昨晩上陸して一夜を過ごした小値賀島。朝起きて外を見ると荒れ狂う天候、そして全便欠航のお知らせ。もう今回の五島列島めぐりの旅はこの島でおしまいか・・・そう思ったのですが、奇跡的に次の島へ渡ることができてしまったお話です。
迫りくる台風!!
全く日差しが注がない中で起床。すぐに耳に入るのはゴウゴウと響く風の音。窓の外を見ると、関東では経験したことのないような暴風雨の景色となっています。
スマホからは鳴り響くアラート。そこに記載されていたのは「災害が既に発生していることを示す警戒レベル5に相当」の文字!身寄りの無い離島でこの表示はさすがに焦ります!!
テレビのニュースからは、私が今いる五島列島の映像が流れる。どうやら観測史上最大の大雨らしい。枠外には、五島列島に関わる各船舶の欠航を知らせるテロップが延々と流れています。
風にまぎれてわずかに聞こえる島内放送からは「船は全便欠航、港に近づかないように」との案内が。暴風でよく聴き取れないけど、「体育館へ・・・」みたいな内容も。もしかして避難命令が下りたのかもしれません。
今回宿泊している島宿 御縁のドミトリーは、独立した建物。管理人さんは別のところに住んでいるため、この家にいるのは私一人。
島の人間じゃないと何をするのも判断が難しい。とりあえずゲストハウス全体の戸締まりを確認したり、逆流してホコリが入ってくるので換気扇を止めたりとできる対処をしました。
嵐の中での過ごし方
ちょっと外の様子を見てみようかなとドアを空けた瞬間、吹き飛ばされそうなほどの突風が!!これは一歩たりとも外へ出るのは難しいです。
とりあえず旅行計画の見直し!!!
今回の旅は、各島々を点々とまわっていくアイランドホッピング。小値賀島を出るのが1日ずれる度に、行ける島が1つずつ減っていくことになります。うーむ、その場合はどの島をあきらめようか。そんな旅程見直しもすぐに完了。今回の旅はかなりじっくり計画を練っていたので、各船舶会社の運航ダイヤをしっかりメモしてあり、スムーズに確認できました。
さて、あとは何して過ごそう。
幸いなことに、宿泊しているゲストハウス島宿御縁は、遊びアイテムがとっても豊富!
ただし、悲しいことに宿泊者は私1人。長崎や博多からの船が全便欠航しているため、島に来る手段はありません。当たり前といえば当たり前の状況です。もし他に宿泊者がいたら、スーファミ大会が始められたのに・・・。
こんなときは、豊富なマンガ!2,500冊もあるので選びたい放題です。
とりあえず、ずっと途中で止まっていたGANTZ読もう。まさか、こんなエンディングを迎えるなんて。
私が五島にいることを知っている友人からは生存確認の連絡が数件。GANTZも読み終わったので、おすすめされた暗殺教室も読もう。
私は休みがあるとついついどこかへ出かけたくなってしまうタイプ。「1日家に引きこもる」ということができない性分なのです。「1日ずっとゲームやっていた」「日曜はずっと漫画読んで過ごした」みたいな話を聞くたび、ちょっとした憧れを抱いておりましたが、まさかこんな離島にてそのチャンスがくるなんて。
食料はまだあります。でも、このままずっと外に出れないとなるとピンチ。もし外に出られてもお店が営業していない可能性も高い。
ポットとお茶のティーバッグが用意してあるので飲み物は大丈夫。初日に佐世保にて買ったかめせんにも救われました。
奇跡の脱出・・・!
時刻はそろそろ15:00。耳を澄ますと、風音が弱まってきている気がする。外を見てみると、なんと雨が上がっています!
本来の予定では、午前中に小値賀島から野崎島という無人島へ日帰り、午後15:10発の海上タクシー津和崎丸で次の島、上五島へ向かう予定でした。
とりあえず野崎島行きの船は欠航とのことですが、そういえば海上タクシーからキャンセルの連絡って来てない?
まあ、雨が上がったとはいえ、そんなすぐに海況が安定するわけありません。とりあえずダメ元で電話してみると、衝撃の事実が・・・!
「今日の午前中にお客様からキャンセルの連絡ありましたよ。」
ちょっと待って、私はそんな連絡してないです!
えらかさるんな!!!
※「えらかさるんな」は、小値賀のコトバで「だまされるな」って意味です。
そもそも今日この天気で欠航じゃないの!?
確認してみたところ、なんと運航可能とのこと。少し遅れても良ければ今から迎えに来てくれるそう。
外出を諦めていたため、広げまくっていた荷物や洗濯物をまとめて港へ向かいます。あれ、めっちゃ晴れてませんか!?
いざ上五島へ!!
小値賀港の高速船乗り場へ。予定より1時間ほど遅れましたが、津和崎丸が上五島から迎えに来てくれました。
通常の客船とは違う、ゴザが敷いてあるだけのラフな雰囲気の船内。でもこの感じ、ワイルドなシマタビ感があって嫌いじゃないです。
さあ、出港!予想はしていましたが、ジェットコースターばりに揺れます!
上五島までの所要時間は20分ほど。酔い止めを飲んでいなかったら撃沈していたかもしれません。
津和崎丸が到着するのは、上五島北部の港、津和崎港。ここからはタクシーで上五島の中心地・有川港へ向かいます。
このタクシー、実は津和崎丸とセットの乗合タクシープラン。
小値賀港から、上五島の有川港まで向かう【海上タクシー+地上タクシー】の組み合わせです。小値賀島と上五島のアクセスを向上するために、自治体が運営しているルートらしいです。
気になる料金ですが、海上タクシー1,050円、地上タクシー1,050円という破格の値段設定。もし通常利用した場合、海上タクシー9,000円+地上タクシー7,000円の合計16,000円という価格になるそう。
ただし、通常のタクシーとは違い、乗合プランなのでダイヤが決まっています。また、前日17時までに予約が必要と多少の縛りはあります。それでも2,100円で利用できるのはありがたいです。
野崎島へ行けなかった&小値賀島の島内観光が半分くらいしか行けなかったのですが、結局のところ旅程はほぼ変更なしで済んでしまいました。
次回からは上五島について書いていきますね。
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