数々の災いを除け江戸時代から残る『護国寺』(護国寺駅)

東京都

江戸初期にあたる元禄時代の建築が残る古刹。様々な災いが降りかかった東京の町において、数々の苦難を免れた寺院です。都心部でありながらも静かな境内は、街の喧騒を忘れてほっとするのに最適です。

2021/7/11(日)

真言宗豊山派の大本山

東京都文京区にある護国寺は、1681年に江戸幕府5代将軍である徳川綱吉によって建立されました。

護国寺は、空海を祖とする真言宗の宗派の一つ真言宗豊山派の寺院。総本山は奈良県桜井市の長谷寺ですが、この護国寺はそれに次ぐ大本山。非常に格式の高いお寺なのです。

真言宗豊山派の代表的な寺院は、筑波山大御堂(茨城県)、湯殿山大日坊(山形県)、新井薬師(東京都)などがあります。徳川家と縁が深いため東京には多く、逆に中国地方と九州地方にはほとんど存在していません。(※「護国寺」という名の寺院は日本各地にありますが、宗派が異なっている場合が多いです。)

門を抜けて本堂へ

地下鉄護国寺駅から地上に出ると、すぐに目に入るのが仁王門。丹塗りが施された重厚な八脚門で、正面左右には金剛力士像が構えています。阿形、吽形ともに目つきはかなり鋭く、正面に立ったとき、また門を通り抜けるときも睨みつけられているような感覚になり、思わず襟を正してしまいます。

門をくぐったあとに振り返ると金剛力士像の裏側に安置された二天像の姿が。参拝を終えた人々を見送るように立っています。

石段を登った先にあるのが不老門。仁王門と同じく丹塗りの門で、京都鞍馬寺の由岐神社をモチーフに造られているそう。きれいに刈られた両サイドの植え込みと、スラッと伸びる松が参道と門を飾り立てます。

歴史を感じる伽藍

高祖である弘法大師、宗祖である興教大師、派祖である本覚大師の三尊を祀る大師堂。元禄時代に再営された薬師堂を大正時代大修理したもの。塗装や装飾を抑えたシンプルなお堂です。

こちらは薬師堂。創建時に池の中から見つかったとされる薬師如来像を本尊としており、その像は現在の薬師如来像の胎内に納められているとのこと。こちらは元禄時代に造られた歴史のある建築です。

白い壁と瓦屋根のコントラストがあざやかな多宝塔。スリムなデザインは、滋賀県大津市にある石山寺を模しています。

元禄時代の建築

不老門を抜けた先に構えるのが観音堂こと本堂。このお堂も薬師堂と同様に江戸時代初期にあたる元禄時代に造られたものです。

江戸時代に発生した幾多の火災、そして大正の関東大震災や昭和の東京大空襲といった天災・戦災が降り注いできた東京の地。この場所に江戸時代の建築が残っているのは非常に貴重です。

本堂内部の拝観も可能。不動明王像や十二神将像、天井に描かれた雲龍図などを拝観することができます。本堂内にある納経所の上にはさりげなく三猿像も掲げられています。

本尊は如意輪観世音菩薩。秘仏となっていますが、毎月18日に月次御開帳が行われております。

江戸七富士の一つ

不老門の手前で右へ進むと、石が積まれた小さな山が見えてきます。こちらは音羽富士と呼ばれる富士塚

江戸時代に流行した富士信仰。江戸の町には、富士山を模したミニチュア富士「富士塚」が多く造営されました。神社やお寺の境内にあったものは、現代でも多くが残っております。この音羽富士や品川神社の品川富士などを「江戸七富士」と呼ぶそう。

登りきると山頂には石造りの富士浅間神社。それほど高いわけではありませんが、意外と達成感を得られます。

ネコのお寺?

訪問した方のクチコミを見ていると、目に付くのはネコに会ったという話。多くのネコが暮らす猫寺としても知られているようです。

今回は7月の暑い日に訪問したためか、ネコはどこかで避暑している様子。全然いないなーと思っていると、薬師堂の周りを囲む縁側の下に2匹だけ見つけました。

ここのネコたち、餌やりは可能ですが、置き餌は禁止。エサをあげる場合は、食べ終わるまで見守り、食べ残しはきちんと片付けてとのことです。

アクセスと拝観情報

東京メトロ有楽町線の護国寺駅1番出口のすぐ目の前。池袋駅からバスで向かう場合は、バス停《護国寺前》下車後徒歩1分ほど。

拝観時間 9:00~16:00 ※12:00~13:00は閉堂
拝観料 無料
公式サイト http://www.gokokuji.or.jp/

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