絵画として鑑賞する圧巻の日本庭園『足立美術館』(安来市)

島根県

日本庭園と日本画の両方を楽しめるのが特徴の美術館。「絵画のような風景」をテーマにした日本庭園は、窓枠で切り取って鑑賞するというユニークなスタイル。人気なスポットであるため、繁忙期は混雑する時間を避けるのがおすすめです!

訪問日:2026/4/30(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

山陰屈指の人気美術館

島根県安来市にある足立美術館は、地元出身の実業家の足立全康によって1970年に開館した私設美術館。日本画とともに日本庭園を鑑賞できる美術館であり、海外の日本庭園ランキングで長年1位を獲得しております。

注意すべきは、山陰地方を代表する人気スポットであるため、混雑することも多いということ。今回はGWという繁忙期の訪問であったので、朝イチで向かいました。

入口付近にはショップがずらり。島根和牛ライスバーガーやソフトクリームなどの販売も行なっています。和牛ライスバーガー、気になりますね!

ショップを抜けた先が入口。ここでチケットを購入します。朝イチだったのでスルッと入れましたが、繁忙期は事前購入していくのがおすすめです!

窓越しに鑑賞する日本庭園

敷地内には「枯山水庭」「池庭」「苔庭」など複数の庭があります。庭を自由に歩ける「回遊式庭園」ではなく、窓越しに鑑賞するというのが足立美術館スタイル。「庭園も一幅の絵画である」という独自のコンセプトを持っています。

ユニークなのが「生の掛け軸」。掛け軸の枠越しにリアルな庭園を鑑賞することができるのです。天候や季節によって変化する掛け軸は、まさに「生の掛け軸」。

今回はGW期間中だったので、常に人物が描かれた掛け軸となっていました。

ついつい人が映っていない写真を撮りたくなりますが、あえて人が入っているのも臨場感があって良い気がしますね!

枯山水から池泉庭園まで

ここからは、日本庭園の一部を簡単にご紹介させていただきます。苔庭は、手前のスギゴケのグリーンから、石橋と飛び石が連なり、奥へと視線が誘導される庭園。枯山水の白砂の海は、実際に水が流れる川へと続いていきます。

大河を表した白砂に、山を表した立石が並ぶ枯山水庭。勝山や京羅木山など、遠くに見える山まで計算に入れた「借景」も鑑賞ポイントです。

写真ではわかりにくいのですが、奥に亀鶴の滝という実際に水が流れる滝があります。高さは約15m、横山大観の《那智乃瀧》をイメージして造られた人口瀑であるそう。

水を湛えた池庭は、美術館で一番古い庭。前面が赤白黒3色のニシキゴイの泳ぐ池であり、その奥に茶室が設けられています。

横山大観の《白砂青松》を表現した白砂青松庭。砂の上にまるで島のような松が点在する独創的な庭園です。松は小さく保たれており、まるで盆栽のようなミニチュア感があります。

充実の日本画コレクション

庭園ばかりが話題になりますが、日本画のコレクションも大充実!横山大観を中心に、富岡鉄斎、今尾景年、岸竹堂といった重鎮など多数の作家の作品を展示しております。

撮影禁止でしたので、購入したポストカードでさらっと作品の一部をご紹介。

昨日、鳥取県立美術館で見た濵田台兒(はまだたいじ)の師にあたる伊東深水《夢多き頃》は、顔が似た7人の女学生が描かれた作品。おさげの子は、実の娘で女優の朝丘雪路とのことです。

勝田哲《夕べ》は、浴衣の女性がかんざしをさす姿が描かれた美しい作品。無造作に置かれた虫かごから夏が感じとれます。

富士山が描かれた横山大観《神国日本》。輪郭はぼんやりとしているのに力強さを感じる作品です。写実的な富士山に対して、太陽は真紅の点とアイコニックな表現がとられているのも面白いところ。

戦時中、海軍工作学校より「大観の絵を掲げて練習生の士気を高めたい」という依頼のもとで描いた作品であるそう。神国というタイトルは、そういった時代背景があっての名称なのですね。

併設された魯山人館

北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)という人物をご存じでしょうか?大正・昭和期に活躍した人物であり、美食家・料理家・陶芸家・書道家・芸術家など様々な分野にその名を残しています。「料理と器は一体」「食器は料理の着物」といった考えのもと、多数の陶芸作品も残しています。

この足立美術館は、そんな魯山人の作品を約500点所蔵。2020年4月に魯山人館がオープンし、常時約120点が展示されています。

「福雅美生活」が1文字ずつ描かれた5枚の《染付皿額》や、金彩で葡萄が描かれた《金襴手壺》、横幅4mはあるかという大きな《いろは屏風》など、細部までこだわりがつまったさまざまな作品たち。焼き物も、信楽焼、織部焼、備前焼、唐津焼など各地のスタイルで作られており、どの分野においてもハイレベルな才能を見せていたことがひしひしと伝わってきました。

行ってみた感想

かなり昔に訪ねたことがあるのですが、その頃はまだ「日本庭園」なんてほとんど見たことがない状態でした。あれからいろんな各所をめぐって知識を蓄えたうえでリベンジした今回。

日本庭園は奥深い世界ゆえにまだまだ理解したとはとても言えませんが、庭園を眺めたときに心ときめくくらいには自分の鑑賞レベルは上がっていました!

何がスゴイのか説明するのは難しいのですが、庭園の中に表現された世界や、視線が誘導される感覚、苔や草木の色味など、様々なこだわりが詰まっているのは十二分に感じることができます。

ひとつ注意点があるとすれば、人気過ぎて混雑するところ。国内・国外問わず多くの人が訪れ、バスツアーなどの団体客も多数。「静かに庭園を眺めて過ごす」のはちょっと難しいかもしれません。

あ、和牛ライスバーガーめっちゃ美味しかったよ!!!

アクセスと営業情報

開館時間 4月~9月:9:00~17:30
10月~3月:9:00~17:00
料金 2,500円
公式サイト https://www.adachi-museum.or.jp/

※掲載の情報は2026年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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