マグマが作り上げた自然のアート『鬼押出し園』5つの見所(嬬恋村)

群馬県

流れ出て固まった溶岩によってできた奇勝・鬼押出し。まるで地の果てに来たようなゴツゴツとした岩が広がります。壮大なパノラマが見渡せる展望台や舞台が広がる観音堂、高山植物やヒカリゴケなど、見どころはたっぷり。

※2022/12/12(月)~2023/2/28(火)の期間は臨時休園となっています。2023/3/1営業再開予定とのことですが、最新情報は公式HPにてご確認ください。

訪問日:2018/9/23(日) ※掲載内容および写真は訪問時のものです

嬬恋村を代表する観光スポットの一つ、鬼押出し園(おにおしだしえん)。園内の散策コースはいくつかに別れており、モデルコースを見ると30分~60分くらい。予定に合わせて選べます。

今回は、表参道を通り、観音堂、見晴し台、高山植物観察コースをまわる、約40分のコースにしました。

見所その1『奇岩の風景』

園内全域に無骨な岩がゴロゴロと転がっています。小さなものから巨岩まで、見渡すかぎりに岩場が続く光景はかなりの迫力。この岩の正体は、1783年(天明3年)の浅間山噴火の際に流れ出た溶岩が冷えて固まったもの。これだけ大量の溶岩が流れ出るというのは、いったいどれほどの規模であったのか・・・・。凄さとともに恐ろしさも感じます。

ところどころ休憩所があるのですが、まるで噴火の際の避難小屋のような趣きです。

かつて鬼が住んでいたという浅間山。「鬼押出し」という呼び名は、そんなところから自然発生的についた名前だそう。幸い天気が良いので美しい風景ですが、曇り空に雷でも轟いていたら、金棒を携えた鬼がぬーっと岩影から出てきそうです。

立ち並ぶ岩たちは、まるで生き物のよう。そう思っていたら、名前の付いた岩をみつけました!こちらは「ぞうさん」。確かに左を向いたアフリカゾウみたいですね。

これ以外にも、奇岩がてんこ盛り。名もなき岩の名前を勝手に考えてみたりしても楽しそうです!

見所その2『壮大な展望』

標高1,300mほどの高原にある鬼押出し園。ところどころに展望スポットがあり、見渡す限りの広大な景色を見ることができます。

大きな四阿山(あずまやさん)の麓には、まるで北海道や久住高原のようなパノラマが広がります。軽井沢おもちゃ王国のカラフルな観覧車もとても目立ちます。

入口近くの展望台で「愛妻のベンチ」なるものを見つけてしまいました。そこに書かれているのは「注意:高温」の文字・・・!修学旅行生が盛り上がりそうです。

見所その3『ヒカリゴケ』

園内を散策していると、溶岩を覗く人の姿が。隙間に何かがあるのでしょうか?

ここはヒカリゴケの生息ポイント。覗いてみると、ぼやっと緑色に光るヒカリゴケの姿を見ることができました。

ヒカリゴケは自身が発光しているわけではなく、洞窟内のわずかな光を反射して輝きます。シーズンは5月中旬から10月下旬くらいまでとのこと。

ちなみに、ある行いをした人間の背後には、ヒカリゴケのような光のわっかが見えるといいますが、その行いとは・・・・(武田泰淳の「ひかりごけ」より)

見所その4『浅間山観音堂』

鬼押出し園の中心にあるのは、天明3年の噴火による犠牲者を弔うために建立された観音堂。岩の中に建つ朱色のお堂は雰囲気抜群です。

お堂の前には舞台が広がっており、そこに立てば壮大な景色が出迎えてくれます。

金色に輝く葵の御門を見つけました。これは徳川家の紋。徳川と何か縁があるのでしょうか?

案内板によると、この観音堂は東京上野にある東叡山寛永寺の別院。寛永寺は江戸幕府の歴代将軍のうち6人が眠る徳川家の菩提寺。舞台のように広がる懸造りも、上野の清水観音堂にそっくりです。

見所その5『高山植物』

多様な高山植物も観察することができる鬼押出し園。しかし、その多くが花をつけるのは春から初夏。9月の終わりに訪問したところ、ほとんど花がありません。

わずかに残っていたアキノキリンソウ。名前の通り秋に咲くキク科の花。よく見ると小さな甲虫が付いています。

ぎりぎりで白い花を咲かせているのはヤマハハコ。正確には白いのは花弁ではなく、苞(ほう)というつぼみを包んでいた葉っぱらしいです。

こちらは「石割の松」。岩から生えてきています!樹齢は100年くらいとのことです。この松は、この先どうなってしまうのでしょう。あと数十年もしたら岩を割ってしまうかもしれません。

アクセスと営業情報

軽井沢駅からバスで約40分、中軽井沢駅からバスで約30分。車の場合は上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから約45分。「峰の茶屋」から鬼押ハイウェーという有料道路を通って行くのが一般的です。回避していくルートもありますが、眺めも良くて快適なドライブウェイなので、どうしても節約したい人以外は乗ってしまうのがおすすめです。

開館時間 8:00~17:00
休館日 月曜
料金 650円
公式サイト https://www.princehotels.co.jp/amuse/onioshidashi/

※掲載の情報は2022年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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