広大な鎮守の森に包まれた神域『明治神宮』(渋谷区)

東京都(23区)

初詣では全国一の参拝者数を誇る、都会の真ん中に建つ神社。周囲は広大な森が包み込むように広がっており、喧噪を忘れて参拝することができます。ミュージアムやパワースポットと呼ばれる井戸、そしてあちこちに隠れたハートマークなど見どころもたっぷりです。

訪問日:2023/2/12(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

森に包まれた神社

いつでも個性的な人々でにぎわう原宿駅。竹下通りや表参道とは反対側に明治神宮は建っています。

木々に囲まれて気持ち良い参道。まるで原生林のような深い森ですが、実は人の手によってつくられた人工林。全国から献木された約12万本でつくられました。スタートは人工ですが、それ以降はほとんど手が加えられていないので全然人工っぽさが感じ取れません。意図的に自然林を造り上げたという、非常にレアなケースとのことです。

進んでいくと、見えてくるのは大鳥居。その高さは12mで、木造の明神鳥居では国内で最大級とのことです。

明治天皇をまつる御社殿へ

重厚な姿の南神門が見えてきます。明治神宮の多くの建築は太平洋戦争の空襲によって焼失してしまいますが、この南神門は1920年の創建当時の姿のまま残っているそう。

くぐった先にあるのは、廻廊に囲まれた外拝殿(げはいでん)。先程の南神門と合わせて、2020年の明治神宮鎮座百年記念事業で銅葺き屋根の葺替えが行われています。そのため、かつての緑色の姿から銅の色合いに変化。過去に訪問したことがある方は、イメージが変わって見えるかもしれません。

外拝殿の左右にはこんもりと枝葉を広げた大きな楠(くす)。向かって左側は2本の楠が並ぶ夫婦楠となっています。

国民に愛された明治天皇

この明治神宮でまつられている神様は明治天皇と、そのお后(きさき)である昭憲皇太后

人が神となり神社で祀られるといえば、祟りを恐れて太宰府天満宮に祀られた菅原道真や、遺言により自分を東照大権現として日光東照宮に祀らせた徳川家康などが浮かびます。

しかし、明治神宮はこれらのパターンとは異なります。明治天皇が崩御した際、天皇を崇敬する東京市民によって神宮建設運動がおこったそう。さらに全国から13,000人もの人々が自発的に参加したとのこと。権力者でありながらも自らを祀るような指示をすることはなく、国民から自発的にこのような運動が起こったそうです。

明治天皇といえば、常に国民のことを気にかけていたそう。地方行幸も積極的に行い、日本全国の人々の暮らしぶりも見ていました。多くの人に崇敬され、そして愛されていたことがわかるお話です。

なお、ここではおみくじとして置かれているのは大御心(おおみごころ)。吉凶は無く、明治天皇と昭憲皇太后の詠んだ和歌を授かります。内容が読み取れなくても、裏面にちょっとした解説があるのでご安心ください!

ハート探しも楽しめる

さて、明治神宮に来たらちょっとだけ気にすると面白いのがハート。社殿のあちこちにハートが隠れているのです。

こんなところにもよく見るとハート型の模様が!

こんなところにもハートがたくさん!

このハートは「猪目(いのめ)」。その由来は、文字通り猪の目に似ているからという説や、猪に見立てた飾りの目の位置に開けた穴だからという説など諸説あるようです。火伏せの魔除けとして用いられているようですが、この形は完璧にハートですね。

清らかな水辺・明治神宮御苑

境内には明治神宮御苑という広い庭園があります。ここは有料エリアなので、混雑もほどほど。のんびりと散策が楽しめます。

明治天皇が昭憲皇太后の休息所として建てた隔雲亭。戦火により焼失してしまい、現在の建築は昭和33年に再建されたものです。

隔雲亭の前に広がる南池(なんち)。大きなコイやカメが泳ぐのどかな池です。ベンチも多数設置されているので、のんびりと池を眺めて過ごしてみるのもおすすめです。

御苑の最奥地にあるのは清正井(きよまさのいど)。加藤清正がつくったといわれるこちらの井戸、枯れることなく水が湧き続けているそう。流れる水の温度は年間を通して15℃と一定になっており、冬は少し温かく、夏は冷たく感じます。

この井戸はパワースポットとして有名な人気スポット。高確率で行列ができています。回転率は良いので思ったより時間はかかりませんが、お急ぎの方はご注意ください。

また、御苑内には菖蒲田あります。6月上旬~7月上旬に訪れるとあざやかな花が咲いているみたいです。

野鳥の楽園

この明治神宮御苑は、とにかく野鳥がたくさん!カラス、シジュウカラ、オナガなどそれほど珍しくないものから、カワセミやエナガなど都会ではレアな鳥まで、そのラインナップはバリエーション豊か。

池をよく見ると、じっと待機しているウの姿も見つけました。

清正井の写真を撮っていると、木々の隙間からぴょこっと現れたのはヤマガラ!

さらに南池のまわりでもヤマガラ見かけました。

ここのヤマガラたちはあまり人を恐れていないような気配。以前11月頃に訪問したときは、池周辺にいる人の手に次々停まるというめっちゃテンション上がるハプニングも!

ヤマガラってとても賢い鳥で、その昔は芸を仕込まれておみくじ引いたりしていたこともあるそうです。

明治神宮ミュージアム

参道沿いに建てられた明治神宮ミュージアムは、2019年10月にオープンという比較的新しい施設。

世界的な建築家である隈研吾によって造られた建物は、自然光が降り注ぐ心地良い空間。大きなガラス窓の向こうには、明治神宮の森が広がります。

展示室は明治神宮の歴史を中心とした「杜の展示室」、明治神宮と昭憲皇太后縁の品々が並ぶ「宝物展示室」、期間によって様々な展示が広がる「企画展示室」の3部屋。

展示ボリュームはそれほど多くないので、参拝のついでにふらっと立ち寄ってもそれほど疲れずに見ることができます。さらっと見るだけなら15分、じっくり見ても30分ほど。

イタリア人の画家、エドワルド・キヨッソーネが描いた「明治天皇と昭憲皇太后の御尊影」や、明治天皇・昭憲皇太后が御乗車されたという、豪華絢爛な「六頭曳儀装車」、さらには明治天皇が使っていたという「御机」「御鉛筆」なども展示されています。

3面スクリーンの映像ルームあります。様々な時間帯や季節の明治神宮の姿が映し出され、吸い込まれる内容でした。

アクセスと参拝情報

最寄り駅は2020年3月にリニューアルが行われた原宿駅。西口を出ると、すぐ目の前が明治神宮の入口!駅直結と言っても良いレベルで、アクセスが格段に良くなりました。

※今回は「原宿口」を利用しましたが、他にも入口があります。「参宮橋口」は小田急線の参宮橋駅から徒歩3分、「代々木口」は代々木駅、または北参道駅から徒歩5分ほど。

開門時間 日の出・日の入りに合わせて月ごとに変動
料金 無料 ※明治神宮御苑は500円、明治神宮ミュージアムは1,000円
公式サイト https://www.meijijingu.or.jp/

※掲載の情報は2023年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました