カッパ直伝の妙薬は実在した!?『おもしろかっぱ館』(駒ケ根市)

長野県

信州駒ヶ根には、江戸時代に河童からその製法を伝えられたという妙薬の話が残っています。ただの昔話かと思いきや、それで終わらないのがこの話の面白いところ。果たして、真相は如何に・・・?

2021/7/21(水)

天竜川沿いのかっぱ館

長野県駒ヶ根市の天竜川沿いに建つおもしろかっぱ館。かっぱのカタチをした建物がとってもユニークな施設です。

1988年、熊本八代市に河童共和国が、日本全国のかっぱ村に呼びかけ、河童連邦共和国を作りあげます。その話を耳にした小島利昭さんが駒ヶ根でもカッパで町おこしをしようと考え、駒ヶ根天竜かっぱ村を創設。この施設を作ったそう。

今聞くと河童共和国というネーミングがとってもファニーですが、その頃日本ではミニ独立国ブームが起こった後だったはずなので、意外と自然だったのではないでしょうか。

かっぱのみょうやく

最初はモニターの映像からスタート。紙芝居式の映像が、ブラウン管から流れます。

ここで見ることができるのは「河童の妙薬」。このかっぱ館のメインテーマである、カッパから伝授されたとされる薬のお話です。

この地に住んでいたカッパは子供たちに意気地なしと言われたことに腹をたてます。そこで力を見せつけようと、通りかかった川奉行の中村新六を乗せた馬のしっぽを引っ張り、川に引きずり込もうとします。
しかし、驚いた馬はそのまま全力疾走!屋敷までカッパを引きずって行ってしまいます。

新六はカッパの話を聞いてやったところ、すっかり反省していたため、屋敷に泊めてあげることに。
新六には痛風を患った母親がいたのですが、これを知ったカッパは助けてもらったお礼にと痛風の痛みをとる薬の作り方を伝授。この「加減湯(かげんとう)」という名の妙薬は痛風に効くと話題になり、皆が買い求めるようになります。

実在する加減湯

さてさて、ここまでは伝説ですが、ここで終わらないのがこの話の面白いところ。

中村新六という人物は実在しており、実際に加減湯は販売されていました。館内には、加減湯の制作部屋を再現した部屋も作られています。

そして加減湯の制作は昭和初期まで行われていました。販売に使用されていたという看板も残っております。しっかりと登録商標と書かれているのがポイント。

こちらは各地から送られた加減湯希望の手紙。今で言う通販も行っており、全国各地にとどまらず台湾、朝鮮、満州、樺太からの依頼もあったそう。

てっきり昔話かと思いきや、ここまでいろいろと記録が残っているのは驚きです・・・!

加減湯の正体は

さて、加減湯とはなんなのか・・・?なんと、中村家には加減湯の実物が残されているそう。

地元の方が分析してみたところ、キハダ、トチュウ、イタドリなどの漢方薬が使用されているのではとのこと。実際には10種類の成分があるそうですが、現在は8種類までわかっているとのこと。

実際に京都大学にて調査を依頼しようとしたが予算が大きくかかることから断念した、とのエピソードもあるそう。

真相や如何に

スタッフさんが館内を案内しながら、細やかな情報を教えてくれました。曰く、妙薬の話は「一番引きが強いはずのポイントであるカッパに関する記録がほとんどない」のが問題とのこと。

そもそも、この地域では他に河童にまつわる伝承が薄く、この妙薬の話で唐突に出てくるあたりがポイント。また、なぜカッパが痛風の薬を知っているのかという点も疑問が残ります。

新六はビジネスセンスに優れており、宣伝文句として利用したと考えると辻褄が合います。たしかに、普通の薬よりもカッパ直伝とキャッチコピーを付けた方がずっとアピール力は高そうです。

このように書くと金儲けのために・・・みたいな印象となりますが、新六は加減湯で稼いだお金を天竜川流域の開墾に当てます。私利私欲ではなく公共事業に使用し、地域の発展に大きく貢献したのでした。

かっぱたくさん

妙薬に関わる展示以外にも、様々なカッパが集められています。こちらの多くは、全国のかっぱ村から寄贈されたもの。よく見ると、上高地、飛騨、浜名湖など地名を冠しているものも。

黄桜で有名な小島功さんの描くカッパの絵も多数飾られています。美人画と呼べるほど艶めかしいカッパ。マフラーと下まつげががかわいらしい。

さらに、彫刻や掛軸など、カッパを題材にした芸術作品も多数展示されています。妖怪として語られることの多いカッパですが、その中でも最も多くの人に愛されている一種ではないでしょうか。

アクセスと営業情報

駒ヶ根ICから車で20分ほど。駒ヶ根シルクミュージアムも近くにあるので、合わせての訪問もおすすめ。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜
料金 200円
公式サイト https://www.komagane-kappa.jp/about_kappa_museum/

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