隠岐諸島めぐり3つ目の島は、海士町に属する中ノ島。1本目の記事となる今回は、簡単な島の紹介とアクセス、島での移動手段について。独特な響きを持つキンニャモニャについてもさらっと書かせていただきました。
中ノ島ってどんな島?
隠岐諸島に属する中ノ島は西ノ島(西ノ島町)、知夫里島(知夫村)とともに島前三島と呼ばれる島です。面積は約32㎢、人口は約2,200人。全島が海士町(あまちょう)に属しており、基本的には中ノ島という名称よりも自治体の名前で呼ぶことが多いです。
※正直なところ「中ノ島」と呼んでいる人には会ったことがありませんが、記事を書く上で扱いやすいので「中ノ島」と表記させていただいてます。
かつて承久の乱に敗れた後鳥羽上皇が配流された島として知られており、島内にはそれにまつわる神社や史跡が残されています。また、海の中を覗くことができる遊覧船「海中展望船あまんぼう」も人気のアトラクションです。
中ノ島へのアクセス
中ノ島へは本土の七類港からフェリー、高速船にてアクセスすることができます。
七類港発 | 菱浦港着 | 所要時間 | 料金 | |
---|---|---|---|---|
フェリーおき(七類) | 9:00 | 13:15 | 4時間15分 | 3,510円(2等) |
フェリーくにが(七類) | 9:30 | 12:40 | 3時間10分 | 3,510円(2等) |
高速船レインボージェット(七類) | 16:50 | 18:36 | 1時間46分 | 6,680円 |
※掲載の情報は2022年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
便によって島をめぐる順番が異なるため、所要時間がだいぶ変わるのでご注意を。船を選ぶ際は、到着時間もしっかり確認してからがおすすめです。
また、境港からも隠岐諸島行きのフェリー・高速船が出港していますが、いずれも中ノ島には寄港しません。もし境港から向かう場合は、西ノ島(西ノ島町)へ渡った後、島前三島をめぐる島前内航船を利用することでアクセスすることができます。
フェリーくにが乗船記はコチラ!
玄関口は菱浦港
中ノ島の玄関口となるのが菱浦港。フェリー、高速船、島前内航船と観光客が利用する全ての船がこの港へと寄港します。
フェリーターミナルはキンニャモニャセンターという名で呼ばれています。2階建ての立派な木造建築で、館内にはレストランやお土産屋さんなども入っており何かと便利な施設。
「海中展望船あまんぼう」の受付やレンタサイクルなどを扱う観光協会もこちら。この観光協会では、なんと荷物を無料で預かってくれます。もう一度言います、無料です・・・!!
なんて旅行者に優しい島なのでしょうか。
島内の移動手段
どこへ行くかによっても変わってきますが、それなりに広い島なので何か移動手段があると便利。
レンタカーは3時間5,000円~となかなか高価。ひとり旅だと少し利用しにくいお値段です。島内巡回バスもありますが、本数はそれほど多くないのでピンポイントな移動向け。
というわけで、軽くめぐるならばレンタサイクルがおすすめ!港の観光協会にでシティサイクルは3時間700円~、電動アシスト自転車は3時間1,200円~、そして電動スポーツバイクのE-bikeは3時間2,600円~にて借りることができます。
メインとなる観光スポット、隠岐神社・後鳥羽院資料館までは港から約15分。体力と時間にヨユウがある方は、明屋海岸まで約40分でアクセスできます。
ということで自転車を借りて島内観光へ!と行きたいところですが、その前に予約していた朝イチの「海中展望船あまんぼう」に乗船します!
キンニャモニャって何?
さてさて、菱浦港の際にしれっと書いてしまいましたが「キンニャモニャ」という不思議な響きの言葉が気になるのは私だけではないはず!
このキンニャモニャというのは、隠岐民謡の「キンニャモニャ節」から取られています。8月に開催されるキンニャモニャ祭りでは、老若男女みな総出でしゃもじを両手に持って踊るそうです。港には、そんなキンニャモニャの様子を象った像も設置されていました。
さらに、海士町のお土産として人気なのがキンニャモニャ饅頭。粒あんがぎっしりと詰まったお饅頭で、1つ1つ手作りでつくられているそう。
お饅頭には「キンニャモニャ」という焼き印が押されているのですが、たまに「チンニャモコ」になっているものも!均一に造られた工場生産品も良いですが、こういうのもなんだか味があって楽しいです。
UターンとIターン
過疎化というのは多くの離島が抱える悩み。しかし、この中ノ島はそんな人口減少にストップをかけることに成功した貴重な離島として知られています。非常にユニークだと思いますので、最後にさらっと紹介させてください。
人口減少に歯止めをかけたのが、進学や就職で島の外へ出た人が島に戻り暮らす「Uターン」と、島出身では無い人が島へ移住した新たな生活を送るという「Iターン」。行政が身を切る覚悟で動き、「定住を求めない」ことで移住者に過剰な期待を寄せない・・・様々な戦略が功を奏し、現在では人口のなんと2割もの人がIターンで訪れた人とのこと。
実際に島内を観光していると、島外から来たという若い人に多く会いました。また、若い人材を積極的に採用し挑戦する環境を整えた結果、さまざまな島の名産品の商品化に成功。お土産屋さんで見かけるものも、おしゃれで購買意欲をそそられるものが多い印象。人気の「さざえカレー」もよくできたデザインです!
なんだか活気があふれた島ですが、移住者の定着率が高いため「人さらいの島」なんて呼ばれることもあるそうです。
島の魅力にふれすぎると、うっかり移住したくなってしまうかもしれませんね。
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