トンボとサカナの自然ミュージアム『四万十川学遊館あきついお』(四万十市)

高知県

トンボ公園に立つあきついおは、とんぼ館とさかな館の2つの側面を持つ博物館。最後の清流と呼ばれた恵み豊かな四万十川流域に暮らす生き物を様々な角度から知ることができます。

営業時間:9:00~17:00
休館日:月曜
料金:880円
訪問日:2020/01/25(土)

清流・四万十川とは

「最後の清流」というキャッチコピーでおなじみの四万十川。高知県を大きく蛇行しながら進み、全長196kmという長さで四国最長の川です。

清流ときくとさぞかし水がキレイな川なのだろうなと思いきや、水質だけ見ると国内のランキングの中では上位ではありません。むしろ同じく高知県を流れる仁淀川の方が数値の上では良質とされています。

大型ダムが無いことや、200種類を超える豊富な種類の魚が暮らしているなど、清らかで恵み豊かな条件から清流と呼ばれているのかと思いきや、実は1983年に放映されたNHKのテレビ番組による影響とのこと。

また、以前は四万十川という呼び名は地域の人々の通称で、正式名称は渡川(わたりがわ)という名前の川でした。しかし、この番組がきっかけで正式に四万十川に改名しました。

四万十川のミュージアム

そんな四万十川が通り抜ける四万十川市にある四万十学遊館あきついおは、四万十の自然がテーマのミュージアム。車の場合は高知市内から高知自動車道利用で約2時間、電車の場合は土讃線と土佐くろしお鉄道利用で最寄りの具同駅まで約2時間。そこから徒歩20分ほどでアクセスできます。


オフシーズンの1月、加えて閉館の近い16時過ぎだったためほとんど人はいません。

なお、あきついおの「あきつ」はトンボ、「いお」はサカナを意味しています。文字通りトンボとサカナをメインにしており、館内も大きく「さかな館」と「トンボ館」の2つに分かれています。

小さな水族館「さかな館」

まずは「さかな館」から見学スタート!小さな水槽が数点並ぶくらいかと思いきや、たくさんの水槽が並ぶ立派な水族館。四万十川流域の魚約130種、日本各地の淡水魚70種、世界各国の淡水魚100種と多くのサカナを展示しています。

四万十川にいる魚は、下流・中流・上流と分けて並べているため、川を遡っているような気持ちで楽しむことができます。また、大きな水槽の前には暖かみのある木のベンチが備わっているため、子どもは背伸びすることなく、そして大人は腰掛けてゆっくりとサカナを見ることができるのです。

四万十川のサカナ

悠々と泳ぐ巨大なサカナは、四万十川を代表するアカメ。大型の淡水魚で、大きいものは130cmを越える個体が記録されているそう。光を当てると目が赤く光るためこのような名前がついていますが、ここではストロボ撮影は禁止です。


(目が赤く光る様子を観察したい方は桂浜水族館へ。専用のライトが備えてあります。)

観賞魚として人気の高いアカメは高値で取引されるため、アカメの幼魚の乱獲がおこり、その数は激減してしまいました。そんなアカメの幼魚がこちら。うるっとした目がかわいらしい。

アナゴと付くのに全然アナゴっぽくないカワアナゴ。四万十川では下流から汽水域にかけて生息しています。

もちろんウナギ目アナゴ科ではなく、ハゼ目カワアナゴ科のサカナ。アナゴと付く由来は、顔が似ているからという説があるそう。岩場などに隠れていることが多いので、そこから顔を出した姿がアナゴに見えたのではないでしょうか。ちなみに、日本での分布は「茨城県と鳥取県を結ぶ線以南の本州」とのこと。ある一定のラインで生物の分布が変わる線・分布境界線は数多くありますが、この2県で結ばれるのは初めて見ました。

オオウナギも上流から中流にかけて生息しています。大きくなると全長2mにも成長する大きなサカナ。なお、大きいウナギのことを指しているわけではなく、「オオウナギ」という種類のサカナ。なので、生まれたばかりの小さな個体でもオオウナギです。小さくてもオオウナギです。

水槽の壁や石に貼り付いているのはオオヨシノボリウツセミカジカ。勢いよく渓流が流れる上流に暮らすため、流されないよう川底や石にくっついて過ごしています。なお、ウツセミカジカは四万十川では絶滅してしまっているそう。

海水魚も現れる四万十川

唐突に表れるハリセンボンサザナミフグ。あれ、こちらは海水魚では・・・?実は、四万十川には淡水魚だけでなく、海水魚も多く生息しているのです。

流域の砂利の採取が原因で川底が低下、その結果水面が下がり、河口域に海水が流れ込みます。加えて、勾配が緩やかで流れも穏やかなということもあり、下流には海水と淡水の混ざる汽水域が大きな範囲で出来上がっています。そのため、四万十川の下流では海水魚の姿も多く見ることができます。

こちらはオニボラ。真っ白な体に黒いヒレがワンポイントで決まってます。名前にオニとつくサカナはトゲトゲしてたり大きかったりとゴツいイメージですが、こちらは透明感があってとっても綺麗。和歌山県以南に生息しており、四万十ではかなりレアらしい。

このハゼのようなサカナはチワラスボ
ワラスボというサカナは、小さな体とは裏腹にまるでエイリアンのような恐ろしい顔をしていることで有名です。そんなワラスボにヒゲが生えたのがこのチワラスボ。言うなればヒゲエイリアンです。顔がはっきりと撮れなかったのが残念。

世界の淡水魚

館内の奥には、世界の淡水魚コーナーもあります。びっしり並ぶ水槽にはアロワナやパールンなど大型淡水魚の姿も。

口が細長く黒い魚はアリゲーターガー。鑑賞として飼われていたものが放流されて野生化、全国各地の河川にて外来種として発見されています。生態系に大きく影響を与えるため特定外来生物に指定されており、飼育や輸入が禁止されているサカナ。四万十川で発見されないことを祈ります。

四万十川以外の日本各地の淡水魚たちもラインナップ。大きなビワコオオナマズは、アマゾン系淡水魚にも負けないくらい存在感があります。

標本並ぶ「トンボ館」

日本各地や世界のトンボの標本がびっしりと並んでいます。トンボって国内で見ることができる種類でもカラフルですが、世界規模ともなるとその多種多様っぷりに驚かされます。

このあきついおは、70種類以上ものトンボが生息しているというトンボ公園に建っています。中庭のビオトープでは4〜10月頃には様々なトンボの姿を見ることができるそう。

1月という冬場、加えて小雨降る天候。1匹たりとも姿を見ることはできませんでした。完全に来るタイミングを間違えています。


このあとは宿毛湾のだるま夕陽を見に行こうかと思っていたのですが、とても夕陽が見れるような天候ではなかったので諦めました。

須崎市で鍋焼きラーメン食べて高知市内に戻ります。これにて高知4日間の2日目が終了。明日は高知城や牧野植物園、桂浜など高知市内の観光スポットをまわります!

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