名前とは裏腹、やっぱり起伏が激しい島。山を越えた先にある集落周辺を軽く散策しました。4島目ともなると同じ船に乗る旅人同士のコミュニケーションも膨らみ、人それぞれ様々な目的で来ていることがわかってきました。
滞在時間:1時間50分
平らじゃないけど平島
1年に1度、たった2日でトカラ列島7つの島をめぐる『フェリーとしまレントゲン便』。4つ目の島は平島。
これまで訪れた口之島、中之島、諏訪之瀬島はどれも起伏が激しく、港から集落へ向かうのにひたすら上り坂でした。平島という名前からついに平坦な島来るか!?と期待させておいて・・・
やっぱりそびえる山。見る限り起伏が多そうなルックスです。全然平らじゃない!
集落へ行くには、上り坂を越えて山の向こうまで行く必要があるらしい。あ、あれを登るのか・・・。気が滅入ってきました。
そもそも「平」は平家の落人が流れ着いた伝説から来ているそう。
祭事は全て旧暦で行われたり、中世より続く元服の儀式が今なお残されていたりとトカラ列島の中でも他とは違う文化が残る島です。
さて、いつも通り登ります!!
あっという間に船は遠くなります。青く透き通る海がかなりきれいです。
港から約20分ほどで集落周辺へ到着。意外と早く行けたのですが、疲労は確実にたまってきています。
平島の集落散策
登った先にあるのは平島コミュニティセンター。役場や乗船券売り場も併設です。
ここにはあかひげ温泉があるのですが、やっぱりからっぽ。
少し歩くと島立神社。開拓祖を祀っているとも、八幡様を祀っているともいいます。朱色の鳥居が青空に映えます。
そしておなじみの小中学校。
校庭にはかわいらしい浮きアートがいました。日本各地の離島で見かける浮きアートですが、誰かが広めたのでしょうか、それとも自然に発生したのでしょうか。
旅人コミュニケーション
さて、先程のコミュニティセンター前に、離島には不釣り合いな白いバスが停まっていたのにお気づきでしょうか。
こちらは、『7島めぐりツアー』の観光バス。レントゲン便に乗っている人は、私のようにフリーの旅をしている人とは別に、パッケージツアーの団体も20名ほど乗っています。彼らは私たちとは違い、島内ではバスで観光スポットをまわっているのです。
過酷な登り坂を越えているかたわら、悠々とバスで通り抜ける様子は羨望を通り越して劣等感すら感じさせられます。でも、参加しているのはお年寄りばかり。足腰が相当強くないとフリーで観光は厳しいので、より多くの人が楽しめるパッケージツアーはとても価値があるのでは。
一方、フリープランの旅人同士も、そろそろお互いのタイプが見えてきます。
港周辺をちょっと散歩するくらいのおじさんもいれば、時間の許す限り徒歩で探索する人、持参した折り畳み自転車で駆け抜ける人、ヒッチハイクをひたすら続ける人、釣りをしに来た人など、色んな旅人がいます。
4島目ともなると、少しずつ打ち解けて仲良くなってきます。ましてハードな行程を乗り越えているので妙な連帯感も生まれてきました!
集落ですれ違ったらいろいろ情報交換したり、船に戻ったら感想を話したりと膨らむコミュニケーション。
さすがにトカラ列島ともなると、皆あちこちの島をまわった強者ばかり。小笠原や八重山諸島、伊豆諸島などのメジャー島旅は当然越えているので、島トークが弾みます。
「局めぐり」とは・・?
こちらは平島簡易郵便局。その前に集まっている人々が。皆さん私と同じレントゲン便に乗っていた人たちです。
私から見たら普通の島の郵便局。いったい何があるのでしょうか?
ここで知ったのですが、郵便局をめぐる「局めぐり」という旅があるそう。
辺境の離島にもだいたい存在している郵便局、日本各地に約24,000局あります。
そんな郵便局に訪れるのを「局めぐり」と呼ぶらしい。一言で局めぐりといっても種類があるらしく、外観の写真を撮るだけの人もいれば、その局で貯金し通帳に局名印をもらうのが目的の人(いわゆる旅行貯金)など、その目的は様々。
日本の滝100選や百名城をめぐる旅はがんばればゴールできそうです。多いと思っていたダムカードも現在500枚ほど。
24,000って総数が多過ぎてもはや想像もつきません!
しかも郵便局って平日の限られた時間しか開いてませんよね。並の根性では目標に掲げることすらできなそうです。制覇した人はいるのでしょうか?
そんな日本の隅々にある郵便局ですが、もちろんトカラ列島の島々にもあります。
局めぐりをする人たちにとっても、効率良く島を巡れるこのレントゲン便は絶好のチャンス。
しかも、去年のレントゲン便以降、新しく諏訪瀬島、平島、悪石島、小宝島と4つの島に郵便局が一気にオープンしています。局めぐりの方にとって今年のレントゲン便は激アツのようです!
ただし、島の到着が早朝すぎてまだ開いてなかったり、限られた時間で郵便局に自分の望みをリクエストしたりと色々大変な様です。
徒歩で行けた場所
今回徒歩でまわることができたのはこの辺り。
平島もこれといった観光スポットがあるわけではありません。なので、何となく集落を散歩した感じです。
島の北東には「平家の穴」というスポットもあるのですが、レントゲン便での訪問では厳しそうです。
というかマップを見てもそもそも道が繋がっていません。どうやって行くのでしょうか。
船に戻ってチョコミントアイス!
実は鹿児島市内に入った一昨日の夜くらいから熱が出てます。
そんな中、これまでにない過酷な旅を続けている状況です。体力的にはかなりやばい気もしますが、気合いでどうしても先へ進んでしまいます。
居眠りが苦手な私は、日常でも旅先でも滅多なことでは仮眠をとりませんが、さすがに疲れたので次の島まで1時間弱眠りました。
レントゲン船は島に滞在約2時間、移動約1時間の繰り返し。移動の1時間で食事したりシャワー浴びたり休んだりと、上手く活用していかないと身が持ちません。
次は本日最後の島、悪石島です。もう名前からして魅力的な島ですよね。
コメント
[…] 石浜の集落に付きました。ここには、浦戸諸島で唯一の郵便局があります。以前トカラ列島で知り合った「局巡り」をしていた方々は、ここにも来ているのでしょうか。 […]