深層水を体感できるミニミュージアム『深層水ミュージアム』(焼津市)

静岡県

日本一の深さを誇る駿河湾から採取される「深層水」をテーマにしたミュージアム。深層水とは何か学んだり、水槽に飼育された生き物を観察したりして過ごすことができます。小さな施設ですが無料で入館できるので、ちょっとした立ち寄りにおすすめです。

訪問日:2023/2/25(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

焼津港に立つミュージアム

千葉県の銚子港、北海道の釧路港と並び、日本三大漁港に数えられることもある静岡県の焼津港。江戸時代には遠洋カツオ漁の漁港として栄え、現代においても水揚げ額はトップクラスという、日本を代表する漁港です。

そんな焼津港の近くにあるのが深層水ミュージアム。青と白に加えてウッド調を交えたデザインがおしゃれな外観の建物です。

館内の展示室は一部屋だけというとってもコンパクトなミュージアム。入場料は無料なので、焼津港に来たついでに立ち寄るのにぴったりです。

ところで、深層水ってなんでしょうか?

よく目にしているような気もする深層水というコトバ。字面から深いところにある水というイメージはわきますが、いったいどのような水なのでしょうか。

深層水ってなに?

深層水というのは、水深200mより深いところにある海水のこと。

深いところにある水だと何か特徴があるのでしょうか?

まず、深層水には太陽光が届きません。そのため水温が低く、細菌類が表層水の1/10ほどと少ないのが特徴。
さらに光が届かないため植物プランクトンが少なく、それを食べる動物プランクンも少ないのです。海底に沈んだ生き物の死骸が分解された栄養がプランクトンによって消費されないため、豊富な養分が蓄積されています。

また、表層部とは異なり、人間による汚染物質の影響も少なく、水の純度が非常に高いのも魅力。養殖などの水産利用、飲料水や化粧品、さらには深層水を利用したタラソテラピーなど、様々な用途で利用されているようです。

体感できる深層水

館内には、シリンダーに入った表層水と深層水の透明度を比較できる仕掛けもあります。確かに、見比べて見るととってもクリアです。

入口では、深層水の成分を残した深層水の試飲コーナーも。非常に硬度が高い水で、普通の水とは違う味がします!私のボキャブラリーでは形容するのが難しいので、気になる方はぜひ現地で体験してみてください。

さらに、このミュージアムでは深層水を10リットル100円という、ミネラルウォーターよりも遥かに安い金額で販売しています。ポリタンクも合わせて販売しているので、手ぶらで来てもお持ち帰り可能。

購入できる水はいくつか種類がありますが、脱塩水である「駿河純水」ならば、炊飯や沸かしてコーヒーなどにそのまま利用することもできるそうです。

海洋生物の水槽も

展示室には水槽が設置されており、カクレクマノミ、ナンヨウハギ、ケラマハナダイなど色鮮やかなサカナたちが飼育されています。ちょっとした水族館みたいな雰囲気です。

ふよふよと泳ぐミナミハコフグ。黄色に黒のドットが鮮やかで、草間彌生の南瓜が浮かびます。このカラーリングは幼魚のとき限定。成長すると、茶色に白ドットへと色合いが変わります。

アカザエビとその奥にはイチョウガニ。いずれも深海に暮らす生き物ですが、なんと深層水の取水管を通ってやってきたそう。

大量のオオグソクムシ

いくつか並んだ水槽の中でも、最もインパクトがるのがコチラ!

オオグソクムシがてんこもり!!!

数匹でしたら問題なく鑑賞できるオオグソクムシですが、ここまで集まると恐怖を感じます。

オオグソクムシは、見た目通りダンゴムシやフナムシの仲間である等脚類に分類される生き物。この種類の生き物では、日本最大種です。

餌を見ると大量に食いだめ、そこから長期間の断食をすることが可能であるそう。餌に出会えるチャンスの少ない深海に暮らしているため、このような生態に進化したようです。

深海生物に関する展示

水槽だけでなく、深海生物に関する展示もいくつかあります。

展示されたラブカの剥製。生きた化石とも呼ばれる古代のサメです。歯が非常に特殊で、コンベアのように生え変わる歯がそのまま口の外に続いています。

こちらの1.2mにも及ぶ大きな白いサカナ、なんとまだ名前が付いていない新種とのこと!ソコボウズというサカナに似ているのですが、DNAと骨格が異なっており、現在調査中とのこと。

映像シアターでは、深海生物の貴重な映像が流れます。わかりやすい解説もついているので、テレビ番組みたいな感覚で気軽に楽しめる内容に仕上がっています。

見学所要時間はさらっと見るだけなら15分もあれば充分かもしれません。焼津港や、向かいにあるミニ水族館「うみしる」と合わせての訪問がおすすめです。

アクセスと営業情報

焼津駅前より焼津市自主運行バス「ゆりかもめ」に乗り、10分ほどのバス停《アクアスやいづ》下車後徒歩2分ほど。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 無料
公式サイト http://www.city.yaizu.lg.jp/shisetsu_annai/shinsousui-museum/

※掲載の情報は2023年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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