出羽三山にネコ稲荷!見どころたっぷりな信仰の山『信夫山』(福島市)

福島県

福島市の中心部にそびえる信夫山(しのぶやま)。摩崖仏が迫力ある「岩谷観音」、羽黒神社・月山神社・湯殿神社から成る「出羽三山」、ユニークな「ねこ稲荷」、そして抜群の眺望が楽しめる「烏ヶ崎展望デッキ」と1時間半でいろいろな名所をめぐってきました。

訪問日:2022/10/5(水)

福島市のシンボル・信夫山

福島駅の近く、熊野山、羽黒山、羽山の信夫三山から成る信夫山。かつては金山であり、さらに戦時中には旧陸軍の秘密工場であったという歴史もありますが、現在は信夫山公園として整備されています。

山内には様々な見どころがあり、神社をめぐったり展望台からの景色を楽しんだりと、楽しみ方は様々。標高は275mと低く、さらに車道があるため車で登ることができるため、カジュアルに楽しめる山です。

■福島の名前の由来?
戦国時代の武将・木村吉清が居城を大森城から杉目城に移した際、杉目を福島と改名、それが福島の地名の由来となっています。大森城から福島盆地を見下ろした際に、信夫山が島のように浮かんでいるように見えたことから「風が吹く島」、縁起をかついで「福島」と名付けたといわれています。

岩谷観音寺

最初に訪れたのは、信夫山東部に建立された岩谷観音寺。無料で自由に参拝することができます。

参拝者用に用意された数台分の駐車スペースからは、83段の急な階段を登ります。(数えました)

登った先には観音堂。平安時代末期から鎌倉時代にかけて、この地にいた豪族、伊賀良目(いがらめ)氏が聖観音を安置したことにはじまるといわれています。

そして観音堂のそばには岸壁に彫られた麿崖仏群!一体一体の規模はそれほど大きくありませんが、約60体もの摩崖仏が集まります。岩肌にびっしりと並ぶ姿は圧巻です!

出羽三山・羽黒神社

出羽三山とは羽黒山、月山、湯殿山の総称。山形県を代表する三社で、修験道の信仰の地でした。古来より山岳信仰の山として知られる信夫山にも、出羽三山を勧請した3つの神社が建立されています。

岩谷観音から車で山を登り、羽黒神社へ。すぐ目の前にある駐車場に車を停めたら、なかなかワイルドな参道を登ります。かつては立派な仁王門もありましたが、明治14年の甚兵衛火事で焼失してしまったそうです。

登った先には社殿。今は黒沼神社の摂社となっているそうです。

羽黒神社の見どころが、こちらの「日本一の大わらじ」。その長さ12メートル。写真だと一足に見えますが、反対側にはもう一足あり、一対のわらじとなっています。

引きで撮るとこんな感じで天高くそびえています。毎年8月に行われる奉納は、「福島わらじまつり」として福島を代表するおまつりとして知られています。

西坂稲荷神社(ねこ稲荷)

このあとは残る出羽三山の月山神社と湯殿神社へ向かおうとしたのですが、その前に羽黒神社のすぐ近くにあるねこ稲荷が気になったので立ち寄ってみることに。古民家西坂家の隣にあります。

このねこ稲荷の由緒はこんな感じ。

「信夫山の御坊(ごんぼ)狐」「一盃森の長次郎」「石が森の鴨左衛門」という信夫の三狐が悪さを繰り広げていました。ある日、御坊狐は鴨左衛門にだまされ、しっぽと神通力を失ってしまいます。お坊さんに諭されすっかりと改心した御坊狐は蚕を食い荒らすネズミを退治する、養蚕の守り神となったそう。

ねずみ退治するキツネの神様となったため、ねこ稲荷と呼ばれるようになったということでしょうかね。狐同士でだましあった結果という点もかなりユニークなお話です。

そんななこ稲荷には、ねこ写真がたくさん。こちらは「ウチのじまん猫・思い出の猫たち」。写真を持参して古民家で100円支払うとこちらに掲示してもらえるそう。期間は一年ですが、埋まった場合は古いものから外されてしまいますが、その後は古民家のフォルダにて保管されていくそうです。

みなさんとっておきの一枚を貼っていますので、見ているだけで楽しいです!

出羽三山・月山神社&湯殿神社

羽黒神社・ねこ稲荷から再び車に乗って、烏ヶ崎展望台の駐車場へ。

そこから向かう月山神社。先ほどの羽黒神社と同じく、やっぱりワイルドな参道。

こちらが月山神社の社殿。羽黒神社に比べると小さなお社ですが、内部ではロウソク風ライトがゆらゆらと揺れており幻想的。以前は石垣だけの石宮でしたが、昭和15年に現在の社殿が建立されました。

月山神社からさらに登り進めると湯殿神社。出羽三山では湯殿が奥の院であり、ここ信夫山でも最も奥地に建てられています。

社殿の裏は岩が並ぶ崖。かつて信夫山の山伏たちは、こういった場所で修験道の修行に励んでいたそうです。

烏ヶ崎展望デッキ

信夫山にはいくつかの展望台があり、市街地を広く見渡すことができます。中でも人気なのは烏ヶ崎展望デッキ。月山駐車場からは、ちょっとした山道を15分ほど登ります。途中には先ほどご紹介しました月山神社、湯殿山神社も。位置関係はこんな感じです。

木々が開けた先にあるこちらが展望台!デッキが敷かれており、開放感抜群です。雲がかかっておりますが、安達太良山や東吾妻山も見渡せます。

街の中に残されている森を発見。そのカタチから、もしかしたら古墳かなと思ったのですが、地図を見ると「一盃森」と呼ぶ場所のようです。あれ、どこかで聞いた名前・・・・さきほどねこ稲荷にて見かけた由緒に「一盃森の長次郎」という狐が出ていました。

この場所は西向きであるため夕陽スポットであり、さらに夜景スポットとしても知られています。

今日は曇なので夕日は少し無理そうですが、夜景ならば楽しめそう。このまま待機しようか迷ったのですが、今日は早朝から安達太良山に登っており、さらに今晩は栗駒山まで移動して翌朝から再び登山の予定。あまり無理せず、早めに切り上げることにしました。ということで、お腹がすいたので名物の「円盤餃子」食べに行きます!

ちなみに夜景鑑賞をご予定の方は、駐車場から展望台までの道は真っ暗になるようです。ライトのご用意をお忘れなく。

コメント

タイトルとURLをコピーしました