激レア貨幣やメダルが勢ぞろいなミュージアム『造幣さいたま博物館』(さいたま市)

埼玉県

さいたま新都心に建つ造幣局には無料で見学できるミュージアムが併設されています。造幣局の歴史に始まり、貨幣の製造技術、さらにはレアな記念貨幣や金メダル、勲章までそろった展示は見応え抜群。それぞれに刻まれた精巧なデザインも見逃せません。

訪問日:2022/11/23(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

無料で見学できる博物館

造幣局、それは硬貨や勲章などを製造する施設。皆さまのお財布に入っている100円玉や、オリンピックのメダルなどを造っています。大阪に本局があり、関東では埼玉県に支局があります。もともとは池袋にあり東京支局という名でしたが、2016年にさいたま新都心へ移転。名称もさいたま支局へと改めました。(池袋の造幣局跡地は、豊島区立としまみどりの防災公園、愛称「IKE・SUNPARK」となっております。)

このさいたま支局は造幣さいたま博物館を併設しており、予約不要で見学することができます。入館料はなんと無料!さいたま新都心でショッピングついでに立ち寄るのもおすすめです。

館内へ進むと、明治政府によって造られて造幣局の歴史、金属を加工していく貨幣の製造プロセス、さらには日本の貨幣の歴史など様々な展示が続きます。

様々な貨幣や技術を学べる

2021年に発行された新・500円玉貨幣の偽造・変造防止技術も紹介されています。

内側と外側で色が異なっていますが、こちらは別々の金属をはめバイカラー技術が、さらに中心部分は2種類の金属がサンドイッチ状に挟み込まれてクラッド技術が採用されています。そのため新500円貨幣はバイカラー・クラッド貨幣と呼ばれるそう。普段何気なく使用していましたが、よく見ると細部までものすごく凝ってますね。

極印という何だかとても重要そうな名前のこちらは、貨幣デザインの基となる金型。最初は4〜5倍の大きさでデザインを作成、その後で縮彫機をで小さくして、貨幣サイズまで縮小するそうです。

もともとは贈呈用や試鋳用に造られた特別な貨幣をプルーフ貨幣と呼びます。現在はコレクション用に仕上げられた特別な貨幣。ケースに並べられたプルーフ貨幣は、鏡面仕上げでキラキラ輝きます。こんな硬貨に出会ったら使えないと思ったのですが、コレクション用なので一般に流通することはほとんど無いでしょう。

超レアな勲章とメダル

貨幣以外のものも製造している造幣局。館内を進んでいくと、1964年の東京、1972年の札幌、1998年の長野、そして2020東京と、オリンピックのメダルも展示されています。

デザインや質感の変遷を見比べることができてとっても面白い。これまでと比べて2020は非常に洗練されて見えます。つや消しされたメダル表面に描かれた勝利の女神ニケの姿は神々しい。

こちらのメダルが埋め込まれた盾は国民栄誉賞。鳳凰が描かれたデザインは優雅で気品があります。様々な分野の人物が受賞してきていますが、もともとはプロ野球選手の王貞治を顕彰するためにできた賞なんですって。

日本最高の勲章、大勲位菊花章をはじめとした様々な勲章も多数の展示があります。勲章なんて普段生活していて目にすることのない代物。それを一覧で見ることができるなんて、とても貴重な体験。ミュージアム内は基本撮影OKなのですが、勲章だけは撮影禁止なので心の中にしまっておきますね。

見ごたえたっぷりな記念貨幣

展示される様々な貨幣の中でも、いちばん眺めていて楽しいのが記念貨幣。オリンピックや万国博覧会、国家的事業の完成など、様々な折に記念に発行されるもの。1964年の東京オリンピックからはじまり、中部国際空港開港記念や東日本大震災復興事業記念など、様々なものが発行されてきました。

こちらは地方自治法施行60周年記念貨幣。青森県はねぶた・ねぷた・りんご、高知県は坂本龍馬など、47都道府県の名所や偉人などそれぞれを代表するデザインがずらりと並びます。旅行好きにはたまらないラインナップです。

このうち岩手県の貨幣は、2012年のMDCコイン・コンペティションというコインの美しさや技術を競う世界的なコンペにて「Most Beautiful Coin」賞を受賞したそう。毛越寺浄土庭園をバックに中尊寺金色堂と中尊寺ハスが描かれた美しい姿に眼が眩みます。

アニメやキャラクターとのコラボレーションもたっぷり!エヴァンゲリオン、仮面ライダー、ワンピース、ハローキティ、ドラえもん、ベルサイユのばら、サザエさん、鉄腕アトム、ミッキーマウス、ウルトラマン、ゲゲゲの鬼太郎、ジャングル大帝、リカちゃん・・・誰が見ても知っているものばかりです。

遊べるミュージアム

展示室は基本的にまじめな内容ですが、入口にはいくつかのおもしろポイントがあります。貨幣が散らばったトリックアート仕様のフォトスポットに立てば、お金に囲まれた写真撮影ができます。

並んだ黄色い袋は1円玉〜500円玉まで硬貨がびっしりと詰まっています。持ち上げてその重さを体感できるのですが、金額と重さはぜんぜん釣り合いません。

こちらは千両箱。その重さは20kgとなかなかの重量。昔はこれを運んだり保管したりしていたと考えると、現代は便利になったなぁと実感します。

今の時代、口座振込やクレジットカード、さらには電子マネーが普及しており大金を持ち歩くケースも徐々に減ってきております。このまま時代が進んですべてがキャッシュレスになったら、貨幣に対して「昔はこんな重いものわざわざ持ち歩いてたなんて大変だったなぁ」なんて思われるようになるのでしょうか。

貨幣そのものの持つ魅力はもちろん、時代の変遷も感じられるミュージアムでした。

アクセスと営業情報

さいたま新都心駅から徒歩12分。駅からの道中にはコクーンシティがあり、寄り道がはかどります。

開館時間 9:00~16:30
休館日 第3水曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.mint.go.jp/enjoy/plant/plant-saitama/plant_visit_museum_saitama.html

※掲載の情報は2022年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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