忽那諸島 Part 8 サイクリングにぴったりなカジュアル離島『興居島』(松山市)

忽那諸島

約10分でアクセスできる興居島(ごごしま)は、気軽に訪問できるおしゃれな雰囲気の島。レンタサイクルで島をめぐれば、きれいな海を見渡す展望台やそこに並ぶミカン畑など、島ならではの光景が広がります。

訪問日:2021/12/13(月)

興居島ってどんな島?

高浜港より約2kmと、すぐ近くに浮かぶ興居島。面積は8.49km²と、忽那諸島の中では中島に次ぐ大きさを誇り、1,000人以上の人が暮らしています。

定期船が寄港する港は、由良港泊港の2ヶ所。2港を経由する航路は無く、高浜港⇔由良港、高浜港⇔泊港と別々の航路。いずれも1日14往復とかなりの便数で、所要時間は高浜港⇔由良港が13分、高浜港⇔泊港が10分

時刻表でしっかり計画を立てずにノープランでふらっと行っても何とかなりそうなカジュアルな島です。

<今回の行程>
13:15 高浜港発
ごごしまフェリー
13:28 由良港着
⑦興居島 2時間42分滞在
16:10 泊港発
ごごしまフェリー
16:20 高浜港着

※今回私は2日間で7つの島をめぐる中で訪問しました。前回の野忽那島はPart 7、全体の計画はPart 1の記事にて。

興居島行きのフェリーは、忽那諸島の各島をめぐるフェリー・高速船を運航する中島汽船とは別の株式会社ごごしまが運航しています。他の島には寄港せず高浜港⇔興居島のシャトル運航となるため、島めぐりを考えている方は興居島だけ別に考える必要があります。

フェリーに乗って興居島へ

松山市駅から約20分の高浜駅。その目の前にある高浜港が興居島行きフェリーの発着所。港の待合所の中に券売所がありますが、こちらは中島汽船のもの。興居島フェリーに乗船券は無く、出港すると船員さんがまわってきて料金を支払います。

フェリーはかなり小型。今回乗船したミソラは、すごく扁平なシルエットをしています。

船内にはイメージするような客室は無く、通路を区切ってベンチが置かれているタイプ。室内となっている席はわずかしかありません。屋外にもベンチあがありますが、冬だとちょっと寒いです。

便利なレンタサイクル

興居島はなかなか広い離島。なおかつ、見どころは港から少し離れているため、観光するならレンタサイクルを利用するのがポピュラー。

レンタサイクルの利用法ですが、船内で運賃を支払うときに合わせてレンタサイクルも申し込みます。下船したあとは、待合所の受付けで自転車受け取り。借りるときに見やすいサイクリングマップももらえます。

料金は、普通の自転車が500円・電動自転車が1,000円。いずれも帰りのフェリー運賃250円が含まれているのでかなりリーズナブルです。

返却時間は特に申請不要で、帰りのフェリーは好きなときに決められます。さらに、由良港・泊港どちらの港でも返却できます。由良港に返却する場合は港の待合所に置いていけばOK。泊港返却のときだけ少し特殊で、フェリー内に自転車ごと乗船し、そのままフェリーに置いておきます。あとは船員さんが由良行のフェリーに乗せて戻してくれるのです。

サイクリングスタート

さて、島内はどのようにめぐろうかな。とりあえず、由良港から島の北部へ進み、反時計回りにまわってみることにしました。

しばらくは海沿いの道が続いており、気持ちの良いシーサイドサイクリング!爽快爽快〜♪

なのですが、島の北部に差し掛かるあたりからえげつない上り坂が現れて山の方へと入っていきます。2つの港がある島の東海岸はなだらかですが、西海岸の方はかなりの起伏が続きます。ちょっと海辺を乗るくらいなら普通の自転車で大丈夫ですが、ぐるっとまわるならば電動自転車が推奨。

道にはコースガイドも記されているので走りやすいです!しかし、ときにはこの案内が無い分かれ道も・・・。途中、何ヶ所か分岐点で道がわからず、マップを広げて確認しながら進みました。

離島ならではの絶景

上り下りを繰り返して進んで行と、見晴らしの良いカーブに。ここからは突き出した琴引鼻がよーく見えます。海の色がキレイですね!

青い海をバックに映えるミカン畑。瀬戸内海を進む大きな船が悠々と通り過ぎる風景は、ずっと見ていられます。

途中、北浦海岸でひと休み。由良港の売店で買ってきた「青さのり天」がお昼ごはん。海を見ながら食べる天ぷらは、沖縄を思い出します。

途中で見かけた砂浜。青くグラデーションがかかった海と、打ち寄せる白波は、まるで南の島のような光景です。

鷲ヶ巣海水浴場にも立ち寄り。アオサの香りがすると思ったら、砂浜には大量の青さのり。鮮やかなグリーンで、意外とキレイですね。

島の北半分をまわったのですが、かなりハード!電動自転車でもけっこう疲れたので、ノーマルチャリだったらやばいことになっていたかもしれません。島を一周しようかなとも思ったのですが、この辺りで島の中心部へと戻ります。

中心にある船越和気比売神社

島の真ん中あたりにあるのが、船越和気比売神社。ここで祀られている和気姫は、なんと壺から現れたお姫様!

和気五郎太夫という漁師が漁をしている最中に拾った大きな壺を割ったところ、中から娘が現れたそう。かぐや姫のような不思議な出来事かと思いきや、その娘は唐の国から流れてきたとのこと。子供のいない五郎太夫はその娘を大切に育てます。成長した娘は伊予皇子(※桓武天皇の第3皇子といわれている人物)の奥方へ。3人の子供を産んだそう。

和気姫につていはあまり情報が無く詳細がわからないのですが、もしかすると亡国の姫君だったりするのでしょうかね。

なお、ここでは毎年10月の第1土曜には、「船踊り」という独自の祭礼が行われます。船の上に舞台を作り、劇や舞を披露するそう。もともとは伊予水軍が島に凱旋した際に、島民の歓迎に答えて戦いの様子を再現した舞を踊ったのが起源といわれています。

泊港周辺の見どころ

船越和気比売神社から南へ少し走ると、もう一つの港である泊港が見えてきます。余力があったので、港周辺をもう一走りしてみることにしました。

港のすぐ近くには廃校を利用したカフェ、しまのテーブルごごしまがあります。訪問時は営業していませんでしたが、島で育てた野菜や、島の牧場の生乳など地産の食材を生かしたメニューがそろっているそうです。

さらに南へ進んで行くと、高さ282メートルの伊予小富士の姿が。登山道が整備されているため、登山客も多く訪れるそうです。

道なりに上り坂を進んで行くと、恋人峠に到着。海を挟んで松山市街地が見渡せる見晴らしの良い峠。なのですが、なぜか立入禁止の板がワイヤーでぐるぐる巻に立てかけられています・・・。花壇になっているため、写真目当ての方に荒らされるの防いでいるのでしょうか?


このあたりで満足したので、泊港に戻ってフェリーに乗船。フェリーに自転車を載せて返却完了、あとは高浜港まで10分の船旅です。

これにて忽那諸島めぐりもおしまい!今回たっぷりと利用した高浜港ともこれでお別れ。夕日に照らされる姿にちょっぴり切なくなりました。

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