久賀島の奥地にある旧五輪教会堂へのアクセスは一筋縄では行きません。田ノ浦港とは反対側の海岸に位置するのですが、そこまでの道のりは細く険しい山道。福江島から運んだレンタルバイクと徒歩で、約40分かけて向かいました。
アクセス手段
久賀島へ訪れる多くの人が目指す旧五輪教会堂。
その教会堂は、現代においても車でアクセスすることができない集落、五輪地区にあります。また、フェリーが寄港する田ノ浦港からとても離れたところにあるため、アクセスするには計画が必須です。
五島列島にある教会の多くは、かつてキリシタン達が潜伏していた場所に造られています。人里から遠く離れているのは当然なのです。
車ならば港から40分ほど走り、そこから徒歩で10分。往復だと2時間は見ておかないといけません。この旧五輪教会堂に行くかどうかで、島の滞在に必要な時間が決まってきます。
また、バスのない久賀島では、移動手段の確保が必要。レンタカーを借りるしかない、そう思っていたのですが、福江島でレンタルバイクを借りて、フェリーひさかorシーガルで輸送する作戦がなかなかリーズナブル。
福江島から久賀島へのレンタルバイク輸送についてはコチラの記事に。
困難の道のり
浜脇教会、潜伏キリシタン資料館、牢屋の窄殉教記念教会と久賀島の観光スポットをまわりながら港から約10kmほど走ると、港と反対側にある蕨集落にたどり着きます。
そこからは細い森の中へ。こんな道を5kmほど走ります。すれ違い困難なほど狭いので、自動車の方は対向車に超注意。バイクは道の譲り合い不要なのでその分気持ちが楽ですが、それでも悪路なので要注意。
ぬかるみや、水たまり、落石や木の枝、飛び交う虫、道路を疾走するカニやフナムシ・・・およそ考え得る道路障害がオールスターで登場します。常に気が抜けないためかなりハードな道のりなのですが、難易度の高いシューティングゲームをやっているような気分でちょっと楽しくなってきました。
さらにはハチクマやカラス、キジなどの鳥たちまで登場。人口が少ない島なので、自然が元気いっぱいです。
しばらく走ると車両進入禁止の看板が。自動車やバイクはここまで。
ここから500m、約10分の徒歩の道のりです。距離は短いですが、未舗装のぬかるみ道なので、滑らないように慎重に進みます。途中には、暑い中で草刈りをしているおじさんやおばさんの姿も。
海が見えると、教会堂はすぐそこ。実際測ってみたところ、徒歩区間を歩いた時間は5分ほどでした。
海辺に建つ教会
こちらが旧五輪教会堂。見た目は日本家屋のような木造平屋建てで、他の五島の教会と比べると少し地味な教会です。
この教会堂は、もともとは港近くの浜脇教会として建てられていました。浜脇教会をコンクリートで建て直す際、取り壊さずにこの五輪地区へ船で輸送し、移築したそうです。
内部見学は予約が必要とのことですが、施錠も無いため自由に見学可能なようです。お馴染みのリブ・ヴォールト天井の教会内部は、天窓から自然光が降り注ぐ神秘的な空間となっています。カラフルなステンドグラスや装飾は無いのですが、それが逆に荘厳な雰囲気を引き立てます。建築は鉄川与助ではなく、久賀島出身の仏教徒である平山亀太郎。この方についての情報は非常に少ないです。
すぐ隣には、カトリック五輪教会。老朽化が著しい旧五輪教会に替わり建築された新聖堂です。
帰りは真っ直ぐに港へ。寄り道せずに走った結果、徒歩とバイク合わせて40分ほどでした。
久賀島17:10発の船で福江島に帰ります。
滞在時間は3時間。浜脇教会、潜伏キリシタン資料館、牢屋の窄殉教記念教会、旧五輪教会とゆっくりまわってちょうど良い感じでした。
帰りの船は、行きのフェリーとは違うシーガルという船。
水中観光船として海中公園遊覧コースも運行している船なので、船室はグラスボート仕様。港に停泊しているときは少し海中が見えますが、船が動き出すと泡で何も見えません。水中の景色を楽しむには、遊覧コースに乗らないとだめですね。
フェリーでしか原付バイクは運べないと思っていたのですが、このシーガルでも運んでもらえます。タラップはないので、おじさんたちが2人がかりでヨイショと持ち上げて船内へ。運賃は大人1名780円+バイク840円で合計1,620円。さあ、福江港へ帰ります。
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