手柄山に建つ不思議な形の建造物、その内部は回転するレトロな喫茶店。腰かけて窓の向こうを眺めると、文字通り移り行く景色を楽しめます。ある時間になるとエヴァが出現します・・・!
姫路大博覧会の遺産
手柄山に建つ不思議な形の建築物。こちらは手柄山回転展望台。まるで宇宙船のような仕上がりは、多くの人の目を惹きつけます。
2つのアーチが交差するデザインは、愛知県一宮市にあるツインアーチ138が頭を過りますが、実際は、ロサンゼルス国際空港の管制塔を模して創られたそう。気になったので画像検索してみたところ、そっくりな写真が出てきました。
もともとこの塔は『姫路博テーマ塔』。スリラー塔やモノレールの遺構と同じく姫路大博覧会の遺産なのです。未来の鉄道のモノレールや、西洋の古城風なスリラー塔、そこにこんな近未来感あふれるデザインの展望塔が立っていたなんて、どれほど夢あふれるエリアだったのでしょうか。
内部はなんと喫茶店
展望台は「喫茶 手柄ポート」となっております。展望室内に喫茶店があるのではなく、展望室そのものが喫茶店。したがって、塔内に入るには何か注文する必要がありそうです。
エレベーター前に並ぶ食品サンプルがレトロ感あって良いですね!
店内は円周の外側に配置された座席部分が回転する仕組みで、1周約14分。
メニューはコーヒーやクリームソーダなどの各種ソフトドリンクに加えて、パフェ、トースト、カレーなどの食事メニューもそろっています。懐かしの喫茶店といった雰囲気のラインナップです。
お腹は落ち着いているのでレモンスカッ・・・いえここはちょっと昔の呼び方で「レスカ」にしました。回っていく外の景色を眺めながらひと休み。
360°広がるパノラマ
高さは約21mと小ぶりですが、山の上に立っているため見晴らしは抜群。遮るもののない360°のパノラマが堪能できます。
スリラー塔、姫路市立水族館、ウインク陸上競技場など手柄山の様々な施設が次々と目に入ってきます。あらためて、この手柄山は色々そろっているポイントなんだなと実感します。目を凝らすと木々の間に白く輝く姫路城もちらっとだけ見えました。
まっすぐに伸びる山陽本線の線路を行きかう電車を眺めているのも楽しいです。
座席がまわっている感じが不思議ですが、ゆったりとした動きなのでとても落ち着きます。今日は天気が良いので、ちょっと眠くなってきました。
新幹線ビュースポット
先ほど山陽本線と書きましたが、普通列車に限らず山陽新幹線も通り抜けるため「新幹線ビュースポット」でもあるのです。少しまどろみはじめた私に、お客で来ていたおじさんが話しかけてくるイベントが発生します。
『もうすぐエヴァ来るで!!!』
突然の出来事に、頭が追い付きませんでしたが、頭の中には「ダンダンダンッダン ダンダン」というティンパニーのリズムが鳴り響いてきました。
『まだや!』
『あと2分!』
『来た!!!』
紫色のエヴァが高速で通り抜ける!!!一瞬の出来事で、写真はぜんぜん上手く撮れませんでした・・・。
通りすぎたのはエヴァンゲリオン新幹線。山陽新幹線の全線開業40周年およびアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の20周年を記念して企画されたラッピング新幹線。突然のエヴァ襲来に展望台内部は、にわかに盛り上がりました。
この辺りでちょうどレジ&出口が見えてきたのでお会計。2週したので約30分ほどの滞在でした。
現在は閉鎖中
わくわくの回転展望台ですが、老朽化のため2018年3月25日に廃止が決定。52年の歴史に幕を閉じました。
当初は閉鎖に伴い取り壊される予定でしたが、「残したい」という声が多く寄せられ、モニュメントとしてそのまま存続することになったそうです。
特殊な形ですが、市民に愛されている展望台なのだと思います。きっと姫路博の思い出がつまっているのでしょうね。
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