復活を果たした天守閣!西国防衛の要所に立つ平城『尼崎城』(尼崎市)

兵庫県

赤穂城、姫路城、明石城と並び、江戸幕府が西国に対する防衛ラインとして建立した城郭。近年、天守閣が再建されて存在感を増しました!内部は体験コーナーが充実しており、歴史マニア以外でも楽しめるタイプのお城です。

訪問日:2023/7/1(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

尼崎城のヒストリー

阪神の尼崎駅のすぐ近くにある尼崎城。まずはその歴史をさらっとまとめてみました。

尼崎城を築城したのは、1615年に近江膳所(ぜぜ)より尼崎に移封となった譜代大名の戸田氏鉄(うじかね)。江戸幕府直轄地となった大坂の西の守りとして築かれました。

5万石の大名の居城としては大きすぎる城であったそうですが、それだけ外様大名の多い西国に対する防衛ラインとして重要視していたことがわかります。

その後は青山氏、桜井松平家と城主は代わってゆきます。築城から一度も戦火に晒されることなく、明治時代の廃城令により取り壊しに。現在は小学校や住宅地となっていますが、西三之丸の北半が尼崎城址公園として整備されています。

2018年に復活した天守

そびえ立つ立派な天守閣。なめらかな唐破風と直線的な千鳥破風が交互に重なる壮麗な城です。

実はこの天守が完成したのは2018年!家電量販店旧ミドリ電化の創業者・安保詮氏が、創業の地であるここ尼崎に恩返しがしたいという思いのもと、私財を投じて天守を建築したそう。

すぐ近くにある尼崎市立歴史博物館には精巧な復元模型も展示されています。

この尼崎城、当時の資料が豊富に残っているため、実物を再現することもできるそう。ただし、現在その縄張りは学校などに利用されているため、実現するのは非常に困難。この復元天守も、本来の天守台とは異なる場所に造られています。

最上階から見る尼崎のまち

受付を進むと、まずはエレベーターで5階へ。新しい木の香りが漂う展望台が広がっています。

眼下に流れるのは庄下川(しょうげがわ)と、本興寺をはじめとしたお寺が集まる寺町の景色。

タブレット端末には江戸時代の城下町の様子が映されており、タブレットを動かすと見える景色も変化していきます。長い年月を経て変化したものや変わらないものなど、歴史を感じることができる仕掛けです。

歴史がわかる展示

最上階から降りていくと、様々な展示が広がります。尼崎城を解説したパネルは、イラストつきで非常にわかりやすい。用語を解説したQ&Aもあるため、前知識ナシでもお城について学ぶことができます。

大きなスクリーンを備えたVRシアターでは、CGやアニメーションを使用した約10分半の映像作品が上映されます。人形浄瑠璃の作者である近松門左衛門が主人公であり、とってもわかりやすく楽しい仕上がりです。

ユニークだったのは「尼崎こぼれ話」。禁門の変で敗走した長州藩の兵が信仰につながる不思議な話「残念さんが病気を治す!?」や悲運のストーリーがアゲハ蝶につながる「蝶になったお菊さん」など、目を引くタイトル。気になる方は、ぜひ現地に足を運んでみてください。

盛りだくさんの体験コーナー

3階のなりきり体験ゾーンでは、様々な衣装を身に着けて自由に写真撮影が可能。兜、裃(かみしも)、忍び装束が揃っており、サムライやニンジャになって遊ぶことができます。畳敷きという点も、着替えたり座ったりしやすくて良いですね!

2階には鉄砲体験剣術体験。こちらは、銃と剣をコントローラーにして、クイズやゲームが楽しめるしかけ。展示物を見ていないと解けないような問題も出てきます。

槍・刀・弓矢・鉄砲の本物の重さを体験できるコーナーも。考えていたよりもずっと重量感のある日本刀を持つと、いかに昔の武士たちが鍛錬を積んでいたのか実感できますね。

真面目に学ぶこともでき、カジュアルに楽しむこともできる個性的な天守閣。歴史的な資料は少なめですが、こういった気軽に楽しめるタイプのお城はけっこうレアな気がします。

わざわざ目当てにするには 少し物足りないかもしれませんが、大阪→神戸への移動の途中に途中下車したり、近くの歴史博物館や寺町散策と合わせて立ち寄るのもおすすめです。

アクセスと営業情報

阪神本線の尼崎駅より徒歩約5分。

営業時間 9:00~17:00
休城日 月曜、年末年始
料金 500円
公式サイト https://amagasaki-castle.jp/

※掲載の情報は2023年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

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