しまなみ海道の離島、見近島(みちかじま)は車ではアクセスできない小さな島。かつては村上海賊の城跡だと思われていましたが、発掘調査によりどうやら違う役割を持つ島であったことがわかってきました。今回は伯方島から歩いて向かってみました!
見近島ってどんな島?
愛媛県今治市の見近島は、面積0.07㎢・周囲1.5kmの小さな島。住んでいる人は0人という無人島ですが、見近島自然公園として整備されています。
しまなみ海道を構成する離島の一つであり、伯方島とは「伯方橋」、大島とは「大島大橋」で繋がっております。大島のカレイ山展望公園から見ると、橋が通り抜ける様子がよくわかります。
見近島へのアクセス
しまなみ海道の橋が架かる島ですが、見近島にはインターチェンジがありません!したがって車で訪れても島に降りることは不可となります。
しかし、橋からスロープがあるため、歩行者、自転車、原付バイク限定で島へ降り立つことは可能です。
今回は車でしまなみ海道をめぐっている途中に寄ってみることに。前述の通り車では行けませんが、伯方島にある「道の駅 伯方S・Cパークマリンオアシスはかた」から歩いて行けそうな予感。Google Mapによると20分くらいとのこと。
道の駅の側にあるドルフィンファームしまなみに立ち寄った後、そこから歩いて行くことにしました。写真の手前がドルフィンファームで、奥に見える森が見近島。海を渡ることができればあっという間に行ける距離です。
伯方橋を歩いて渡る
伯方橋への道のりは、サイクリスト向けのブルーラインが引かれているので迷うことはありません。上り坂なのに何故か勢い良く進んでいく自転車たちを追いかけるカタチで上っていきます。
ドルフィンファームしまなみから12分ほどで伯方橋の入口。車がびゅんびゅん通り抜ける脇をてくてくと歩いていきます。
海の上ということに加えて、それなりに高さがあるため爽快な道のり。意気揚々と歩いていると、すぐに見近島が見えてきます。
橋の上に見近島入口が現れました!ここまでドルフィンファームから18分ほど。橋にさえ乗ってしまえば、景色がきれいなのであっという間です。
島内にあるキャンプ場
スロープを進んで行くと弧を描くキレイなビーチ。人も少なく静かな砂浜が広がります。
橋から続く道の終点の一つがこちらのキャンプ場。トイレも備えた無料のキャンプ場で、GWということもあり多数のテントが並んでいます。
こうして見ると普通のキャンプ場ですが、一点大きく異なるのは車でアクセスできないということ。バイクで来ている方ばかりのせいか、信じられないくらいおじさんしかいませんでした。
なお、ドルフィンファームからここまで25分ほど。とりあえず、最低でも往復1時間は必要ですね。
村上海賊との関係は?
島内を歩いていると、謎の石垣が見えてきます。ここは、のろし台と呼ばれるポイント。
江戸時代中期に描かれた絵図「伊予国嶋々古城之図」にも取手と記されていたことから、かつてこの島には能島村上海賊による城があったと考えられていました。
しかし伯方・大島大橋の橋脚建設の際に発掘調査が行われたところ、小さな家屋が密集していた跡は見つかったものの城跡らしき遺構は見つかりません。どうやら、ここは城では無かったのではなかったようです。
家屋の跡に加えて出土したのは大量の陶磁器。岡山県で作られた備前焼や中国からの陶磁器などが多数見つかります。これらは同じサイズのものがセットになっており、日常的に使用していたものというよりは流通品として扱っていたような状態であったそう。
そのことから、村上海賊にとって物流倉庫的な役割の場所であったのではないかと考えられるようになりました。
城では無さそうですが、村上海賊にとっては重要な島であり、そのことから日本遺産「村上海賊」の構成資産として登録されています。
なお、遺跡の存在により橋脚の工事は予定変更に。遺跡を避けるように、2つの橋脚が遺跡を跨ぐように置かれることとなりました。
というわけで、村上海賊と所縁のある島ではありますが、島内にはこれといった見どころは見当たらず。キャンプする予定の方以外はわざわざ行く島では無さそうです。
私のように島めぐりが好きな人や、なんとなく歩くのが好きな方にはとってもおすすめです!
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