華麗なる政治家一族 鳩山家の御殿『鳩山会館』(江戸川橋駅)

東京都

鳩山一郎が建てた邸宅を改修し、一般公開を行っている記念館。大正時代に造られた洋風建築で、内部はモダンで華麗な空間が広がります。応接室のソファや椅子は自由に腰かけることもでき、レトロな空間にじっくりと浸ることができます。

2021/7/11(日)

音羽に建てられた洋館

内閣総理大臣を務めた鳩山一郎。彼が建てた住宅が、こちらの鳩山会館。文京区音羽の地に建つことから音羽御殿とも呼ばれていました。

私邸でありながらも自由党(現在の自由民主党)の会合の場としても利用されており、政策に関する様々な議論が行われてきた場所でもあります。

竣工は関東大震災の翌年である大正13年(1924年)。当時としては珍しい鉄筋コンクリートを多く使用した洋館で、随所に装飾が施された気品あふれる建築となっています。担当した岡田信一郎は、かつての歌舞伎座や、丸の内にある明治生命館、大阪市中央公会堂などを手掛けた建築家です。

戦争による損害や老朽化から1995年に大規模な改修工事が行われ、1996年に鳩山記念館としてオープンしました。

レトロでモダンな部屋

艶のある壁が重厚な第一応接室。さり気なく置かれたダイヤル式のテレビやランプがレトロな雰囲気。

モニターにて解説映像が流れており、ソファに腰掛けて閲覧可能。鳩山由紀夫による解説は非常にわかりやすく、最初に訪れるといろいろと知識がつきます。

第一応接室の隣には第二応接室。白い石膏の装飾が華やかな印象の部屋です。背もたれのついた白い椅子は、鳩山一郎愛用の椅子とのこと。

第三応接室は食卓と食器棚が並んでおり、食堂でとしても利用されていたそう。現在は自販機が設置されており、腰掛けて飲み物を飲むことも。この部屋で飲む150円のドリンクは、値段以上の価値を感じられます。

こちらは太陽光が降り注ぐサンルーム。応接室に比べると明るく軽快な印象のお部屋。ローテーブルに並ぶ椅子は自由に腰掛けることができますが、天気の良い日はとっても眠くなります。

2階に広がる大広間。もともとは3部屋の寝室でしたが、改修時に間仕切りを撤去して大広間へと作り変えられました。ガラス張りの柱と一段持ち上がった天井は、より部屋を広く感じさせてくれます。床には「明治生命館」を模した組木細工も施されています。

2階には鳩山一郎、その妻である鳩山薫、長男である鳩山威一郎それぞれの記念室もあり、直筆の書や愛用品の数々も展示されていました。(※撮影不可)

緑が美しい庭園

サンルームからは庭園へと降りることができます。きれいに手入れされた緑の芝生が広がっており、周囲には様々な種類のバラが植えられています。7月の訪問であったため咲いている花はわずかですが、アーチなども作られていました。

鳩山一郎の銅像やニシキゴイが泳ぐ洋風な池、並べられた盆栽、さりげなく置かれた信楽焼のタヌキなど見どころも多くあり、歩いていても楽しい庭園となっています。

また、記念館の全体を眺めるのにも最適。バラが咲いている季節には、花を手前に写した素敵な写真が撮れそうです。

ステンドグラス

館内を見学していて目につくのはあざやかなステンドグラス。各部屋ごとに異なったモチーフが描かれており、部屋の装飾の一部として華やかに盛り上げます。

2階へと続く階段の踊り場には、仏塔が描かれた和風なデザインのものも。塔の赤い部分はガラスが二重に貼られており、立体感を作り出しています。

館内のステンドグラスを手掛けているのは小川三知(おがわさんち)。アメリカに留学し、ティファニーでステンドグラスを学んだという人物です。

ハトさがし

外観・内観ともに、様々なところにハトが隠れているのがポイント。見学しながら鳩探しをしてみるのも、カジュアルな楽しみ方の一つです。

建物を外から見ると、柱に白いハトが施されています。羽を大きく広げた姿は今にも飛び立ちそうな躍動感。

庭園にはリアルなハトの銅像。クジャクバトのように尾羽が長く作られています。池のそばに置かれており、まるで水を飲みに集まって来たかのようです。

ステンドグラスにも、きれいに並んだハトが描かれている。様々な色がつけられたハトは、群れをなしてどこかへ飛び立ちます。

鳩山家の歴史

ここに来たからには、代々政治家を務めている鳩山家についても少し興味が出てきました。

鳩山家のルーツは、作州勝山藩(現在の岡山県)の江戸留守居役であった重右衛門春房。彼の四男である鳩山和夫は東京にて衆議院議長や早稲田大学の校長を務めていました。

和夫の長男の鳩山一郎は52代内閣総理大臣に就任。自由民主党を結党し、シベリアに抑留された日本人の帰国を目標に日ソ共同宣言に署名し国交回復に尽力しました。さらに、日本の国連加盟も実現させます。

一郎の長男の鳩山威一郎は、福田赳夫内閣の外務大臣、大蔵事務次官などを務めます。

威一郎の長男である鳩山由紀夫は、内閣総理大臣に就任。2009~2010年のことなので、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

ちなみにですが、鳩山由紀夫さんは公式HPもあります。プロフィールや趣味もくだけた表現で記載されているので、非常にキャッチーなサイトです。

鳩山由紀夫

戦国時代や江戸時代の人物を知ることができるミュージアムは数多く存在していますが、近現代の政治家について学べる場所というのは非常に貴重。「代々続く政治家の一族」と聞くと違う世界に暮らしているような印象でしたが、この部屋で暮らしている姿を思い浮かべると急に身近な存在に感じてきました。

アクセスと営業情報

東京メトロ有楽町線の江戸川橋駅2番出口から徒歩7分、同じく護国寺駅5番出口から徒歩8分ほど。

目の前の音羽通りから記念館入口までは100mほどのスロープを登るのでご注意ください。また、ゲタ、ヒールの方は館内見学の際にスリッパへの履き替えが必要となります。

開館時間 10:00~16:00
休館日 月曜
料金 600円
公式サイト https://www.hatoyamakaikan.com/

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