橋が架かり気軽にアクセスできるようになった大島。早朝のドライブで島内の観光名所を巡ります!亀山展望台、みちびき地蔵、田中浜の廃船、龍舞崎を、さらっと1時間半ほどで見てきました。
気仙沼大島大橋で気軽にアクセス
気仙沼大島は、宮城県気仙沼市に属する離島。面積8.5㎢で人口は2,500人程。面積・人口ともに東北地方最大の島です。通常は「大島」と呼ばれていますが、同名の島が日本各地にあるため、区別する目的で気仙沼大島と呼ばれています。
2019年に気仙沼大島大橋(鶴亀大橋)が完成し、本土と陸続きに。ドライブ感覚で気軽に訪問できる島となりました。
今回は早起きして朝6:00頃に訪問。霧雨が煙る中での島内めぐりとなったため、景色はやや暗めとなっています。
最高峰の亀山展望台
気仙沼大島を代表する観光名所が標高235mの亀山に設置された亀山展望台。人気のスポットですが、車でのアクセスは注意が必要です。
山頂まで車道が伸びているのですが、その道は細くすれ違い困難。そのため、通常はマイカー規制のお願いが行われています。少し下の亀山駐車場(500円)に停車し、そこから徒歩20分ほどで登るか、シャトルバス(3月~11月限定)に乗車するか、いずれかになります。
ただし、基本的に規制を行っているのは9:00〜17:00とのこと。特にゲートなども無いため、それ以外の時間ならば車で上まで行くことはできます。今回は前述の通り、早朝の訪問で車どころか人の姿も無いため、上まで行かせてもらいました。
山頂にはレストハウスがあります。中にある売店では、潮うにおにぎり、ブラッククリームソーダ、ぽこぽこアイスクリーム、本気の亀山ソーダなどユニークなメニューをたくさん扱っています。
展望台まではレストハウスとなりの階段の先を5分ほど登ります。途中でカモシカの赤ちゃんも見かけました。
登った先にはウッドデッキの展望台が設置されています。島の最高峰から見渡す景色は絶景!と言いたいところですが、見ての通り真っ白な世界。天気が良いと気仙沼市街地はもちろん、海に浮かぶ金華山や遠く栗駒山まで見渡せるそうです。
展望台から少し降りたところには愛宕神社もあります。霧の中に佇む姿は幻想的です。
魂が訪れるみちびき地蔵
続いて向かった先は、田中浜の近くにあるみちびき地蔵。ずらりと6体並んだお地蔵様。大きさは1mほどで、それぞれの手には様々なものが握られています。
このお地蔵様がみちびき地蔵かと思ったのですが、どうやら奥の地蔵堂に安置されているお地蔵様の方がみちびき地蔵のようです。
気仙沼大島には、これから亡くなる人の魂がその前日にみちびき地蔵の前に訪れるという伝承があります。
かつてこの島に暮らしていた母子が、地蔵の前で多数の村人や家畜の魂を見かけます。旦那にそのことを説明するも、全く信じてもらえません。その翌日、巨大な津波が押し寄せてくるのを見た母は、家族で山頂へ避難。無事一命をとりとめましたが、昨日魂を見かけた村人や家畜はすべて流されて亡くなってしまったそう。
少し怖い話に感じますが、みちびき地蔵に魂が訪れるのは、亡くなった後に天国へ行けるように挨拶するためとのこと。この話は『まんが日本昔ばなし』でも取り上げられており、なかなか怖い雰囲気に仕上げられていました。(気になる方は、YouTubeで検索すると見ることができますよ・・・)
田中浜の廃船
田中浜は弧を描いた美しい砂浜。飛び込みたくなるビーチですが、離岸流がありキケンなので遊泳は禁止となっています。
ここに来た目的は、砂浜に打ち上げられた廃船。錆びつき横たわる姿はどこか寂しげにも見えます。
この田中浜がある辺りは、島の幅が最も狭い地域。さらには標高も低いため、東日本大震災の際には津波により沈んでしまったそう。その際に多くの瓦礫が流れ着き、水が引いた後もそれらは砂浜に残されました。
この廃船も、そんな漂着物の一つ。所有者も不明のため、撤去されることなく、風化していくのをただ待っています。
迫力ある地形が広がる龍舞崎
気仙沼大島ドライブの最後に向かったのは、島の最南端にある岬、龍舞崎(たつまいざき)。駐車場にはお土産とお食事処のお店があります。龍舞崎まではここから徒歩7分ほど。未舗装ですが歩きやすい道が続いています。
見えてきたのは龍舞埼灯台。白亜の姿が美しい灯台です。
その先に広がるのは海の上に奇岩が立ち並ぶダイナミックな景色。
本日は悪天候のため、激しく荒れる勇ましい姿。打ち寄せる荒波を舞い上がる龍に例えてこのような名前がついたそうですが、今日はまさに龍のような力強い海を見ることができました。
なお、この近くには「乙姫窟」という海蝕洞があるのですが、2022年10月時点では立入禁止となっていました。
気仙沼大島ウェルカム・ターミナル
帰り際にふらっと立ち寄ったのが気仙沼大島ウェルカム・ターミナル。・・・ですが、時刻は8:00頃だったため、まだオープンしておりませんでした。
名産品の直売所や観光案内所などが入った、道の駅のような施設。海鮮メニューなどを扱う飲食店も並んでおり、お昼休憩にも良さそう。4月~11月の土日祝日は、すぐ近くの浦の浜発着所より「気仙沼ベイクルーズ」も運行しています。
ここ浦の浜は、船でしかアクセスができなかった頃に玄関口であった場所。架橋とともに廃れることなく、新たな賑わいを感じさせてくれる姿はちょっとだけ感動的でした・・・!
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