山中の不思議なスポット『ウノタワ』めざして山歩き(飯能市)

埼玉県

埼玉県飯能市の山の中にある「ウノタワ」。不思議な響きの名を持つこの場所は、飯能駅からバスに乗り、林道と山道を歩いてアクセスできます。なかなか過酷な山歩きとなるので、登山装備のご用意はお忘れなく!

訪問日:2022/11/5(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

謎のウノタワ

はじまりは、たまたま手にとった『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』という書籍。

東京から日帰りで行けるウォーキングコースが多数掲載されているのですが、さすが「達人」と付くだけあってマニアックなコースばかり。

初めて目にするような地名も多数掲載されており、都内周辺にもまだまだ知らない場所がたくさんあるなぁと思い知らされました。

そんな中で気になったのが『ウノタワ』というスポット。どこか外国の地名のようでもあり、はたまた都市伝説のようにも感じる独特な響き。この名前がどうしても頭から離れなかったの実際に行ってみることにしました。

ウノタワへのアクセス

ウノタワは埼玉県の飯能の山の中にあります。公共交通機関で行く場合は、まずは飯能駅へ。池袋駅から西武池袋線で50分ほどでアクセスできます。

飯能駅からは国際興業バス「名郷」「湯の沢」行きで約1時間、名郷(なごう)バス停へと向かいます。バスの本数は少ないので、事前に時刻表の確認をお忘れなく。

名郷バス停で下車したらウォーキングスタート。名郷バス停からウノタワまでは片道2時間15分ほど、往復4時間30分程度のコースになります。基本的に山歩きになるので、ある程度の登山装備が必要です。

かつての私ならば徒歩4時間30分は躊躇う数字でしたが、ここ最近は利尻富士、安達太良山、栗駒山、秋田駒ケ岳と山歩きを続けてきたので、これくらいは全く気にならなくなってしまいました。こうやって人は強くなっていくのですね。

さて、ここからは実際に行ったレポートへと切り替わります!

バスの時刻表はこちらのサイトが感動的に見やすいです!この中で「湯」「郷」「ゆ」「ご」のものを選べば良さそう。時間をクリックすると、その便の停車するバス停が一覧で出るので、念のため確認してから選ぶのがおすすめです。
飯能駅 時刻表 ( 飯01 湯の沢ゆき ) | 国際興業バス

飯能駅からバスで名郷へ

山歩きといえば早朝出発が基本…ですが、睡眠をしっかりとるのも大事。ということで早起きはほどほどに。

9:25、飯能駅に到着、北口のバス停③番乗り場へと向かいます。今回乗車するバスは9:55発。30分前という模範的な時間前行動を示したご褒美にファミマでチョコクロワッサンとファミチキを購入。

飯能駅は南口にもバス停があるので要注意!メッツァ(ムーミンバレーパーク)行きのバス乗り場の隣なので、迷ったときはムーミンを頼りに進みましょう。

20分前くらいには誰もいなかったのですが、10分前になると10人くらいの列ができてました。この先1時間程の乗車となるので、できれば座って行きたいものです。

バスは時刻の少し前に到着。誰ひとり立つことなく乗車が終わり、バスは出発しました。車内では飯能が舞台のアニメ「ヤマノススメ」のキャラクターたちがお出迎え。聖地巡りで訪れるファンも多いんだろうなぁ。

祭の準備ににぎわう街中を抜け、徐々に山の中へ。ゆらゆらと揺れるバスですっかり眠くなったあたりで、バス停《名郷》に到着。

途中、さわらびの湯まではそれなりに人がいましたが、終点まで乗っていたのは私ともう一人のおじさんの二人だけ。ここまで来る人はわずかです。

バス停には男女兼用トイレがあります。また、すぐ近くにある中屋商店では、ちょっとした飲食物の販売、そして店前に自販機もあります。

このバスはかなり混雑することでも知られています。今回は遅めの出発だったからか余裕でしたが、朝早い時間はきっともっと多くの人が乗車する可能性が高いです。時刻より早めに飯能駅に着くのがおすすめです。また、東飯能駅からも乗車可能ですが、ここで乗ると座れる確率はさらに低いです。

沢沿いの林道を歩く

10:55、準備を整えたら山歩きスタート。しばらくは舗装された車道が続きます。平坦でとっても歩きやすい!

