国会議事堂前に広がる庭園『国会前庭』(千代田区・永田町)

東京都(23区)

政治の中心地である国会議事堂の手前に広がる庭園は、開門時間内であれば一般人でも自由に利用することができます。都心でありながらも訪れる人は少なめの公園であり、特に土日はゆったりと過ごすことができる場所です。

訪問日:2024/1/28(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

見学難易度高めな国会議事堂

きっと誰もがその名を間違えることなく覚えている建物といえばこちら。

そう、国会議事堂。衆議院と参議院から構成される日本の国会が開催される場所であり、法律の制定や予算の議決、内閣総理大臣の指名などが行われます。

そんな厳かな場所ですが、参議院は一般人でも見学が可能。ですが、こちらは平日限定。第1・第3日曜日限定で国会閉会後の本会議場内の見学もできるようですが、こちらは参議院議員の紹介が必要となかなかハードルは高め。

ということで、土日祝日に訪れても、フェンス越しに眺めるだけになります。周辺を警備している衛視の方に軽く会釈、怪しくないことをアピールしながら写真を撮りました。

そんな国会議事堂ですが手前に前庭があり、こちらは自由に利用することができます。せっかくここまで来たので、庭園を散策していくことにしました。

静けさに包まれた庭園

議事堂向かって左の南庭、右の北庭と2つのエリアに分かれています。まずは南庭から。

「国会前庭」という名称から厳かなイメージがありますが、その実態は普通の公園。ハナミズキやドウダンツツジの樹が多数植えられており、花期に訪れたらきっと華やかな姿なのでしょう。

人口の池や滝も設置されています。動きのある景色は、ぼーっと眺めて過ごすのにもぴったりです。

特徴的なポイントとしては、何といっても人が少ないということ。周辺に住宅地が全くなく、レジャースポットも無いためか訪れる人は少ないようです。日曜日の都内の公園とは思えない静けさは独特の空気。

三権分立を象徴した時計台

北庭には何ヶ所か見どころポイントがあります。最も存在感があるのがこちらの時計台

尾崎記念会館(現・憲政記念館)建設時に建てられたものであり、3つの柱が組み合わさる姿は「立法・行政・司法」の三権分立を象徴しているそうです。

その高さは31.5m。努力の上にさらに努力を重ねて向上するという意味のことわざ「百尺竿頭一歩を進む」の百尺30.3mを超えるという意味が込められているそう。

この時計台、1日10:00・13:00・17:00・22:00の4回チャイムが鳴るそう。これは衆議院と参議院の開会時刻、退庁時刻、就寝時刻を差しているそう。いったいどんな音が鳴るのでしょうかね。

高さの基準・日本水準原点標庫

同じく北庭にある神殿のような古典的建築。こちらは、日本水準原点標庫と呼ばれるもの。

「日本水準原点」というのは、明治24年に創設された、日本の高さの基準となるもの。山などに使用される「標高○○m」という数字は、ここを基準に測定されているのです。

この建物の中にはそんな日本水準原点があるそうですが、重い扉に隠されています。1年に1度、測量の日(6月3日)の前の、5月下旬ごろに一般公開されることがあるそう。いったいどんな形状をしているものなのでしょうか。今年公開されるようならば狙ってみたいところです。

電子基準点「東京千代田」

日本水準原点標庫のすぐ傍にそびえるのは、電子基準点「東京千代田」。日本の準天頂衛星システムや米国のGPSなどの衛星測位システムの信号を受信し、地球上の正確な三次元位置を計測・モニタリングする施設です。

電子基準点はここだけでなく、全国に多数設置されています。全国に電子基準点網が構築されており、土地の測量や地図の調製に必要な基準を指定するとともに、 国土の地殻変動をモニタリングしているそうです。

この電子基準点「東京千代田」が受信したデータは、茨城県つくば市にある国土地理院にリアルタイムで転送されているそう。また、すぐ近くの日本水準原点の標高を常時モニタリングするという役割も担っているとのことです。

江戸の名水・櫻の井

この井戸は、東京都指定旧跡に指定されている「櫻の井」。名水井戸として知られた江戸の名所です。縦約1.8メートル、横約3メートルの石垣で組んだ大きな井戸。三連式釣瓶井戸というタイプの井戸であり、一度に桶3杯の水が汲めていたそうです。

国会前庭の北庭はかつて加藤清正の屋敷があった場所。この井戸も清正が掘ったと伝えられていますが、実はもともとここにあったわけではありません。 昭和43年(1968年)、道路工事のた め10mほど離れた現在地に移設、原形のまま復元されたそうです。

なお、この北庭は加藤清正の次は彦根藩の上屋敷となり、彦根藩主であり大老である井伊直弼が居住していたそう。あので「桜田門外の変」も、ここから桜田門に向かう途中におこったとのことです。さらに明治時代には参謀本部・陸軍省が置かれていたことも。今は静かな公園ですが、様々な歴史を積んだ場所でもあるのでした。

アクセスと営業情報

・東京メトロ有楽町線の「桜田門駅」2番出口から徒歩5分
・東京メトロ丸ノ内線の「国会議事堂前」2番出口から徒歩5分
・東京メトロ丸ノ内線、日比谷線、千代田線の「霞が関駅」A3,A4出口から徒歩10分

開園時間 9:00~17:00
休園日 12/29~1/3
料金 無料
公式サイト https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kensei/zentei.htm

※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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