美しい庭園がそろう十勝帯広エリア。そのうちの1つである真鍋庭園は、おとぎ話の世界に迷い込んだようなファンタジックなお庭が広がっています。モンスターが住む庭やツリーハウスなど、ただキレイなだけじゃないのも魅力の一つです。
ガーデン街道にある真鍋庭園
北海道に行ったらぜひとも行ってみたいのが大自然の魅力を体感できるのが庭園。大雪~富良野~十勝エリアには、ハイクオリティな庭園がいくつか存在しており、北海道ガーデン街道と呼ばれています。
公式サイトによると、『北海道の代表的な美しい8つのガーデンが集中している、大雪~富良野~十勝を結ぶ全長約250kmの街道です。』とのこと。街道の長さはなんと250kmというかなりの広範囲。これを「集中している」といってしまう北海道のスケール感覚はおそろしい・・・。
8つある庭園のうち、今回私が選んだのが真鍋庭園。帯広市街地からわずか4kmほどの街中にあります。周辺の道路は交通量も多く、「こんな市街地に庭園なんてあるのかな」と思うようなところにあります。
ジャジーでおしゃれなBGMが流れる園内へ。入園券を買うとおまけで花の種もらえます。カスミソウやコスモスなど8種類から選ぶことができ、どれも育成難易度は低め。私はヤグルマソウ(ヤグルマギク)にしました。
かなり広々とした園内は「30分のエゾリスコース」「45分のキタキツネコース」「60分のノウサギコース」と全部で3種類の散策ルートが設定されています。スケジュールや興味に合わせて調整できます。
今回は60分ノウサギコースでめぐってみました。
まずは日本庭園
園内を進み、最初に目に入るのはまさかの日本庭園。てっきり洋風庭園が広がっているかと思っていたのでちょっとびっくり。
真っ赤な傘とニシキゴイが和風な雰囲気を引き立てる。池に浮かぶ中島には、石を渡って上陸することができます。
観光スポットとして知られる全国各地の日本庭園の多くは、中国の思想や遠くの絶景への憧れがつまっているものが多いです。道教思想に基づき蓬莱島が造られていたり、琵琶湖や富士山を模した縮景をデザインしていたりと、様々な手法が見られます。
しかし、ここの庭園はそういったものは無さそう。そのお陰か、非常にさっぱりとした日本庭園です。
園内には、明治・大正と皇太子さまが休憩された真正閣という建築も移築されています。
メルヘンなヨーロッパ風庭園
エリアは変わり、ヨーロッパ庭園へ!旅行雑誌でもおなじみの真鍋庭園を代表する建築・赤屋根の家が見えてきました。まるでシルバニアファミリーのようなメルヘンチックな世界が広がります。
すぐ近くには記念撮影用のベンチも設置されており、赤い屋根の大きなおうちをバックに素敵な写真を撮ることができます。
「東屋(あずまや)」と呼ぶのはしのびない、おしゃれな雰囲気の休憩スポットもあります。このような西洋風の東屋を「ガゼボ」と呼びます。
中に置かれてるのは、木のベンチではなくふかふかのソファ!ヨーロッパ庭園の真ん中でソファに腰かけるなんて、なんと優雅なのでしょうか。アフタヌーンティーが欲しくなります。
ディープフォレストの世界
空高く伸びるのはグレーポプラのツインタワー。まるでゲートのように聳え立つ2本の木をくぐると、深い森へとつながります。
森の中に突然現れるのは展望デッキ。大きな2本のシラカバが突き抜けるように生えているのが印象的。
そこから見える景色は、どこまでも森林が広がる世界。帯広の市街地にあるとは思えない深い森を前に、どこかヨーロッパの国に来たような気持ちになります。
英国を感じるせせらぎ
森を抜けると、穏やかに流れる川が見えてきます。深緑色の川底の藻と黄緑色の川縁のコケで輪郭がぼやけて見える様子は、まるで印象派の絵画のような風景。
真鍋庭園のキャッチコピーに『これが日本か!』というコトバを見かけましたが、まさにその通り。曇った天気と相まって、イギリス郊外のように感じます。
川辺に広がる林の中に入ると、木立の中に隠れるようにリスの教会があります。小ぶりながら石造りでしっかりとしており、鐘も自由に鳴らすことができます。
木々の中を歩いていると、バサバサッと低い位置を飛ぶアカゲラに会いました!赤と白の派手なキツツキでコッコッコッと木をつつく音が森にこだまします。
モンスターガーデン
開園50周年を記念して造られたモンスターガーデン。ここには木でできたツリーモンスターがたくさん生息しています。
ドラゴンのような木や、まるで虫のような木、魔女のようなヒトガタに見える木など、様々な姿をしたモンスターツリー。見る角度によって様々な姿に変わるため、想像力が掻き立てられます。「これ何に見えるゲーム」したらとっても楽しそうです!
ちなみに私はツインテール、ザザーン、ムカデンダー、ワイアール星人を見つけました。
わくわくのツリーハウス
コース最後に聳え立つのは立派なシダレヤナギの木。
実は、よく見るとツリーハウスが造られています!ハシゴのような階段が設置されており、出入り自由。
ドキドキの階段を登った先にはベンチがあります。ただし、なかなかスリルがあるのであんまり心は休まらないかもしれません・・・!子供たちは楽しそうに駆け上っていますが、大人にはちょっとコワイアトラクションでした。
アクセスと営業情報
車の場合、帯広駅から約15分、とかち帯広空港から約20分ほど。
市街地にあるため、比較的車が無くてもアクセスしやすいスポット。帯広駅からバスで10分ほどの西4条39丁目から徒歩1分、西5条39丁目から徒歩5分ほど。本数もそれなりにあります。
開園期間:4月下旬~12月上旬 ※冬季は休園しています
料金:1,000円
国道からすぐのところにあるので小さな庭園かと思いきや、かなーり広々とした庭園で見どころもたくさんありました。
5月の訪問だったためまだ花はほとんど咲いていませんでしたが、花咲く季節にきたら、きっともっともっと素敵なのでしょう。
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