ダ・ヴィンチ、モネ、ミケランジェロなど、名だたる画家の作品の陶板画を鑑賞することができる、オープンエアな美術館。レプリカとはいえ、実寸大であったり、ときに拡大された作品は見ごたえ抜群!複製ならではの展示方法も見どころです。
屋外タイプの美術館
京都府立植物園のすぐ隣には、京都府立陶板名画の庭というスポットがあります。
1994年に完成した施設であり、様々な名画を陶器の板に写して展示した屋外美術館であるそうです。いったいどのような施設なのでしょうか。
なお、入園料はわずか100円!!
京都府立植物園との共通券もあり、さらに割引になります。こんなに安くて良いのか不安になります。
安藤忠雄建築に並ぶ名画
庭という名称から庭園をイメージしていましたが、内部はひたすらコンクリートの建築。
これは世界的な建築家、安藤忠雄によるもの。彼の作品らしい無機質な質感、そして立体的な構造は、直島の「地中美術館」や「李禹煥美術館」、淡路島の「淡路夢舞台」を彷彿とさせます。
そんなコンクリートの秘密基地に並ぶのは世界の名画8点。これらの絵画は、原画を撮影したポジフィルムを元に写真製版技術により陶製の板に転写し焼成した陶板画。紙や布に比べて劣化しにくいという特徴があります。徳島県にある大塚国際美術館も陶板でつくったレプリカを約1,000点も集めた美術館でしたね。
ここの陶板画は、堺屋太一氏の発案企画により、ダイコク電機株式会社の代表取締役・栢森新治氏から京都府に寄贈されたものであるそう。
ずらりと並ぶ絵画作品
知らない人はいないであろう世界的に有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ《最後の晩餐》。432cm × 886cmというほぼ原寸大にて展示されています。いざ目の前にすると、かなり大きく感じますね。
印象派の巨匠、クロード・モネ《睡蓮・朝》は、なんと水の中に浸かっています!これは陶板ならではの特殊な展示です。
洋画だけではありません。京都高山寺が所蔵する伝・鳥羽僧正《鳥獣人物戯画》も展示されています。もともとは30cm × 1150cmという作品ですが、ここでは縦横2倍に拡大されております。20mにも及ぶ非常に長い作品なのです。
中国の至宝とされる張澤端《清明上河図》もあります。こちらもまた縦横2倍に拡大されています。
他にも、スーラ《ラ・グランド・ジャット島の日曜日》、ルノアール《テラスにて》、ゴッホ《糸杉と星の道》といった作品が展示されていました。
圧巻の「最後の審判」
数ある作品の中でも最もインパクトがあるのがミケランジェロ《最後の審判》。バチカンのシスティーナ礼拝堂に描かれた作品、その大きさは1430cm × 1309cmと ほぼ原寸大であるそう。
この美術館は階層が3段階に分かれており、様々な高さからこの絵画を見ることができます。
一番下から見ると、目が行くのは下方部分。そこに描かれているのはおぞましい地獄や死者の復活のシーン。
一方、上層部は十字架や柱を運ぶ天使の姿。さらにキリスト、マリア、ヨハネといった旧約聖書の人物が描かれています。それぞれ目線の高さを変えて楽しめるのもここならでは。
レプリカとはいえ、絵画のスケールを体感できる非常に貴重なスポットでした。
展示数は8点と少なめではありますが、逆を言えばひとつひとつの作品とじっくり向き合っても疲れないボリューム感。訪問される際は、ぜひそれぞれの絵画を近くでじっくりと鑑賞してみてくださいね!
アクセスと開園情報
地下鉄烏丸線の「北山」駅3番出口からすぐ。
開園時間 | 9:00~17:00 |
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休園日 | 12/28~1/4 |
料金 | 100円 |
公式サイト | https://kyoto-toban-hp.or.jp/ |
※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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