神秘的なものからユニークなものまで多様な鍾乳石が集まる洞窟。勢いよく流れる滝や壮大なプロジェクションマッピング、ミュージアムなどバラエティに富んだ見どころで楽しませてくれます。
龍河洞へのアクセス
バスの場合は、はりまや橋から1時間20分、または土佐山田駅から20分ほど。
車の場合は高知市街から40分、高知龍馬空港から15分のところにあります。意外にも空港に近いため、旅行初日や最終日に訪問しやすい場所です。
駐車場から鍾乳洞入口まではお土産屋さんやカフェ、脱出ゲームなどが並ぶ商店街。包丁やハサミなどを扱う刃物屋さんが目立ちます。高知の伝統的な刃物は「土佐打ち刃物」と呼ばれ、国指定の伝統工芸に指定されているそうです。
最後は石段がそびえるのですが、隣にエスカレーターがある親切設計。
入口にある受付でチケットを購入して、いざ洞内へ!
龍河洞の個性
岩手県の龍泉洞、山口県の秋芳洞と合わせて日本三大鍾乳洞に数えられる鍾乳洞。全長は4kmで、そのうち1kmが30分ほどの観光コースとなっています。
夏は涼しく冬は温かい洞内、水が流れる脇に造られた歩道を進んでいきます。道幅は狭いし天井はとても低い。鍾乳洞は基本的に狭い道がありますが、この龍河洞は特に狭い方ではないでしょうか。
また、天井からはたくさんの水滴が滴ります。多少濡れても良い服装、そして帽子かフードがあると快適です。
途中にはモニターの洞内マップも。急に現れるデジタル機器に少し違和感ありますが、薄暗い洞内ではモニターの光がちょうど見やすい。
コース終盤には「しんどい坂」と名付けられた急階段。
登り終えたところには、なんと座布団付きでゆったり座れるイスが・・・!さらに扇風機まで設置されてます。長い階段を登って火照ったカラダも、ここで一休みできる。洞内にこんなリラックススペースのある鍾乳洞、日本でここだけではないでしょうか。
ユニークな鍾乳石
鍾乳洞といえば、様々な形をした鍾乳石が見どころの1つ。長い年月をかけて作り上げられた自然の芸術作品は、オンリーワンな個性を放ちます。
「天降石」
龍河洞最大の鍾乳石で、その大きさは11mにもなります。15万年という気が遠くなるような長い歳月をかけて作り上げられたものだそう。ちなみに、ブラジルにある世界最長の鍾乳石は12m。この天降石は世界レベルの大きさと言っても過言ではないのではないでしょうか。
ここではスタッフさんが常駐しており、解説&写真撮影してくれます。天降石担当になると、ずっと洞内にいるのでしょうか。繁忙期はともかく、閑散期はさびしくなったりしないのでしょうか。
「サボテンの丘」
柱サボテンのような鍾乳石がそびえる広い空間。丘ってネーミングが響きが良いですね。
「鬼面石」
こちらをギロリと睨んでいるように見える、不思議な鍾乳石。頭部が大きいため宇宙人のようにも見えます。フェンスに包まれており、危険な存在のようなオーラを感じます。
「マリア様とお釈迦様」
左がマリア様、右がお釈迦様。どちらもかなりそれっぽいルックス。高いところにあり、通る人を見守っているかのようでした。
「神の壺」
どう見ても壺にしか見えない鍾乳石。自然にこんな形ができあがったのでしょうか・・・?その正体は、弥生時代の土器。炭酸カルシウムにつつまれた壺が長い年月を経て鍾乳石と一体化したのものです。
いろいろな滝
洞内に様々な滝があるのも龍河洞の特徴の1つ。鍾乳洞探索しながら滝めぐりも楽しむことができます。
「飛龍の滝」
最初に目に入るのは、こちらの滝。昨晩から降り続く雨の影響か、ドバドバとかなり勢い良く流れています。
「記念の滝」
高さ11mの洞内最大の滝で、ブルーのライトアップがとても神秘的です。山内浩、松井正実の両名が滝の上部を探索したところ、大規模な鍾乳洞が発見されたそう。龍河洞探索のはじまりとなった記念すべき場所なのです。
「龍口(りゅうこう)」
龍が口から水を吐くように見えることからその名が付いた小さな滝。今日は大量の水が流れていますが、雨が降らないときは全く水が流れていないこともあるそう。もしかして、龍河洞は雨の日こそ本領を発揮するスポットなのかもしれません。
「玉簾の滝」
水が流れない、鍾乳石による滝もあります。玉簾(たますだれ)のような線が壁一面に広がる、高さ6m幅4mの立派な鍾乳石。余談ですが、玉簾の滝という名前の滝は、山形県・茨城県・栃木県など日本各地に存在しています。
「裏見の滝」
まるで水が流れるような姿の鍾乳石。滝の裏側にまわることができる滝を「裏見の滝」と呼ぶのですが、まさにそんな姿をしています。
まさかのプロジェクションマッピング
龍河洞の奥地に広がる大きな空間。「逢坂峠」と呼ばれるこの広間では、なんとプロジェクションマッピングの上映が行われています。
煌びやかでカラフルな映像作品が、鍾乳洞探索のクライマックスを飾ります。
「your journey」と題されたその内容は、宇宙や生命の歴史を表現する壮大なストーリー。鍾乳洞という非日常な空間効果もあいまって、一気にその世界観に引き込まれます。
出ても終わらない龍河洞
出口にも名前が付けられています。その名も「天の岩戸」。天岩戸といえば、日本神話において太陽神である天照大神が閉じこもってしまった洞窟。最後の最後でもちょっとした演出心を感じます。
龍河洞は、入口と違う場所に出る「通り抜けタイプ」の鍾乳洞。洞窟出口にはとてもキレイなトイレやソファを完備した休憩所があるので、洞窟探索に疲れたらここで一休みできます。
入口まで戻る道は、少々長い下り道。ただし、舗装されているし、屋根もあるのですいすい進めます。
下り道を降りた先には龍河洞博物館。地球の歴史や鍾乳洞のできる仕組み、龍河洞に生息する生物の解説、出土した石器や土器などが展示されています。
館内にあるワンダーフォールは、ポリエチレングリコールという液体をピアノ線に通して流している不思議な滝。水よりもゆっくり流れ、眺めているとおだやかな気分に。龍河洞滝めぐりのラストです。
※オナガドリなどを見ることができる珍鳥センターも併設なのですが、現在休館中でした。
帰り道、商店街にて「究極のつめきり」(500円)というガチャを見つけてうっかりやってしまいました。出てきたのは土佐打ち刃物の老舗・土佐壺屋の爪切り。
さらに、「女子がもらったらよろこぶかもしれないもの」(200円)ガチャも!やってみたところ、なんと指輪が出てきました。旅行の最後ってついつい財布のヒモが緩んでしまいます。
さて、そろそろ空港へと向かいます。
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