時代とともに姿を変える変幻自在の『はりまや橋』(高知市)

高知県

高知市内を代表する名所の1つ「はりまや橋」。がっかりスポットとしても有名な小さな橋ですが、実ははりまや橋は全部で4つ存在しています。それぞれ造られた時代が異なっており、人々の暮らしに合わせて変化してきた様子を感じ取ることができます。

訪問日:2020/01/24(金)

はりまや橋へのアクセス

東京から夜行バスに乗り、朝の8:30に到着した高知駅。予約していたレンタカー屋さんがオープンするまで時間があるので、高知駅前を散策していました。何か早朝でも見れるものは駅周辺に無いかと考えて地図を見ていたところ、高知駅から徒歩10分ほどのところにはりまや橋があるのを発見!

ここなら時間帯を気にせず訪問でき、なおかつそんなに滞在時間もかからなそう。ということで、高知駅前からのびるはりまや通りを南に進んでいきます。

路肩にはアンパンマンキャラの石像が並ぶ。高知県はここは作者であるやなせたかしさんの故郷。駅前だけかと思いきや、街中のあちこちにたくさんのキャラクターが勢揃いしています。

私は勢いにまかせて歩いて向かったのですが、高知駅から向かう場合は路面電車・とさでんを利用すれば約4分ほどでアクセスできます。料金は200円かかりますが、情緒あふれる鉄道でご当地感に触れるのも良いのではないでしょうか。

まさかの見逃し

しばらく歩いたのですが、はりまや橋が全然見えてきません。高知駅からはりまや橋までは一本道なので道を間違えたりはしていないはず。そろそろ見えてきても良い頃なんだけど・・・。

不安になってGoogle Mapを見てみると・・・知らず知らずに通り過ぎていました!!

地図を見ながら来た道を戻ると、大通り沿いにひっそりとたたずむはりまや橋を発見することができました。もっと目立っているかと思っていたのですが、びっくりするほど控えめなのです。

はりまや橋 その① 江戸時代

あらためまして、こちらがはりまや橋。江戸時代に造られた橋のレプリカです。朱塗りで風流な外観をしており、まるで日本庭園にかかる太鼓橋のようです。

かつてこのあたりに神社があったのかと思いきや、この橋は川を挟んで営業していた「播磨屋」と「櫃屋」が互いの本店を行き来するために作られた私設の橋。長宗我部の時代に土佐に来た両家は、ともに町人街の元締めである大年寄という役回りを交代で勤めた他、城下町の建設などにも参加していたかなり有力な商家だったそう。

なお、この朱色の橋は平成になって再現されたもの。交通のための役目は終え、今では観光客の撮影スポットとして日々働いています。

はりまや橋 その② 明治〜大正

朱色の江戸時代のはりまや橋からはりまや通りを渡った反対側にももう1つ橋があります。こちらは明治から大正時代にかけて使用されていたはりまや橋を再現したレプリカ。鋳鉄製の欄干がおしゃれなデザイン。

落ち着いたグリーンは江戸時代の朱色と対照的。文明開化の興った明治時代の価値観は、江戸時代のそれとは大きく異なっている様がよくわかります。

再現とはいえ親柱は架橋当時のものを使用しているそう。明治四十一年十月と刻まれた文字からは、当時の面影を感じます。

橋のすぐ近くでは2匹のクジラが泳いでいる。そして、このクジラの隣にはペギー葉山の代表曲「南国土佐を後にして」の歌碑が設置されています。高知を歌ったヒット曲であるこの曲、歌詞には「播磨屋橋」が登場し、この橋が全国的な知名度を得るのに一役かったそうです。

この歌碑からは1時間に1度歌声が流れ、それに合わせてクジラが潮を吹くというアクションがあるらしい。開催時間は8:30~20:30の毎時30分とのことです。

はりまや橋 その③ 現代

そんなはりまや橋のすぐ隣、はりまや通りで車や路面電車が行きかっている橋が現在のはりまや橋

しっかりとした石造りをしており、長さも短いためあまり橋の雰囲気はあまりありません。言われないと普通の道路だと思い、橋だと気が付かないかもしれません。

複数あるはりまや橋の中で本物のはりまや橋はどれかというと、この橋になります。他の橋に比べると情緒はほぼゼロ。しかし、車や路面電車がせわしなく行きかう様子は、まさに現代日本を象徴しているかのようです。
あと何十年後、もしくは何百年後に人々の交通手段が大きく変わったら、それに合わせてはりまや橋もまた姿を変えることでしょう。「はりまや橋は概念だ」というコメントを見かけましたが、時代とともに姿を変える橋はまさにその通りなのではないでしょうか。

はりまや橋 その④ 地下に眠る遺構

朱色のはりまや橋の周辺ははりまや橋公園となっているのですが、階段を降りていくと地下広場があります。

通路に沿って内部を進んでいくと、突然橋の欄干が!

こちらはかつてはりまや橋に使用されていたもの。1998年、石造りの橋にリニューアルされた際、ここに欄干部分だけ保存・展示されることになりました。よく見ると昭和40年2/15改修と書かれています。

なお、この地下広場のベンチで寝ているおじさんがいました。起こさないようにそーっと見学しましたが、びっくりしないようにご注意ください。

はりまや橋 その⑤ おまけの空港

ここまでに挙げた4つはすぐ近くにあるため、一度に全て見ることが可能です。しかし、はりまや橋はこれだけではありません!

実は、高知竜馬空港にもあるのです。それがコチラ。

もちろんレプリカですが、実際に歩いて渡ることも可能です。高知旅行の帰りにたまたま見つけることができたのですが、このような再現模型を含めると、まだまだたくさんありそうな気がします。

三大がっかりスポット?

札幌の時計台・長崎オランダ坂とともに三大がっかりスポットという不名誉な称号を与えられてしまったはりまや橋。

きっと朱塗りの江戸時代のレプリカを見て、その小ささからがっかりしてしまう方が多いのではないでしょうか。

最も写真などで見かけるのはそのはりまや橋ですが、もしこの地に訪れた際は複数のはりまや橋を見比べてみると、時代の変遷を感じて楽しめるのではないでしょうか。

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