丸1日かけて福江島をレンタルバイクで反時計回りに一周します!教会めぐりやビーチめぐり、行きたいところはたくさん。前編は堂崎天主堂や遣唐使ふるさと館など、島の歴史にふれるスポットを中心にめぐります。
白く無機質な『浦頭教会』
福江島も他の五島列島の島々と同様に、教会がいくつもあります。そんな中で最初に訪れたのは浦頭(うらがしら)教会。福江港からバイクで北に10分ほど走ったところにあります。
初代は1888年に建立されましたが、その後2代目が造られ、増改築が加わり1968年に造られたものとなります。モダンなコンクリート建築で、まるで現代美術館の様な出で立ち。この白い外観はノアの箱舟をイメージしているそうです。
内部は他の五島の島の教会と比べると少し変わっています。磔にされたキリストの十字架、そしてΑ・P・Ω(アルファ・ロウ・オメガ)が姿を現しました。
静かな湾に佇む『堂崎天主堂』
続いて向かうのは堂崎天主堂。福江島の数ある教会の中でも、代表的な存在です。福江港から車で20分程、奥浦港の少し先に位置しています。天主堂の手前に駐車スペースがあり、そこから徒歩で3分ほど。
途中に見えるのは「りんご石」。たしかに、リンゴのような形をした2つの石が、海の中に浮かんでいます。唐突に表れるのですが、自然にこの位置まで流れてきたのでしょうか。
レンガ造りの重厚な姿をした堂崎天主堂が見えてきました。このレンガはイタリアから運ばれたものだそう。
堂崎天主堂が完成したのは1908年。1873年に禁教令が解かれたのち、五島列島各地では徐々に教会が造られていくのですが、最初に建てられた聖堂とのこと。
ここで少し疑問が!
久賀島の旧五輪教会堂のもとになった浜脇教会は1881年、福江島の水ノ浦教会は1880年に建立されています。この堂崎天主堂が最初に建てられたというのは誤りではないでしょうか。
少し調べてみたところ、この地に神父が常駐したのは1877年、仮聖堂が造られたのはその翌年の1878年となります。この仮聖堂の年を考えると、五島列島で最初というのも頷けます。「五島列島で最初に聖堂が建てられた場所」なら正しいですが、この堂崎天主堂を指して「五島最古の教会堂」と言ってしまうと少し語弊があることになりますね。
日本二十六聖人の1人、五島出身のヨハネ五島を祈念して「日本26聖人殉教者聖堂」とも呼ばれています。(日本二十六聖人とは、豊臣秀吉の時代に長崎県西坂の丘で命を落としたた26人の信徒のこと。)
この堂崎教会の内部はキリシタン資料館。開館時間は9:00〜17:00、料金は300円。まだオープン前だったため観覧できませんでした。
五島の教会の中でも歴史の古い教会でありながら、この堂崎教会が世界遺産に含まれていないのはなぜかずっと気になっていました。実は、世界遺産に登録されなかった理由の一つがこの資料館。現在、祈りの場として機能していない点が、世界遺産の選定基準から外れてしまったそうです。
なお、堂崎天主堂の近くにはカフェやパーラーもあります。静かでおだやかな奥浦湾を眺めてのんびりするのも良さそうです。
そんなことを考えていると、植え込みの中からとんでもなく太った犬が現れました・・・!
パノラマが広がる『魚津ヶ崎公園』
島北部、岐宿という集落にある魚津ヶ崎公園。魚津ヶ崎と書いて、「ぎょうがさき」と読みます。シンプルですが、わかっていてもなかなか読みづらい名前。
緑色の草地と青い海のコントラストが美しい公園。広がる爽快な景色を前に、思いっきり深呼吸して叫びたくなります。
この入り江は、かつては遣唐使船が最後の風待ちをするために停泊していたとされており、その後は宇久氏(五島氏)が中国との貿易に利用していたそう。現在はキャンプ場となっており、しっかりとしたバンガローやステージもあります。
この魚津ヶ崎公園はトンビがたくさん!人に慣れているのか、かなり近づいてきます。食べ物を持っている人は、トンビに奪われないように気をつけて!
また、ここは福江島を代表する花の名所でもあります。ナノハナ、アジサイ、ヒマワリ、コスモスと季節によって一面を染める花に出会うことができるそう。7月はタイミングが悪く花景色には出会えずでした。
高貴な雰囲気の『水ノ浦教会』
魚津ヶ崎公園の近くにある水ノ浦(みずのうら)教会。高台に建つ真っ白な姿がとても美しく、気品あふれる教会です。
ロマネスク、ゴシック、和風建築が一体となったこの教会は、コンクリートのようにも見えて実は木製の教会。国内では最大級の木造教会らしいです。
この教会堂は1880年に建立、その後1938年に五島列島の教会建築でおなじみの鉄川与助によって新築されました。1880年というと、1873年に禁教令が解かれたわずか7年後のこと。
内部はおなじみのリブ・ヴォールト天井が広がっており、淡い紫や緑でとてもセンスを感じる配色のステンドグラスが広がっていました。
遥か昔の歴史に触れる『遣唐使ふるさと館』
福江島北部の三井楽町は、中国へと旅立つ遣唐使船が日本最後に寄港する場所。無事に帰れるかわからない遣唐使達にとっては、最後となるかもしれない母国。きっと思うところは多かったのではないでしょうか。
そんな三井楽町には、遣唐使ふるさと館という道の駅があります。こんな果ての離島に道の駅があるなんてびっくりです!道の駅のある離島は、福江島の他には佐渡島、奄美大島、小豆島だけ。とってもレアです。
館内にはレストラン、お土産屋さんといった施設が入っており、本土の道の駅と比べてもなんら遜色はありません。
螺旋階段を登る展望台を備えております。最上部はステンドグラス仕様でとってもキレイ。屋外に出ると、辺り一面を一望できます。離島で道の駅も珍しいですが、展望タワーの存在もさらに珍しい。
館内には万葉シアターがあり、10:00〜16:00の毎時00分になると福江島にかかわる歴史のストーリーが約28分間2本立てで上映されます。最初はリアルに動くハイテクロボットの『山上億良』や『空海』が登場。映像と合わせて臨場感たっぷり。
続けて上映される人形アニメーションでは、命を賭けて海を渡る遣唐使の旅の世界に浸ることができます。コミカルな要素もあるので、大人も子供も楽しめる作品です。
お腹が空いたのでレストランにも立ち寄りました。五島うどん(370円)などリーズナブルな定食メニューがそろっており、軽くお昼ごはんを食べるのにぴったり。
肉うどんセットにしました!ごはん、漬物、小鉢がついて500円。めっちゃ安い!
次回も引き続き福江島一周後編。頓泊海水浴場でシュノーケルしたり、大瀬崎灯台目指したりとアクティブな内容となっております。
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