あづみの公園内に建つあづみの学校は、様々な学びや体験ができる展示施設。特にサカナの展示が充実しており、水族館としても楽しめます。屋外の池を覗く観察窓には、リアルで美しい水中世界が広がります。
公園内の学び舎
バーベキュー場やマレットゴルフ場、ドッグランなどが集まるレジャー施設、国営アルプスあづみの公園。今回訪問したあづみの学校は、その園内にあります。
広大な敷地の公園ですが、あづみの学校は中央口のゲートを抜けるとすぐのところにあります。入館料は無料ですが、あづみの公園自体が有料なため公園の入場券が必要となります。
館内は木造校舎のような雰囲気で、名前の通り学校風の博物館。展示室も「理科教室」「社会科教室」といった名前がつけられています。
学校内には「常念岳の石室」や、再現された「安曇野の古民家」などの歴史的な展示、そば打ちやステンドグラスなどの体験教室なども行っており、まさに森の学び舎といった雰囲気の施設です。
安曇野の水族館
そんなあづみの学校の中で特筆すべきは理科教室。安曇野を流れる烏川(からすがわ)流域に暮らすサカナを展示しているのですが、水族館と呼んでも差し支えないレベルのクオリティ。展示数はそれほど多くありませんが、綺麗な水槽が多くとても見応えあります。
目を引くのは、入館してすぐのところにある安曇野の里山をイメージしたあづみの水槽。大きなガラス窓の向こうには、ニジマスやブラウントラウトが泳ぐ池が広がっています。
中には壁と床が繋がっている非常に凝った水槽も。先ほどのあづみの水槽もこちらも、共に観察窓タイプの水槽。屋外に作られた池を観察できるようになっており、リアルな水中世界を覗き見ることができます。
映える美しさの水槽
ここの展示のポイントは、なんといっても水槽の美しさ。その多くが屋外の池であるため天候にも大きく左右されますが、晴れて日が射すとこんなに美しい水中世界に。
岩場もつくられており、まるで本当に水中に潜っているような気分。水のブルーとコケのグリーンがあまりにも美しく、まるでCGかのようです。
屋外の水槽は、落ち葉や木の枝などが浮いてしまうことも多いと思います。また、ガラス窓もすぐにコケまみれになってしまうはず。これだけキレイさを保っているのは、非常にマメに掃除している証拠ではないでしょうか。
烏川流域のサカナ
こちらは信州サーモン。ニジマスとブラウントラウトを交配した養殖品種で、長野県水産試験場が10年かけて作りあげたそう。成長も早いうえに病気にも強く、そして味も良いという良いことづくめなサカナです。
群れているのはウグイ。安曇野で最も多いサカナで、高所から平地まで生息範囲もかなり広いそう。産卵期になるとオスメスともに赤く染まるため、長野県では「アカウオ」とも呼ばれています。
色鮮やかなオイカワ。赤と青の色合いは産卵期に婚姻色に染まったオス。長野県では、「ジンケン」と呼ぶそう。漢字にすると「人絹」となり、レーヨンのことを指すらしい。
昆虫や両生類も展示
サカナだけでなく、昆虫や両生類など幅広い生き物を飼育しています。
ミヤマクワガタやカブトムシなど子供に人気な虫が集まる!と言いたいところですが、ゾウムシやキマワリ、ハナムグリなどのちょっとマニアックな虫も一緒に並んでいるところがユニーク。子供人気を狙っているわけでなく、あくまで地域で見ることができる生き物を集めているという意図が伺えます。
こちらはカジカガエル。見た目は茶色く、アマガエルやモリアオガエルに比べると非常に地味。しかし、鳴き声はとっても美しいのです。高く澄んだ音色で、聴く人によって「フィフィフィフィ」「ルルルルル」「ヒョロヒョロ」など、様々な文字で表現されています。
巨大なアズマヒキガエル。いわゆるガマガエルでそれほど珍しい生き物ではありませんが、ここの個体はサイズがかなり大きい!片手ではこぼれそうなほど立派です。
思っていたよりも様々な生き物を見ることができて大満足。公園内の小さな展示室、くらいの気持ちで訪問したのですが、とっても楽しめました!
アクセスと営業情報
JR大糸線の穂高駅からバスで約13分。車の場合は長野自動車道の安曇野ICから約20分。無料駐車場が複数ありますが、第1駐車場が中央口のゲートの最寄りとなります。
また、カーナビは「あづみの学校」だと出ないので、「あづみの公園」で検索するのがおすすめです。
開園時間 | 9:30~17:00 ※季節によって変動あり |
---|---|
休園日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 450円 |
公式サイト | http://www.azumino-koen.jp/index.php |
コメント