博多の歴史と祭にかける情熱『博多町家ふるさと館』(福岡市)

福岡県

長い歴史を持つ博多の歴史と文化を今に伝えるミュージアム。伝統工芸の実演や、熱気あふれる祭の映像など、体感型のコンテンツも充実しています。知らなかった博多の姿に出会える場所です。

2021/4/28(水)

博多の町を伝える博物館

博多町家ふるさと館は、明治・大正時代を中心とした博多の人々の暮らしに焦点を当てたミュージアム。櫛田神社や福岡大仏など、見どころの多い祇園エリアに位置しています。

施設は、博物館となっている「展示棟」、博多織の実演や展示を行う「町家棟」、博多ならではの商品を扱う「みやげ処」と3つに別れています。このうち町屋棟は、明治時代に建てられた町家を移築・復元したもので、福岡市の指定文化財にもなっているそう。

体感型のミュージアム

展示棟では博多の歴史や文化を伝える展示が並んでいます。

明治・大正時代の博多の街を再現したジオラマ。右読みの横文字看板や、洋風建築など、レトロモダンな雰囲気の町並み。細部を見ると人形たちによる様々なヒューマンドラマも繰り広げられています。

こちらの黒い箱はのぞきからくり。かつてお祭りの余興として人気があったものを模した展示です。覗き込んでスイッチを押すと、大正時代のモダンな博多の様子が映し出されます。

ユニークなのが博多弁講座。壁かけのレトロな電話機の受話器を耳に当てると、博多弁の会話がスタート!最初は全く聞き取れませんでしたが、きちんとした解説もあって一安心。

博多の祭り

5月の博多どんたく・博多松囃子、7月の博多祇園山笠、10月の博多おくんちなど様々な祭がある博多。ここでは、映像やジオラマを通して様々な祭の様子を知ることができます。

シアターでは、博多祇園山笠の様子を映した映像を上映中。約16分の映像作品で、毎時00/30分に自動で上映開始。いつ来ても山笠の熱気を体感することができます。

職人たちが山笠を作り上げる様子から始まり、清めの神事、そして迫力の山舁(やまか)き、クライマックスの追い山へと繋がっていくドラマチックな内容。祭にかける情熱がこれでもかと伝わってくる作品です。

ノスタルジックな家屋

かつての屋内が再現されたエリアも。振り子時計やレコードプレーヤーなど今の家庭では見かけないものがたくさん。梁に架けられた明治天皇の肖像画が印象的です。そろばんや招き猫があるので、商人の家かもしれません。

こちらの伝承工房では、日本で初めてのコマ・博多独楽の工房の様子が作られています。たくさん並んだ絵具と絵筆は、いかにも「職人の仕事場」といった雰囲気です。

博多織の実演

町家棟は博多織の展示が並んでいます。博多の伝統的工芸品である博多織は、博多商人の満田弥三右衛門が中国で技法を習得し、持ち帰ったのが始まりと言われています。

博多織には「平博多」や「間道」など七品目と呼ばれる種類があります。密度が高く堅い生地のため、緩みにくく帯としての使用が適しているそう。

町家棟では、毎日11:00〜13:00と、15:00〜17:00の間に博多織の実演を行っています。職人さんが手足を使ってリズミカルに織り上がって行く様子は壮観で、ずっと眺めていられそうです。

なお、こちらの町家棟は入館料不要で自由に見学が可能となっています。

アクセスと営業情報

祇園駅から徒歩5分、もしくはJR博多駅から徒歩15分ほど。すぐ隣には櫛田神社があるので、セットでの訪問がおすすめです!

開館時間 10:00~18:00 ※7~8月は9:00~
休館日 第4月曜
料金 展示棟200円
公式サイト http://www.hakatamachiya.com/

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