江戸時代の趣が残る3つの石橋が移築・保存されている公園。アーチ状に造られた石橋は重厚な存在感を放ちます。歴史ある橋を間近で見たり、ふれたり、橋上を渡ってみたりと、自由に楽しむことができるスポットです。
江戸の橋を保存した公園
鹿児島市を流れる甲突川(こうつきがわ)。江戸時代には城下整備の一環として、「玉江橋」「新上橋」「西田橋」「高麗橋」「武之橋」という5つのアーチ橋が架けられました。
名石工と名高い肥後(熊本)の岩永三五郎を招いて造られたこの5つの橋は「甲突川五石橋」と呼ばれ、人々の生活を支えてきました。この橋は平成まで利用されてきましたが、1993年の豪雨により2つの橋が崩壊してしまいます。
残った3つの橋「玉江橋」「西田橋」「高麗橋」を移設、復元したのが今回ご紹介する石橋記念公園。江戸の空気が保存された、穏やかな公園です。
なお、この石橋記念公園にある橋は、どれも自由に渡ることができます。実際に橋の上に立ってみると、歴史ロマンを感じることができるかもしれません。
①西田橋
ずっしりと構える4連アーチの石橋。全長50mにも及ぶ立派な姿で、鹿児島県の有形文化財にも指定されています。
石橋の下は薄く水が流れています。実はここは水遊び可能なスポット。サンダルで来ているのでためらいなく水の中へ!とっても暑い日だったので、めっちゃ気持ち良いです。
石橋の下をくぐり見上げてみると、そこには刻まれた「弘化三年」の文字が。この橋は1846年に架設されたものなのです。
西田橋は最も鹿児島城に近く、参勤交代時に藩主も利用する橋。すぐ側には立派な西田橋御門も建てられています。くぐるとタイムスリップしてしまいそうな趣があります。
門はちょうど日陰になっており、おじさんが腰掛けて休んでおります。さながら門番のようでした。
②高麗橋
2つ目の橋は、こちらの高麗橋。先ほどの西田橋と同じく4連アーチタイプの橋で、バックには力強い桜島の姿が見えます。
この橋の近くには、橋を造った石工・岩永三五郎の銅像が。腰に差した刀から、帯刀を許される身分であったことが想像できます。
周辺には遊具やベンチがあり、やっぱり腰かけたおじさんがいました。
③玉江橋
こちらも同様に4連アーチタイプの石橋。植物が生い茂り、3つの橋の中でも、最も遺跡らしい趣にあふれています。
橋の上を歩くと、向こうに桜島が見えます。この桜島ビューは、移設された結果かもしれません。
あたりは日影も無く、座るところもないためおじさんはいません。と思っていたら、ウォーキングのおじさんが現れた!
石橋記念館
公園内には、石橋記念館というミュージアムも建っています。架橋技術や当時の歴史を知ることができるそうですが、月曜が定休日。残念ながら、引き当ててしまいました・・・!
鹿児島市内の歴史スポットではありますが、中心部から少し外れているため、また平日午前中の訪問であったためか観光客はほとんどいません。近くに暮らすおじさんたちの憩いの場といった印象でした。
ちなみにこの石橋記念公園、日没から夜21:00まではライトアップも行われています。ライトに照らされた石橋は、きっと昼とはまた違った姿を見せてくれることでしょう。
アクセスと営業情報
鹿児島駅より徒歩15分ほど。鹿児島市内の観光地循環バス「カゴシマシティビュー」を利用すれば、「石橋記念公園前」下車後すぐ目の前です。
開園時間 | 24時間 |
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休園日 | 無休 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://ppp.seika-spc.co.jp/ishi/ |
※掲載の情報は2023年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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