方揃えると作品が完成するという楽しい仕掛けも。

展示室に入ると、立ち込める木の香り。ショッキングという言葉がハマる、色鮮やかな作品たちが並びます。呪術的でありながら、どこか無垢な作品たちは、見る人を惹きつける不思議な魅力を放ちます。

ハラミュージアムアークは、1箇所、一点の角度からしか写真が撮れませんでしたが、ここではかなり自由な角度から撮影することができます。

窓から美術館の庭園を見ると、そこにも作品が。加藤泉の作品は、室内よりも木々に囲まれた自然の中の方が似合いますね。

群馬県のハラミュージアムアークについてはコチラの記事をご覧ください

https://chihirog.com/haramuseum-arc/

コメント

  1. […] 最寄り駅はカッコいい駅名ランキング常連の天王洲アイル駅。りんかい線・東京モノレールが乗り入れています。建築倉庫ミュージアムはそこから徒歩4分ほどのところにあります。今回私は品川神社や原美術館など品川駅周辺のスポットをまわったあと、新馬場駅方面から歩いてきました。高級ホテルのような門構えにちょっと躊躇ってしまいましたが、勇気を出して中へ! […]

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。
タイトルとURLをコピーしました