島後 Part 5 ローソク島展望台・壇鏡の滝・那久岬 島の西側の絶景めぐり(隠岐の島町)

隠岐諸島

レンタカーでめぐる島後シリーズ、今回の記事では屋那の舟小屋群、壇鏡の滝、那久岬と島の東側のスポットをめぐります。通常船から見ることの多いローソク島を地上から見たくて、展望台へも行ってみました!

訪問日:2022/5/3(火)

本日は15:10発のフェリーくにがで本土へと帰る日。出港まではたっぷり時間があるので、13:45のかっぱ遊覧船を予約。それまでの約4時間、レンタカーで島の名所めぐりに出発!西郷港近くの民宿喜兵衛から、時計回りに進んでいきます。

屋那の舟小屋群

最初に目指したのは西郷港から車で20分ほどの屋那の舟小屋群。入り江に舟小屋がずらりと並んでおり、まるで基地のようです。

木造の舟は、海に浮かべておくとフナクイムシという貝にくわれて劣化してしまいます。陸に揚げておくためにこのように小屋が作られていったそう。

京都の「伊根の舟屋」に比べると家屋ではなく舟小屋だけですが、びっしりと並ぶ姿は壮観です。なお、こういった舟小屋は日本海側にしか見られません。その理由は干満の差。干潮時と満潮時におきる海面の高さが日本海側は50cmほどですが、太平洋側は2〜5mもあるため、舟小屋に引き上げるのが困難となるそうです。

近くには牛突きの像も設置されています。この辺りの都万(つま)という地域では伝統行事である牛突きの保存を進めており、この像はそのシンボルとして建立されたとのこと。アーティスティックな雰囲気の像で、とってもかっこいいです!

壇鏡神社・壇鏡の滝

続いて向かったのは壇鏡(だんぎょう)神社・壇鏡(だんぎょう)の滝。細い山道を進んだ先に駐車場があります。

参道入り口となる鳥居の手前には大きな杉の木が2本。この配置、実はちょっとした理由があります。かつて、出雲大社から神殿修理のために境内の杉の木を要求されたことがあったそう。村の人たちは、大切な杉の木を切り倒したくないため、なんとか免除できないかと悩んでいました。そのとき、知恵のある村人が「鳥居の外ならば境内の杉の木ではなくなる」と鳥居を動かしたため、伐採を免れることができたそうです。

鳥居をくぐった後は杉並木を歩いていきます。隣には渓流が流れており、とっても心地よい道。流域にはオキサンショウウオが棲息しているらしいです。

5分ほどで壇鏡神社の社殿、そして壇鏡の滝に到着!壇鏡の滝というのは2つの滝のことを指しており、社殿を挟んで左右に分かれています。最初に見えるのは、社殿に向かって左側の雌滝。岩壁を滑り落ちる優雅な滝です。

続いて、社殿に向かって右へ進むと見えてくるのが雄滝。上から降り注ぐ水しぶきは、まるでミラブルプラスのシャワーのようにきめ細やか。

この雄滝は滝の裏側に入ることができる「裏見の滝」。歩道を進んでいくと、流れ落ちる水の裏側に入ることができます。サラサラと流れる水の音が心地よい空間です。

空を見上げるとカーブを描く断崖とキラキラな水の粒。写真にはあまりよく写りませんが、実際に見るととってもキレイです。

この壇鏡神社は、松尾山光山寺の2代目住職である慶安が夢のお告げを受け、見つけた滝と鏡を祀ったのがはじまりといわれています。隠岐に配流された小野篁は、帰京できるように滝に打たれて祈願していたというエピソードも残されています。

那久岬

壇鏡神社から再び海辺へ戻ってきたら、お次は那久岬(なぐみさき)へ。駐車場からすぐ目の前に大海原の絶景が広がります。

ウッドデッキの展望所も設置されています。鳥のさえずりと、放牧されたウシの鳴き声が鳴り響くのどかな風景。心が穏やかな気分になりますね。

岬の先端に立つ灯台まで遊歩道が伸びております。せっかく来たのだから灯台まで行ってみましょう!

