生活を支えるロジスティクスの昔と今『物流博物館』(品川駅)

東京都

物を運ぶためのシステム・物流に焦点を当てたミュージアム。江戸時代から続く変遷の歴史、そして現代企業の仕組みを知ることができます。各種体験やゲームコーナーなどの体感型展示も。

営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜、第4火曜、翌祝、年末年
料金:200円
訪問日:2019/11/10(月)

品川駅からのアクセス

物流博物館は、品川駅高輪口から徒歩7分。マクドナルドの脇の道へ入り、ロイヤルホストやMont-bellを横目に柘榴坂を登ります。

江戸の大殉教跡地となったカトリック高輪教会を左折すると、すぐに目に入るイギリス積みレンガ風の建物が物流博物館。日本通運株式会社本社内に設置されていた「通運史料室」がベースとなり、1998年にオープンしました。

レアな物流専門ミュージアム

物流の歴史、そして現代の物流の仕組みを学べるミュージアム。ジオラマやパネル、クイズなども掲載されているので、楽しく見ることができます。映像コンテンツも豊富にそろっています。

江戸時代、宿場町として栄えた品川の模型。天狗のお面を背負う人や、男につかみかかる女の人など、よく見ると様々なドラマが繰り広げられています。それぞれきちんと解説がついているので、じっくりと楽しめます。

物流の歴史

近代的な物流の礎は江戸時代に始まります。交通の発達に伴い、どんどん変化していく様子は、順に追ってみるといろいろな発見があります。

海運や馬による運送

江戸時代に入ると全国的な交通制度が整えられます。しかし、公用の交通を中心に整えられていたため、商人の荷物は後回しにされていました。さらに手数料や運搬費用なども高く、採算が取りづらい。そんな背景から海運や河川交通が盛んに利用されました。

また、山間部に暮らす人々は海運を利用できないため、牛や馬に載せて運ぶ方法をとりました。そのため馬による運輸機関「中馬(ちゅうま)」も発達していました。

鉄道網の発達

明治時代には近代国家となるため更なる交通網の発達が必要となり、ついに鉄道が建設されます。新橋〜横浜間から始まり、鉄道網は日本各地へと広がります。それに伴い物流の速度も大幅にアップします。

トラックの時代

昭和に入ると大量生産・大量消費の時代へと変わっていきます。それに伴い全国各地の道路が舗装・整備され、トラックによるスムーズな輸送が可能となります。船よりも早く、鉄道よりも融通が利くトラック運送は、生鮮食品など、スピードが重要な貨物を中心に、メインの輸送機関となりました。

多様化した現代の物流

多品種少量生産となっている現代社会において、規模の大きな産業となっている物流業。ネットショッピングの発達や、ニーズの多様化による多品種化など、その役割の重要性は増すばかりです。

館内のジオラマには、鉄道やトラックターミナル、コンテナ埠頭やそれを運ぶガントリークレーン、そして空港など陸・海・空の現代の物流が詰まっています。鉄道や車などはそれぞれ自動で動いています。

お馴染みの日本通運やカンガルー特急便などのトラックも並びます。

とある企業の物流テクニック

こちらの黄色い簡易な棚。そして、その下にはオレンジ色の機械が。これはある会社の物流センターを再現したコーナーなのですが、わかりますか?

正解は、Amazon
黄色い棚は「ポッド」と呼ばれる商品を入れる棚、オレンジの機械は「ドライブ」と呼ばれるロボット。
このドライブがポッドを持ち上げ、お客さんが注文した商品を取り揃える作業者のもとへと運びます。自動化されているため、倉庫の中で人が動きまわる必要がありません。

ドライブが動く様子は映像でも見ることができます。さらに、Amazonだけでなく「明日来る」ことアスクルの映像も流れます。あざやかに荷物が分配される「自動仕分け機」の様子は、ずっと眺めていられる光景でした。

いろいろな”はこび体験”

規模は小さいですが、ゲームコーナーもあってお子様でも楽しめるミュージアム。ちょっとした体験も多く集まっています。飛脚の衣装も自由に羽織ることができます。

こちらは天秤棒の体験コーナー。両側に桶がぶら下がった棒を肩にかけて運ぶ、江戸っ子風味あふれる運搬器具。ここで積載されている荷物の総重量は13.6kg。けっこう重くて肩が痛いです。

他にも、頭に載せて運ぶパイスケや、額に引っ掛けるカゴなどが並びます。荷物代わりの重りも置いてあるので、どの道具が楽に運べるか比べてみるのも楽しそう。

木の枝が積まれた背負い梯子も。よいしょっと背負ってみれば、昔話のおじいさんの気分に。
余談ですが、山へ「しばかり」に行ったことで有名な桃太郎のおじいさん、彼が行っていたのは「芝刈り」ではなく「柴刈り」。前者は芝生の手入れですが、後者は薪(たきぎ)を集めることを指します。きっとこんな背負い梯子を使用していたのではないでしょうか。

こちらは運送双六(すごろく)。広島からスタートし、日本各地へ移動しつつゴールの新橋を目指す、運送ストーリー。各マスには各駅の名所・名物が描かれています。やってみたいけど、さすがに一人スゴロクはハードルが高すぎました。


戦いの場では「兵站(へいたん)」と呼ばれる補給・輸送技術が勝敗を決していたと耳にしたことがあります。物流が大きく発達した現代、ネットショッピングを駆使すれば家から出ないで生活することもできるようになり、日本や世界の特産品がどこでも買える時代になってきました。
eコマースの発達ばかりが取り沙汰されますが、この先も私たちの生活をどんどん便利にするカギをにぎっているのは物流なのではないでしょうか。そんな物流の重要性に気づくことができるスポットでした。

このあとは、15分ほど歩いて原美術館へと向かいます。

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