圧倒的なスケール感!ミステリアスな巨大空間『備中鐘乳穴』(真庭市)

岡山県

鍾乳洞激戦区とも呼べる新見・真庭エリアの中で、ひときわ神秘的な雰囲気を放つ鍾乳洞。地中でありながらも開放的な空間が広がる洞窟内部には、洞内富士をはじめとした様々な見どころがあります。特に五重塔と名付けられた巨大鍾乳石は必見です!

訪問日:2022/5/7(土)

歴史ある鍾乳洞

岡山県真庭市にある備中鐘乳穴。近くには満奇洞や井倉洞などの観光鍾乳洞も多く、鍾乳洞めぐりを楽しめるエリアにあります。

古生代に住んでいた生物からできた石灰岩が地上に隆起、水に溶けやすい部分が溶けてできあがりました。平安時代に編纂された歴史書『日本三大実録』にも記されており、文献に残る鍾乳洞としては日本最古であるそう。

なお、鐘乳穴は「しょうにゅうけつ」と読みたくなりますが、正式には「かなちあな」と読みます。よくみると、鍾乳洞の「鍾」の字はつくりが「重」ですが、この鐘乳穴は「童」となっています。これは言われないと気づかないですね!(ちなみに、北海道の「当麻鐘乳洞」と京都の「質志鐘乳洞公園」も同じ漢字を使用してます。)

駐車場・受付からは200mほどのスロープを下っていきます。6月下旬~7月上旬頃に訪れると、このあたりの岩壁にてヒメボタルを見ることができるそう。

見えてきた洞窟の入り口。木々に包まれた巨大な岩壁にぱっくり空いた割れ目、その高さは20mとかなりの迫力です。看板なども無い出で立ちが非常にリアル。

開放的すぎる洞内

備中鐘乳穴は約800m以上にも及ぶ鍾乳洞で、そのうち300mほどが観光用に整備されています。

洞内に入ってまず感じるのは、その広さ!まるでホールのように広がる空間で、声がよく響きます。天井が低いところもほとんどありませんので、閉塞感はほぼゼロ。井倉洞、満奇洞とめぐった後だと、この開放感に癒やされます。

タラップを進む立体的なポイントもありますが、こんな風に全体を見渡せる構造。階段部分も非常に登りやすくなっています。

洞内は一年を通して気温が9度と安定しています。夏はひんやり涼しく、冬は少し暖かく感じますね。

神秘的な鍾乳石

まるで棚田のようなリムストーンプールが並ぶ「七町田」。七町田という名前にはどういう意味があるのでしょうかね。

洞内奥地は神秘的な空間は、「月世界」と名付けられています。スケール感が半端ないです。

そんな月世界には、小さなリムストーンが作り上げる模様、「月のクレーター」も。

人のようにみえる石筍は「マリア像」。まるで白い衣をまとっているかのような神聖な姿です。

個性派ネーム

こちらのたくさん垂れた鍾乳石の名前は「たこ坊主」。ただのタコで止めず、坊主まで添えたところにネーミングセンスを感じます。

左から「人の脳」「こけし岩」「猿の能」。こけし岩はともかく、脳と名付けたのはかなり攻めています。さらに、猿の脳が並ぶあたりもかなりユニーク。人の脳よりひとまわり小さいからでしょうかね。

高さ3m・直径5mに及ぶ巨大な石筍。その形状から「洞内富士」と名が付けられています。かなり見応えのある鍾乳石で、洞内のシンボルと言っても過言ではないでしょう。

(ヘドラやジャバ・ザ・ハットが頭に浮かんだのは、私だけではないハズ・・・。)

圧巻の五重塔

さきほどの洞内富士も見ごたえありますが、おそらくこの鍾乳洞最大の見どころがこちらの壁にそびえる鍾乳石。

「五重の塔」という名が付けられていますが、五重どころか22階層からなる巨大な鍾乳石。壁や天井と一体化しているため正確な高さは不明ですが、10m以上はあるんじゃないでしょうか。

洞内が広いため、離れたところから全貌を眺めることができるというのもポイントです。この空間にも名前が付けられており、その名も「夢の宮殿」。ファンタジックなネーミングですね!

アクセスと営業情報

中国自動車道北房ICから約15分。駐車場は無料で利用できます。

営業時間 10:00~17:00 ※11~3月は16:00まで
定休日 不定休 ※1月、2月は日・祝日のみ営業
料金 700円
公式サイト http://ww9.tiki.ne.jp/~kanachiana/

※掲載の情報は2022年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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