味気ない道に見えますが、すぐ傍らには入間川の渓流が流れており、せせらぎの音がとても心地良い。川沿いに広がる大鳩園キャンプ場を眺めながら進みます。

バス停から15分ほどで分岐点。ここで右へと進みます。「通行止」の看板は車用らしいので大丈夫っぽいです。よく見ると、ウノタワ4.7kmという案内板もあります。

この先の登山道、現在は通行止めとなっています。全く通れないわけではありませんが、なかなかに険しいことになっています。突入する方は自己責任で。

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ちなみにここを右に曲がらずに進むと、鳥首峠登山口。こちらからもウノタワへアクセスすることができますが、鳥首峠前の上りがかなりハードとなります。

長い林道の終点へ

分岐の先もひたすら舗装された林道。やっぱり川沿いなので快適ですが、余裕ぶっこいているといつの間にか緩やかな上り坂になっています。意外と息が切れるポイントも。

分岐点から35分でまたも分岐。ここで左折するとウノタワ。ここから2.7km、1時間50分ほどとのことです。直進すると妻坂峠経由で大持山方面となっており、遠回りですがそちらからウノタワへ行くことも可能です。

この先も引き続き舗装された道が続きます。入間川からは離れていきますが、まだまだ快適。水が流れ出している箇所も多いので、ちょっとだけぬかるみ注意。

しばらく進むと、崖崩れで道が崩壊してしまっているポイントも。越えられないレベルではありませんが、要注意ポイントです。

(崩れた道路の見た目はなかなのヤバさを感じますが、正直なところこの先の山道の方がずっとずっとハードでした・・・。)

名郷バス停から1時間25分でウノタワ入口の看板が登場。ここからはやっと山道に変わります。10分ほどの休憩を終えて登山開始!トレッキングポールもここから導入、グローブも出しておこう。

山道を進んで苔の群落へ

すぐにゴロゴロと大きな岩が転がる沢沿いの道へ。道がわかりにくいのですが、基本的には沢の上流に向けて進んでいく感じです。

すぐに案内板の登場。ここからは沢沿いを離れて上っていきます。ウノタワまでは1kmとのとこ。もうすぐですね!

この先はなかなかシビアな上り。ガレ場を越えた先も、まだまだ急傾斜が続きます。道がよくわからなくなってきますが、とりあえずひたすら上りです。頼みの綱のピンクテープも小さくて見えなかったり、地面に落ちてたりであまり機能せず・・・。

しばらく登ったあたりで苔むした岩がたくさん転がるポイント。紅葉とのコントラストがあざやか!実はこの景色が見たくてこのルートを選んだのでした。

つらい急傾斜の上り坂

ここからの急坂はさらにハード!!傾斜がきつく、横向きじゃないと進めません。足元には大量の落ち葉が降り積もっているため、ずぶずぶと沈んでバランスが取りづらい。さらに落ち葉に隠れて不安定な石や木の枝が埋まっているためすぐに崩れていきます。

一歩一歩ゆっくり確かめながら進みますが、足場が崩れるため途中で進めなくなるということも多発。少し戻ったり、なんとか方向転換したり。1kmなんてあっという間と思ったのですが、全然先に進みません!!

少し休もうにも平らな場所なんて無いので、斜めに生えた樹木に体を預けます。崩れやすい斜面を登るのがこんなにツラいなんて・・・。きっともう少し上りやすいポイントがあるはずですが、落ち葉のせいで道の判断が難しい。

肉体的にもハードですが、ピンクテープが途切れたことによる道への不信感がさらに追い打ちをかけてきます。本当にこの道であってるのかな?もし登り切って間違いだったら立ち直れるでしょうか。そもそも間違いに気づけるでしょうか。不安は募ります。

何より、写真が1枚もないあたりでどれくらいヤバかったが察していただけるのではないでしょうか・・・!常にトレッキングポールを突くか木に掴まっているかで片手を空けることすらままならない状況でした。

たどりついたウノタワ

なんとか登りきった感じがあるのですが、ウノタワはどっち?ピンクテープは全く見つかりません。スマホは圏外ですが、方角的に左かなと予測を立てて進むと、山頂広場のような雰囲気のポイント。横たわる苔むした樹木がフォトジェニック。

そこからあたりを見渡すと、さらに広場っぽい場所が!きっとあっちだ!

14:05、ウノタワ到着。急な上り坂で大苦戦したため、名郷駐車場から3時間10分もかかりました。本来なら2時間15分なので、明らかにタイムオーバー。先ほどの上りで道を誤って進んでいた可能性がほぼ100%です。

ウノタワの正体は山の中に突然現れるクレーターのような窪地。写真だと伝わりにくいのですが、なかなか違和感のある地形です。

ウノタワ伝説を記した案内板もあります。それによると、ここにはかつて大きな沼があったそう。山の神様の化身である鵜が暮らしていましたが、猟師が誤って射ってしまいます。すると、鵜とともに沼は消滅。鵜の田からウノタワと呼ばれるようになったとか。

たしかに、この丸く凹んだ感じは沼があったといわれると納得がいきます。でも一晩にしてなくなったというのは不思議。また、現在も水が貯まっていないこと、草木が生えていないことも不思議です。

飯能駅のファミマで買ったチョコクロワッサン食べて、ひと休みしたら出発です!ここからは鳥首峠、白岩集落を経由して名郷バス停まで戻ります。続きはまた明日!

コメント

  1. […] […]

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