駐車場から6分ほどで灯台の目の前に到着。真っ白な姿が青い空をバックに映えます。

駐車場には、かつて使用されていた旧那久岬灯台。電化が進む前の時代、島の人はどんなに悪天候の日であろうと毎日欠かさずこの灯台に火を灯していたそう。石造りの姿が重厚感ありますね。

ローソク島展望台

島後島の沖合500mの海上に浮かぶローソク島。本来ならば昨日の夕方、遊覧船で見に行く予定でしたが残念ながら欠航。船から見ることはできなくても、どこか展望台から見ることはできないでしょうか?GoogleMapを眺めていると、ローソク島展望台という場所があるようですので行ってみることにしました。

駐車場からは第一展望所と第二展望所と2つの展望所にアクセスできます。距離はそれぞれ50mと840m。第一展望所はすぐ近くですが、第二展望所はつづら折りの道でなかなか険しそうな雰囲気。

まずは第一展望所からのローソク島。眼下にはちらっと見えますが、ちょっと小さいですね!ローソク島の水面からの高さは20m。この展望台の標高は180mほどなので、かなり上から見下ろす感じです。

第一がちょっぴり不完全燃焼だったので、第二展望所まで行ってみることにしました!山道をひたすら下っていきます。帰りはこれを上るのか、なんてことはなるべく考えないように進みます。

駐車場から12分ほどで展望所に到着。第一と比べると、かなり降りてきたためローソク島とほぼ同じ目線の高さ。はっきりと見えるローソク島の姿に疲れも吹っ飛びます!遊覧船は残念でしたが、これだけしっかり見ることができれば大満足です。

帰りはひたすら上り坂。なかなかハードですが、日陰なのが幸い。無理せずゆっくり登ったので約25分ほどでした。ちなみによく写真で見かける夕日が灯る姿は船からでないと見ることができませんので御注意ください。

なお、GoogleMapではローソク展望台としてポイント登録されています。

こことは別の場所に「ローソク岩遊歩道」というスポットもあります。そちらはローソク岩と離れているため、なんとか見える、くらいとのこと。地上から見るならば、ここ第二展望所がベストなようです。

※観光マップなどではここも通行止めとありましたが、2022年5月3日時点でまったく問題なく行けました!

隠岐自然館

さて、そろそろかっぱ遊覧船の時間も近くなってきたので島内観光はこのあたりで切り上げ。西郷港に戻ってレンタカーを返却したところ、少し時間があったので港の隠岐ジオゲートウェイ2階に入っている自然ミュージアム・隠岐自然館へ。一部屋だけの小さな博物館なので、船の待ち時間にもおすすめです。

館内では、隠岐島ができるまでの地殻変動や火山活動がプロジェクションマッピングによって映し出されます。火山活動によって誕生した隠岐、島根半島と陸続きになったり、離れたりを繰り返していました。やがて海蝕によって海岸が削られていき、現在のカタチへと姿を変えていったのです。

隠岐に暮らす固有の生物についても多く紹介されています。こちらは隠岐の中でも島後のみに棲息するオキサンショウウオの模型。本土と陸続きのときに隠岐へ移動してきたサンショウウオが独自の進化を遂げたと考えられています。

北方系と南方系の植物が混在しているのも隠岐の自然の面白いとところ。北海道の花に認定されているハマナスの南限でもあり、奄美大島などで見られるナゴランの北限でもあるそう。

おもむろに置かれたブロックのようなものは、隠岐の各島で見ることができる奇岩の模型たち。トカゲ岩、ローソク岩、通天橋など、隠岐をめぐったあとにみると、なんだか懐かしくなります。

次回は隠岐最後の記事!かっぱ遊覧船の乗船記になります~。

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