霧の日には御注意!『白糸の滝&音止めの滝』(富士宮市)

静岡県

全国に複数ある白糸の滝の中でも、屈指の規模を誇る大きな滝。様々なアングルから見渡す展望台が設置されているのですが、霧の日には・・・。富士講や源頼朝、曽我兄弟にも縁がある場所です。

2020/6/26(金)

アクセス&駐車場

白糸の滝は、新東名の新富士ICから約35分、中央道の河口湖ICから約1時間のところにあります。

白糸の滝の駐車場はいくつかあります。国道139号線から向かう場合、一番最初に目に入る駐車場は500円ですが、そのすぐ先には200円の場所もあります。こちらはナンバーを記入して料金を投函する無人式なので、小銭の用意を忘れずに。

霧隠れの滝

駐車場から遊歩道を進むこと、約5分。白糸の滝に到着しました!

霧で全然見えません!!!

滝というのは、晴れの日は太陽光が反射して美しく、また雨の日は水量が増して力強さがアップします。しかし、霧の日ばっかりは全く姿が見えなくなってしまいます。

案内板によると、高さ20m・幅150mの滝で、富士山に染み込んだ雨水や雪解け水が流れ出たものが勢いよく流れ落ちているそうです。

いっそのこと目を閉じてみると、ゴウゴウと流れる音で滝の姿が頭に浮かんできました。滝は見るものではなく、感じるものだ!と言いたいところですが、やっぱり不完全燃焼です。

晴れているときはこんなにも素敵な景色が見られるそう。こんな日は近くにある富士花鳥園でエミューの森を見るのが雰囲気抜群でおすすめです。

様々な角度から滝を見る展望台

周辺の遊歩道を歩いて行くと、展望台もあります。もちろん、霧でほとんど姿は見えません。

滝を真正面から見ることのできる滝見橋もあります。近くで見て見えないものが離れて見えるわけもなく、ほぼ見えません。

私の使用しているスマホGoogle Pixelは夜に強く、真っ暗でも写真が撮れるのですが、霧はどうしようもありません。霧の中でも撮れるカメラ、開発してほしい!

音止めの滝は見える!

白糸の滝遊歩道沿いにはもう1つの滝、音止めの滝があります。こちらはあまり霧がかっておらず、全貌をくっきりと見ることができます。地形的に霧がたまりにくいのでしょうか。

白糸の滝の影に隠れていますが、こちらもかなり立派な滝。水量も多く迫力あります。ただし、滝まで遊歩道が伸びていないので、遠くからちらっと見る程度となっています。

この音止めの滝は、白糸の滝とともに日本の滝百選に選ばれています。こんな至近距離に2つも揃っているのかとおもったのですが、どうやら2滝合わせての登録のようです。

ところで、この滝はかなり大きい音を立てています。なぜ「音止め」という名前なのでしょうか。(この謎はもう少ししたら解けます)

将軍・源頼朝とのかかわり

白糸の滝の裏側の方に、ひっそりと水を湛えた場所があります。こちらは「お鬢水(びんみず)」と呼ばれる水場。

征夷大将軍となった源頼朝は、富士の裾野に多くの御家人を集め「富士の巻狩」を開催。この巻狩はただの娯楽ではなく、東国の武士の力を披露する軍事演習も兼ねた一大イベントでした。(※巻狩=シカやイノシシなどを大人数で追い詰めて弓矢で射止める狩猟)

その際、この水に顔を映して鬢(びん=顔の側面の髪の毛)を整えました。それが由来となり「お鬢水」と呼ばれるようになったそうです。

ちょっとした仕草で、800年以上も名前が残るなんて、権力者は一挙手一投足気が抜けないのではないでしょうか。でも、すぐ隣に立派な白糸の滝があるのに、髪を直しただけではもったいないような気もします。白糸の滝にまつわるエピソードは残されていないのでしょうか。

気になったので調べてみたところ、もちろん白糸の滝にも立ち寄り、こんな和歌を詠んでいったそうです。

この上に いかなる姫や おはすらん おだまき流す 白糸の滝

おだまきというのは、麻糸を丸めた玉。滝の上に姫がいて糸を垂らしているという、なんともロマンティックな捉え方です。

富士講の聖地

白糸の滝のすぐ近くでみつけたのは「食行身禄(じきぎょう みろく)の碑」

江戸時代に流行った富士山を信仰する民間信仰・富士講。その開祖である長谷川角行は、この白糸の滝で修行を行いました。そのため、富士講信者にとってこの滝も神聖な場所となります。信者たちは、富士山登山だけでなく、白糸の滝をはじめとした聖地を巡礼したり水行を行ったりしていたそう。

ここで祀られている食行身禄も「身禄派」と呼ばれる富士講の指導者の一人。この石碑は百回忌として1832年に建てられたものです。

そんな富士講と関わりの深いこの滝は、世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産にも登録されることとなりました。

なお、先ほどのお鬢水も長谷川角行が水行を行った場所として知られており、富士講の霊場の1つにも数えられています。

曽我兄弟の仇討ちストーリー

駐車場近くの曽我橋を渡って少し進むと、「曽我の隠れ岩」と名付けられた大きな岩が姿を現します。

曽我というのは、曽我祐成と曽我時致の曽我兄弟のこと。この2人は父親の仇討ちを達成した兄弟として名を残しています。

幼き頃に父である河津祐泰(かわづすけやす)の命を奪った工藤祐経(くどうすけつね)を追い続け、先述の「富士の巻狩」に参加していたところを見事討ち果たします。この事件は、江戸時代に「曽我物語」として歌舞伎や浮世絵で人気を博しました。

この曽我の隠れ岩は、そんな曽我兄弟が討ち入りのための作戦を練った場所。この岩の近くにあったとされる工藤祐経の陣屋を偵察しながら、岩に隠れて密談していました。

その際、近くの滝の騒音でうまく話を進めることができませんでした。神に念じたところ、兄弟の思いが伝わったのかたちどころに滝の音は止まり、兄弟は無事作戦を立てることができるようになりました。この伝説から、「音止めの滝」と呼ばれるようになったそう。

先ほどの音止めの滝の名前の由来は、この曽我兄弟と関連があったのでした・・・!


周辺には、おしゃれなカフェや富士宮焼きそばのお店、昔ながらの売店などが並びますが、17:00過ぎていたのでもう閉店していました。もう少し早く来れば良かったです!

というわけで、市街地の方へ降りていきうめづというお店で富士宮焼きそば食べました!肉そば並で550円というお手軽さ。カウンター席に座ると、鉄板で調理してる姿を目の前で見れます。

細麺だけど、しっかり歯ごたえのもちもち麺と、普通のソース焼きそばとは違う風味。具材は細かく刻んだキャベツと油かす。削り粉と青海苔をかけて食べます。独特の風味と歯ごたえで旨味たっぷりでした!

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