おしゃれでアーティスティックな空気感が楽しめる香川県の離島。粟島港には校舎利用のアートスポット「粟島芸術村」をはじめ、様々な見どころが。今回は3時間半の滞在時間でふらっと港周辺を散歩してきました。
島めぐり計画はこちらの記事にて
にぎやかな粟島港
志々島から船に乗り、14:05に到着した粟島。粟島には「上新田港」と「粟島港」という2つの港があります。上新田港で下船して歩こうかなと思ったのですが、粟島芸術村や漂流郵便局でゆっくりしたい気持ちが勝り、最寄りとなる粟島港へ。港には旅客待合所と粟島総合開発センターが建っています。
港周辺の散策マップもあります!集落内の道は少々入り組んでいるため、写真に撮っておくのがおすすめです。
港のすぐ近くにある島コンたけうち(武内商店)。食料品や飲み物などがそろう、島の貴重な商店。GWということもあり、とてもにぎわっていました。
粟島芸術村
粟島芸術村は、アーティストたちが滞在しながら作品を制作、さらに展示も行っているアートスポット。毎週土曜日13:00〜16:00のみと限定されているので、旅程を組む際はご注意ください。
この施設は、閉校となった「旧粟島中学校」の校舎を活用しています。ノスタルジックな学校の雰囲気と、そこに置かれたアート作品のコントラストがあざやか。
床一面に広がるのは《船出の誇りとはなむけの島》。
粟島は3つの島が組み合わさり、スクリューのようなかたちをしています。ここではそんな粟島に似た3つの輪がある「総角結び」をたくさん集めて、大きな粟島が造られています。こちらは善通寺第一高校デザイン科による作品であるそう。
奥には漂着物を展示している部屋も。この漂流物、「ゴミ」ではなく「誰かの思い出のかけら」として扱われているのがユニーク。手袋もボトルもミニカーも、きっと誰かのもとで役に立ってきたのでしょうね。
巨大なクジラの骨
粟島芸術村には、イーゼルやテーブルが並ぶ部屋があります。
海洋汚染の重要性を啓発するミッションを抱え、海を探査する「タラ号プロジェクト」。ここでは、そのプロジェクトと、プラスチック汚染であるマイクロプラスチック問題に焦点を当てた展示が広がります。
このタラ号、科学者とともにアーティストも一緒に乗船します。2017年に乗船した大小島真木さんの作品がこちら。
作品名は《言葉としての洞窟壁画と、鯨が酸素に生まれ変わる物語》。海に浮かぶクジラの死骸から着想したという作品で、巨大なクジラの骨が安置された洞窟になっています。クジラの骨は実物ではなく、トイレットペーパー芯、壁は古新聞などを使用した紙粘土を使用して造り上げられました。
骨の中心には色鮮やかなサンゴの心臓。こちらは島のおばあちゃんたちの刺繍でできています。
壁一面に描かれた壁画はインドのワルリー族出身のアーティスト・マユール・ワイェダさんがこの島に訪れて描いたもの。人類の進化や様々な精霊が描かれた神秘的な作品です。
ル・ポール粟島
ル・ポール粟島は、粟島港から徒歩5分ほどのところにある宿泊施設。通常の客室に加えて、キャビンやバーベキュー場も備えています。
トイレ、自販機、お昼限定のカフェ、さらにはお菓子やお茶などのちょっとしたお土産も販売しています。宿泊利用者以外もふらっと立ち寄って良さそうな雰囲気。
おみやげコーナーの近くには、粟島オリジナルグッズも並んでいます。「粟島缶バッジ」や「粟島キャップ」、「粟島トートバッグ」、さらには「粟島いろはカルタ」まで。高校生、大学生がデザインしているそうです。
粟島海洋記念館
淡いグリーンがあざやかな木造建築。こちらは明治30年に建てられた日本最古の海員学校である旧粟島海員学校本館。
昭和62年に廃校となるも大切に保存され、現在は粟島海洋記念館として船舶機器や模型など様々な資料を展示しています。
離島の博物館は、珍しいモノに出会える可能性が高いので楽しみっと思ったのですが、建物老朽化のため全面立ち入り禁止。「2021年12月24日より当面の間」とのことで、再開はまだ決まっていないようです。
あわろは食堂
ル・ポール粟島、粟島海洋記念館の少し先へ進むと、海辺に立るあわろは食堂が見えてきます。
外観は小さなお店ですが、内部は意外と広々としています。高い天井がつくる空間はとってもおしゃれな雰囲気。店内BGMのビーチ・ボーイズもぴったりです。
島グルメがつまった「あわろは定食」や「あわろはプレート」、「あわろはベジ島カレー」などの食事メニュー。本日のケーキやパフェ、アルコールメニューなどもそろっています。
こちらは「あわろは漬け丼」。自家製タレに仕込んだ海鮮がのった丼。タイ、タコ、タイ&タコハーフの3種類があります。
なお、食器はすべて「やちむん」(沖縄の陶器)。メニューにもオリオンビールや泡盛、海ブドウなどもあり、沖縄色は濃い目です。
※5月~10月末の限定営業とのこと。また、人気店なので連休などは混雑することも。GWに訪問したところ、料理が出てくるまで30分くらいかかったので船の時間にはご注意ください!
ハイレベルなブイアート
港付近の入り江を見ると、謎の丸い物体が置かれています。
こちらはブイでできた「クジラ」。背中から潮を吹いているという手の込んだ作品です。
ブイアート自体は、離島や海辺の地域ではそれほど珍しくありません。しかし、ここ粟島に置かれているものは妙にハイクオリティ。
「お相撲さん」や「タコ」など発想がユニークなものや、「キリン」「ゾウ」など大型のものまで、そのバリエーションはとっても豊か。
人の頭に見立てたブイが温泉につかっている「長寿温泉」や「美人温泉」といった作品も。
インパクトがあるのがこちらの作品。多数のブイが合体した不思議な生物。耳や舌はイヌのようですが、ツノがあるため怪獣にも見えます。
今回は時間の都合で行けなかったのですが、上新田港周辺にある「ぶいぶいガーデン」にも多数の作品がそろっているようです。
漂流郵便局
粟島で一番人気の漂流郵便局。宛先不明な郵便物が集まるという、不思議な郵便局です。
さらっと見れれば充分かな、と思ったのですが、不思議な手紙に出会ってしまったため、かなり長い時間滞在していしまいました。長くなるので、次回の記事にまとめますね。
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