飯テロ要注意なミュージアム『御食国若狭おばま食文化館』(小浜市)

福井県

古来より「御食国(みけつくに)」として繁栄してきた若狭の食文化を中心に、寿司やお雑煮といった日本の伝統を伝えるミュージアム。リアルな食品サンプルがたっぷりと並んでいるため、空腹時の訪問は非常にキケンな博物館です。

訪問日:2022/4/29(金)

食文化のミュージアム

「御食国」というのは、朝廷に海産物などの食料を貢いでいた国のこと。ここ若狭小浜からは、サバをはじめ、タイやコンブ、アワビなどの海産物が京都に届けられていました。

そんな、古来より食文化の歴史が息づく小浜の街につくられたのが御食国若狭おばま食文化館。蘇洞門めぐり遊覧船乗り場のある若狭フィッシャーマンズ・ワーフや小浜漁港のすぐ近くに建っています。

若狭の食文化をはじめ、日本の食文化について学べるミュージアムが入っており、気軽に体感することができます。入館料はなんと無料!小浜の観光施設は無料ばっかりですごい。

■その他の御食国
御食国と呼ばれていた国は、ここ若狭の他には、アワビやサザエを納めていた「志摩」、雑魚を納めていたという「淡路」などがあります。この3国に該当する自治体である小浜市、伊勢市、鳥羽市、志摩市、洲本市は御食国であった歴史を観光資源としており、「御食国サミット」も開催しているそうです。

大量の食品サンプル

ここの特徴は大量の食品サンプル!様々な食文化がリアルなサンプルで紹介されています。

鯖ずしやしめ鯖、鯖の味噌煮など、若狭小浜の名物がたっぷり。かなり精巧につくられているので、どれも物凄く美味しそう。空腹時はとってもキケンな展示内容です。

こちらは「へしこ」と呼ばれる、サバの糠漬け。1ヶ月ほど塩漬けし、その後糠漬けして半年以上かけて作るそう。食べてみたいけど、なかなか勇気が出ません。

日本のすしのヒストリー

日本を代表する食文化・すしの歴史が食品サンプルで展示されています。

最初のすしといわれる「なれずし」。塩魚と米を発酵させて作っていました。この頃はまだお米は食べずに魚だけを食べていたそう。時間をかけて発酵させるため濃厚な旨味が特徴で、保存性も高いとのこと。食べてみたいけどちょっとこわい。

やがて、調味料を加えて仕上げる「姿ずし」や木箱に詰めてつくる「押しずし」、柿の葉でつつんだ「柿の葉ずし」など見慣れた形に。なれずしに比べると保存性は低いですが、発酵を待たずにすぐ食べられるのが特徴です。

そして「巻きずし」「握りずし」「ちらしずし」といったいわゆる現代のすしの形へ。すし食べたいです。

各地で異なる雑煮

お正月の代表的なグルメ、お雑煮。この文化は京都で広まり、参勤交代を通して全国に普及したといわれています。

一言で雑煮といっても、そのバリエーションは様々。西は丸餅、東は角餅というのは有名ですが、それだけではおさまりません。例えば写真左側の仙台市は焼きハゼで出汁をとり、具材も焼きハゼが一匹乗ってます。右側の男鹿市はゴボウ岩海苔がのっかります。

小浜市の雑煮は丸餅で味噌らしい。味噌の雑煮って全然イメージつきませんが、絶対美味しい気がします。

鳥取・出雲ではあずき汁!これは雑煮なのか、ぜんざいではないなかとも気になります。お雑煮食べたいです。

その他の見どころ

食文化だけでなく、若狭の歴史を伝える展示も。館内には、再現された町家が。瓦屋根に格子戸など、イメージ通りの町家の姿。2階部分には虫籠窓(むしこまど)や卯建(うだつ)もあります。

こちらは浜の小屋。江戸時代より名産として知られる若狭鰈(わかさがれい)を加工する様子をマネキンで再現しています。

鯖街道をサバを背負って運ぶ姿を表した人形は、「魁 十八(さきがけ とおはち)」という名が付けられています。誰よりも先駆けて京都にサバを運んでいたことから、また、「京は遠ても十八里」というフレーズから名付けられたそう。

床には何やらマス目が描かれています。鯖街道は全部で3ルートあったのですが、これは鯖街道を表したスゴロク。遊びながら歴史や自然などいろんな知識がついていきます。

他にも食品サンプルづくりや箸の研ぎ出しなどの体験メニューも。そして、ここにもやっぱりオバマ氏の姿が・・・!

濱の湯と濱亭

ミュージアムを見学した後は、同じ建物内にある温泉施設「濱の湯」への立ち寄りもおすすめ!
グリーンのお湯がインパクトある「アマモ風呂」をはじめ、オーシャンビューな露天風呂やサウナなども備えています。

さらに「濱亭」というレストランもあります。さすがに「なれずし」はありませんが、おろしそば&焼き鯖寿司などのご当地グルメも楽しめます。ソバもサバも名物だけあって、想像よりも美味しかったです!

アクセスと営業情報

小浜駅から徒歩20分ほど。市内をめぐるバスは付近には停車しないので、歩きたくない方はタクシー利用となります。

車の場合は小浜ICから約10分ほど。駐車場は道路を挟んだところにあり、無料で利用できます。

開館時間 9:00~18:00 ※11~2月は17:00まで
休館日 水曜、年末年始
料金 無料
公式サイト http://www1.city.obama.fukui.jp/obm/mermaid/

※掲載の情報は2022年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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