森とせせらぎに包まれた世界遺産『下鴨神社(賀茂御祖神社)』(京都市左京区)

京都府

京都がまだミヤコとなる前から鎮座する歴史の深い神社。境内は自然豊かな糺の森に包まれ、泉川や御手洗川といった小川が流れるとても清々しい雰囲気。水みくじやラグビーの聖地など、ユニークな見どころもあります。

訪問日:2021/9/26(日)

長い歴史を持つ神社

賀茂川と高野川に挟まれた土地に建つ下鴨神社。上賀茂神社の御祭神である賀茂別雷命の祖父神・賀茂建角身命と、母神・玉依媛命を祀ることから、正式名称は賀茂御祖(かもみおや)神社といいます。

そんな下鴨神社の歴史は非常に古く、京都に平安京が遷都される以前、すなわち京都が京(みやこ)に変わる前からこの地に存在しているとされる、京都最古の可能性がある神社の一つです。

詳しい創建年は明らかになっていませんが、崇神天皇7年頃、西暦にすると紀元前91年頃といわれています。もし事実であったならば、創建2000年を超える国内有数の歴史を持つ神社ということになりますね。

緑が美しい糺の森

木々が生い茂る参道。糺(ただす)の森という名が付けられた広大な原生林が広がっています。

その景観の美しさは古来より人々に愛されており、数々の詩歌や源氏物語などにも多く登場します。令和となった現代においても散歩している人の姿は多く、憩いの場といった雰囲気です。

御手洗川・泉川・奈良という4つの小川が流れており、常にせせらぎの音が聴こえてきます。なんとも爽やかな参道で、歩いているだけで心地よい気分になってきました。

柵に囲まれているのは2001年の発掘調査によって見つかった古代の祭壇跡・祭祀遺構。平安時代から江戸時代まで混在した遺構に加えて、縄文土器も発掘されたそう。古来よりこの地に人々が暮らしていたことを物語ります。

楼門を抜けてお参り

糺の森を抜けると、立派な楼門が見えてきます。高さ13mにも及ぶ大きな門で、重要文化財にも指定されています。朱塗りの姿は、下鴨神社を象徴する建築です。

中門をくぐると江戸時代初期の建築である幣殿が見えてきます。この奥には国宝に指定されている2つの本殿、東殿と西殿がありますが、一般参拝はここまで。

御本社の前には、小さな社が7つ。こちらは十二支の社で正式名を言社といいます。子年は大国主神、巳年と未年は大国魂神、寅年と戌年は大己貴命、といったように、7柱の神様が干支を司ります。

みたらし川で水みくじ

境内に流れるのはみたらし川。朱塗りの太鼓橋は輪橋(そりはし)がなんとも絵になる光景です。

せせらぎをたどると御手洗社こと井上社。土用の丑の日にこの川に足をつけ疫病を祓う「足付け神事」や、立秋前夜に行われる「矢取り神事」が行われる場所です。

そんな御手洗川で体験できるのが水みくじ。すぐ近くにある授与所にて300円納めてこちらの水みくじをいただき、御手洗川の水に付けると文字が浮き上がってくるのです。

試してみたところ、一瞬でぶわっと文字が出てきました!ちょっと文字がにじんで読みにくいところもありますが、この演出は凄くわくわくします。水に浸したおみくじは持ち帰るか結んで行くかどちらか。濡れているとちょっと結びにくいです。

みたらしと言えば「みたらし団子」!このみたらし川の底から自然に湧き上がる水泡をかたどってつくられた団子が、みたらし団子の起源とも言われています。

ラグビーとのつながり

様々な摂社・末社がありますが、中でもユニークなのがこちらの雑太社(さわたしゃ)

御祭神は神魂命(かんたまのみこと)という神様で、魂(たま)が球に通じることから、国内初のラグビーの練習が行われた記念すべき場所なのです。そのため、第一蹴の地として記念碑が建立。現在はラグビーの聖地とされています。

ラグビーボール型の絵馬も奉納されており、必勝や無怪我など、ラガーマンたちの様々な願いが込められています。

「さるや」でひと休み

楼門を出てすぐのところにある休憩処さるや。かき氷や和菓子を扱うひとやすみスポットです。

こちらは「葵の最中」。まるでハートのような御神紋の最中に大納言小豆葵をたっぷり挟んだ最中です。サックサクの最中と、ひんやり冷たい粒あんがとっても美味!(私はこしあん派なのですが、これは美味しく食べることができました・・・!)

他にも、葵祭に由来する「申餅(さるもち)」や、あずき味と抹茶味のアイスバー「氷の花」など、いろいろなメニューがあります。参拝後に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

アクセスと参拝情報

京都駅からバスで約30分のバス停《下鴨神社前》もしくはバス停《糺の森前》下車後、すぐ目の前。電車の場合は京阪電車の出町柳駅から徒歩12分。

車の場合は京都東ICより19分(渋滞が無ければ)。オフィシャルな西駐車場は本殿のすぐ近くにありますが、糺の森を抜けて参拝したい方は、周辺のコインパーキングに停めるのがおすすめ。(西駐車場は30分200円ですが、コインパーキングは40分200円のところもあります)

神社周辺の道は細い上にそれなりに交通量もあるため、いずれにしても駐車場の位置は地図で確認してから向かうのがおすすめです。

開門時間 5:30~18:00 ※季節によって変動あり
料金 無料
公式サイト https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

※掲載の情報は2021年12月時点のものです。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

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