貴重な国会体験ができるミュージアム『衆議院 憲政記念館』(千代田区・永田町)

東京都(23区)

国会議事堂の近くにある、国会を学べるミュージアム。三権分立や国会ってそもそも何をしているのかなど、普段はなかなか知ることのできない非常にレアな内容の展示が広がります。一角には衆議院本会議場の再現コーナーもあり、議員気分を味わうこともできます。

訪問日:2024/1/28(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

国会議事堂傍の資料館

憲政記念館は国会や憲法について知ることができるミュージアム。国会開設80年を記念して、1970年に設立、1972年に開館した施設。1960年に建てられた「尾崎記念会館」を前身としています。

新たに国立公文書館と憲政記念館の合築施設を建てることになったため、2022年に現在の代替施設へ移動しました。国会議事堂のすぐそばにあるため、建物の見学や国会前庭と合わせて訪問するのもおすすめです。

なお、道路に面している建物は「国会参観バス駐車場」の休憩所。そこを通り抜けた奥にある建物が憲政記念館です。ちなみにこの休憩所内には「国会ギフト 思い出屋」という、非常に個性的な商品を扱うお店が入っています。

憲政の歴史がわかる展示

出迎えるのは板垣退助、大隈重信、伊藤博文の銅像写真パネル。この3人の像は、国会議事堂の中央広間に設置されているそう。床のグラフィックもまた中央広間の床のモザイク模様を再現しているとのことです。

こちらのモニターは憲政史シアター。「憲政の歩み」という21分の映像が上映中です。明治時代に入り憲法ができ、立憲政治が確立していく歴史を学ぶことができます。

「憲政の歩みコーナー」では、明治維新から帝国憲法の制定によってはじまる立憲政治や、「普通選挙の実現」「軍部の台頭」「戦時体制の強化」「国際社会への復帰」などのテーマに合わせたパネルと資料を展示。順になっているため、見出しを追うだけでも全体の流れを掴めます。

知られざる国会の内部

ずらりと並んだ木札のようなもの。こちらは議員登院表示盤といい、1988年まで衆議院玄関に置かれていたもの。議員は自分の札を赤地から黒地へ変えることで登院したことを示していました。現在はタッチパネル式のものが利用されているそうです。

壁に掛けられたのは「めくりクイズ」。「国会は何の最高機関とされているか?」「選挙で投票できるのは何歳から?」など、社会の授業を思い出すようなラインナップ。私はぜんぜんダメでした。

衆議院議場の1/30模型もあります。「議長席」や「内閣総理大臣席」などのボタンがあり、押すと光る仕掛けもあります。テレビで見かける衆議院議場、あそこに座っているのは何者なのかも知ることができます。

他にも議員が胸に付ける議員記章や、会議録の作成の流れなど、普段知ることの無い国会について学ぶことができます。

レアな議場体験コーナー

館内の一角には、衆議院本会議場を3/4で再現した議場体験コーナーもあります。教科書やテレビでおなじみの議場。実際に席に座ることもできるのです。

備えられているのは2色の木札。賛成の場合は白票(白い木札)、反対の場合は青票(緑色の木札)を投じるそう。

こちらの謎の記号は「速記符号」。速記者は議長席のそばの席に座り、発言をこの符号を用いて記録していくそう。こんな符号があったことも驚きですが、これを全て覚えたうえでハイスピードで記録するというのもスゴ技すぎます。

憲政の神様・尾崎行雄

憲政記念会館は、前述の通りもともとは尾崎記念会館という施設でした。この尾崎というのは、憲政の功労者・尾崎行雄。館内には尾崎メモリアルホールという展示室があり、どのような人物かを知ることができます。

議員としてなんと60年7ヶ月という非常に長い期間在職、「当選回数」「議員勤続年数」「最高齢議員記録」と複数の日本記録を所持しており、「憲政の神様」「議会政治の父」とも称されるそう。

こちらの受話器、ボタンを押すと尾崎行雄の肉声を聴くこともできます。流れてくる内容は「普通選挙について」。普通選挙運動に参加、芝公園で演説を行っていたそうなので、もしかしたらそのときの演説を録音したものかもしれません。

アクセスと営業情報

・東京メトロ有楽町線、半蔵門線、南北線の「永田町駅」2番出口より徒歩5分
・東京メトロ丸の内線、千代田線の「国会議事堂前駅」2番出口より徒歩10分

開館時間 9:30~17:00
休館日 毎月末日、12/28~1/4
料金 無料
公式サイト https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kensei/kensei.htm

※掲載の情報は2024年1月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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