宅配便のパイオニア『ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム』(港区・品川)

東京都(23区)

日頃からお世話になっているクロネコヤマトの歴史を学ぶことができるミュージアム。明治時代に開業した当初の姿や、今やスタンダードになった個人宅配便である「宅急便」スタートの経緯など様々なヒストリーを知ることができる施設です。

訪問日:2024/2/21(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

100周年記念のミュージアム

クロネコヤマトミュージアムは、ヤマト港南ビルにある博物館。2019年11月29日に創業100周年を記念して設立された企業ミュージアムです。

予約などは特に不要。開館時間内に受付に進み、名前・電話番号・人数を記入するとこちらの入館証をいただけます。受付の近くには無料のコインロッカーもあります。

まずはエレベーターで6階へ、そこから外周のスロープを下りながら見ていくタイプの博物館。写真撮影は基本的にNGですが、何ヶ所か可能なポイントがあります。

ヤマトのヒストリー

まずはヤマトグループの歴史から。ヤマトが発展していく様子が写真やパネルでわかりやすく紹介されており、読み進めていくとその非凡なヒストリーを体感することができます。シアタールームもあり、「100年のあゆみ」という見ごたえのある映像作品も上映されています。

1919年、創始者である小倉康臣によって銀座の地に開業した大和運輸株式会社。当時日本に204台しかないうちの4台のトラックを購入してスタートした、日本初の貨物自動車専門の株式会社でありました。「大和」という名は、康臣がかつて働いていたという薪炭商の屋号「山登屋」にちなんでいるそう。

鮮魚配送、高尾山乗合自動車(バス)などを経て、本社〜横浜間にて定期小荷物輸送を開始します。他にも「ミイラの梱包」や「マッカーサーの引越」など、ちょっと変わった仕事についても紹介されており、引き込まれる内容でした。


この有名なネコマーク誕生のきっかけについてのエピソードも紹介されています。日本全国の駐留軍人の家財梱包輸送業務のため、アメリカの大手陸運会社アライド・ヴァン・ラインズ社と提携した際、同社の親猫が子猫をくわえたマスコットマークを見て運送業者の心構えとして深く共感。許可を得て独自のマークを作り上げたそうです。

画期的なサービス・宅急便

会社の危機を乗り越えるため、個人が利用できる宅配便事業「宅急便」をスタート。最初はわずか11個という小規模からのはじまりでしたが、今ではもう当たり前のサービスに変わっていますよね。

ちょっとした体験も楽しめるのが「宅急便が届くまで」というエリア。並んでいるのは、歴代の制服制帽。この制服制帽を纏うというスタイルは、トラック運送業界では前例のないことであったそうです。

こちらはSD(セールスドライバー)が持つ端末。専用の機械から、携帯電話型、そして最新型のスマートフォンタイプまで。時代に合わせて変化していく様子を感じとることができます。

実際に積み込み作業を体験できるコーナーもあります。かなりの数の荷物があるので、なかなかタイヘン。積み方のコツもモニターで紹介しています。

アイディアが詰まったトラック

館内には町なかでよく見かけるヤマトのトラック「クイックデリバリー」も展示されています。実際に運転席に座ることもできるので、お子様は喜びそうです。

実はこちら「ウォークスルー車」と呼ばれる画期的なトラック。スペースをとらないスライドドア、大きなフロントガラス、そして運転席から荷室へウォークスルーで移動できるという非常に利便性の高い車なのです。

荷室にはクール宅急便のためのキャビネットも備えています。なんかもう普通に人が暮らせそうな車です。旅行好きとしては、この車があればどこでも車中泊で生活できそうに感じてしまいます。

このスペシャルなトラックは、2代目社長・小倉昌男の「よいトラックとは、働きやすい車」という考えのもと、トヨタ自動車と共同開発されたもの。「トヨタ・クイックデリバリー」というのが正式名称のようです。

普段ヤマトのトラックを気にすることなんてなかったのですが、これからは見かけるたびにいろいろ気になってしまいそう・・・と思ったのですが、実は2016年を最後に生産が終了しているようです。その理由は、クール宅急便のニーズが増加したことや、宅配便の荷物サイズが大型化したことなどがあるそう。時代に合わせて次々と変化していくその姿勢こそが、ヤマトの最大の強みなのではないでしょうか。

アクセスと営業情報

JR線・京急線の品川駅より徒歩10分。東京モノレール・りんかい線の「天王洲アイル駅」より徒歩15分。

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜 ※祝日の場合は翌日
料金 無料
公式サイト https://www.yamato-hd.co.jp/museum/

※掲載の情報は2024年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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