今も昔も土佐の中心!南海の古城『高知城』(高知市)

高知県

高知市の中心部に建つ高知城は、「南海道随一の名城」とも称えられる立派な城郭。現存十二天守の1つとして数えられている城内には、隅々まで歴史が詰まっています。

営業時間:9:00〜17:00
休館日:年末年始
天守閣入場料金:420円
訪問日:2020/01/26(日)

高知城へのアクセス

高知駅から徒歩20~25分ほど。少々距離があるように思えますが、はりまや橋やひろめ市場、路肩に並ぶアンパンマンなど高知らしい景色が続くので、楽しい道のりです。歩きたくない方は、路面電車のとさでんに乗り「高知城前」で下車すればすぐ。

車の場合は駐車場探しに少々迷います。公式サイトでは高知公園駐車場(1時間まで370円/以後30分毎110円)が紹介されていますが、たまたま見つけたセブンイレブンの隣のコインパーキングが30分100円でした。

追手門から二の丸広場へ

入口は複数ありますが、市街地に向いている最もメジャーな追手門(おうてもん)から入城します。

こちらの門は江戸時代の火事で焼失し、1801年に再建されたもの。1945年の空襲で半壊状態になるも、解体修理が行われて現在の姿に。天守閣に向かって横を向いて作られているのは、敵が攻めてきた際にその勢いを削ぎ、追い込むための仕掛けです。
なお、追手門と天守閣を同時に写真に収められるのは高知城だけらしい!このアングル、旅行サイトなどではおなじみですよね。

高知城は大高坂山という小さな山の上に築かれた平山城(ひらやまじろ)。城内は立体的な造りとなっており、200段の石段が来城者を待ち受けます。

飛び込み台のように飛び出しているのは「石樋(いしどい)」。雨水を流すための排水設備なのですが、石垣に水が当たらないように飛び出した設計となっています。雨の多い高知ならではのシステムで、城内には全部で16ヶ所あるそう。雨の日に来たら、この石樋が機能しているところを見れるのではないでしょうか。

かつて藩主の居住空間の御殿があったという二の丸広場に到着。天守閣はもうすぐそこです。

広場を見渡すと、なんと高知名物あいすくりんのお店が!がんばって登ってきた先にある冷たくて甘いモノ・・・暑い日だったらこの上ないご褒美ですが、冬場はちょっと寒いです。というか、1月でも営業しているのが凄い!

当時の建築そのままな現存天守閣

標高44.4mの本丸に立つ天守閣。防火性の高い漆喰が塗られた壁は白く輝きます。外観は4層に見えますが、内部は3層6階仕立てで「咸臨閣」という別名もあります。

大阪城や名古屋城などのお城と比べると少々小振りに見えますが、高知城の凄さは何といっても現存天守なこと。
江戸時代以前に造られたお城で、天守閣がそのまま現在まで残されているお城は姫路城や彦根城などたった12ヶ所しかありません。この12のお城を「現存十二天守」という呼び方をします。その中でも、天守・本丸御殿・黒鉄門など本丸の全ての建造物が完全に残っているのは高知城だけなのです。

お城の天守閣は望楼型と層塔型の大きく2つに分類することができますが、高知城は望楼型。入母屋の屋根の上に望楼を載せた設計となっています。積み上げた感じの層塔型より、流れるような望楼型の方がかっこいい気がします。

歴史を感じる天守内部

さて、現存天守といえばいくつか「あるある」があります。まず「靴を脱ぐこと」。いつものパターンだとビニール袋に入れて持ち歩くのですが、ここは靴箱がありました。内部の床は板張りで、歩くたびに木が軋む感覚がリアル。天井も低く、如何に普段利用している現代建築が過ごしやすいか実感します。

お城についての解説や模型がたくさん並んでいます。どれもとってもわかりやすく工夫されているので、予備知識が無くても大丈夫。

この紋章は、城主・山内家の家紋「三つ柏」。銀行や自動車でおなじみの三菱の創始者・岩崎弥太郎は、岩崎家の家紋とこの山内家の家紋を合わせてあのロゴを作ったそう。

さて、もう1つの現存天守あるあるがこちら「異様な傾斜の階段」。もはや階段というよりハシゴです。手すりがあってもなかなかハード。登るときもなかなかですが、下るときはさらにシビア。間違ってもスカートで来ては行けません!昔の人は裾のある服でこの急傾斜を登っていたのでしょうか。

ディフェンス力高めな仕掛け

こちらは「帳台構え」という何もない小さな部屋。座敷に面した納戸ですが、藩主を守る武士が隠れる場所として機能しており、別名「武者隠し」と呼ばれています。

低いところにある小さな窓は「鉄砲狭間」。伏せて撃つことができるように下段に設置されています。

展望台によくあるガラス床に見えますが、こちらは本来は「石落とし」という仕掛け。ここから石や熱湯を落とし、敵を攻撃したそう。昔の戦において石というのはかなり重要なウェポン。頭上から降る石は、かなり威力があったのではないでしょうか。

さらに外から見ると、トゲトゲが囲むように生えています。これは「忍び返し」。忍者が登って来れないための仕掛けのようですが、逆に掴まりやすそうにも見えますね。

土佐の中心を一望

天守閣の最上階に到着しました。開けた窓からダイレクトに吹き抜ける風が心地よい空間です。

高知城って東西南北すべてを大小の山に囲まれており、海は全くと言っていいほど見えません。南側はもっと桂浜とか港とか見えるのかと思っていたのですが、これは意外でした。

オーテピア(図書館)や高知城歴史博物館、高知市役所や県庁も並んでおり、今も昔もここが土佐の中心だということを考えると何とも感慨深いです。

銅像めぐりも楽しめる

歴史に名を残す偉人を多く輩出してきた土佐。県内をまわっていると様々な場所で銅像を見かけます。この高知城ももちろん銅像スポット。追手門の手前の騎馬像は、高知城を建てたは山内一豊。お城の外なので、意外と見落とされやすいのではないでしょうか。

城内を進んでいくと、その妻である千代の銅像があります。

千代の銅像のすぐ隣には馬がいるのですが、この馬の右後ろから天守閣を向くと、馬が天守閣に向かっているような写真が撮れます!実はこのアングル、通りすがりの常連みたいな雰囲気のおじさんが教えてくれました。

あと、写真を撮り忘れてしまったのですが板垣退助像もあります。追手門を抜けた石段の隣に立っているため、絶対に見逃さないポイントです。


コンパクトながらも見どころが多く詰まっており、見応えのある城郭でした。このあとは、同じく高知市内にある牧野植物園へ。とてもデザイン性の高い植物園です。

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